トーキング・マイノリティ

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中ピ連とフェミニズム

2008-06-25 21:41:25 | 世相(日本)
 中年以上の世代の方なら、派手な活動で注目を集めた女性運動集団「中ピ連」を憶えておられると思う。「中ピ連」は政界進出を目指し政党を結成、参議院選に出るも惨敗する。当時、選挙権もない子供だった私の周囲でも話題の種になったほどだったが、選挙の惨敗という結果によりやがて忘れられた。wikiには、代表・榎美沙子氏の現代の消息は不明とある。現代のフェミニストは榎氏を完全に黙殺しているが、「中ピ連」がその後のフェミニズム運動に与えた影響はかなり大きい。

 以前、私はフェミニストを自称するマダム・クニコなる女性ブロガーから、コメントやTBを受けたことがある。独特な文章構成のある記事から、高等教育を受けた人物なのは分る。だが、私にはまるで共感できず、『フェミニズムという名のマルクス史観』の記事でマダム殿への感想を書いた。この記事に2件のコメントを頂いたが、1人は左翼活動をされた人気ブロガー、もう1人は賢明な主婦。フェミニスト運動の端緒に華青闘という在日中国人の組織が関っていたことを、前者のコメントで初めて知った。華青闘など、私もネットをしていなければ未だに名も知らなかっただろう。以前から私はフェミニズムにマルクス史観のにおいを感じていたが、それも当然だった。

 先日、フェミニズムと全く無関係の用語の検索をしていたら、偶然フェミニストブロガーの記事がヒットした。マダム・クニコ氏がインテリに対し、こちらは非インテリ・フェミニストなのは文面で知れる。まず「ササクレYOKO」のハンドルネームがすごい。私のハンドルも相当いい加減だが、ブログ題にも「へたれ」の言葉が使われており、これだけ自嘲表現のあるブログも珍しい。
 インテリという人種は、己の個人的不満や愚にもつかぬ問題を殊更大仰に理論体系付け、さも社会の重大事であるかの如く結び付ける手段に長けており、実は個人の利益が動機という本性はおくびにも出さない。それでも文章の端々から本音が垣間見えることもあり、まして非インテリだとそれが明け透けなので、本当は何が目的なのか容易に分る。

 フェミニストの女とは、一般に男嫌いのイメージが強い。もちろんフェミニストも様々なので、男好きな者もいるだろう。「頭も良くて、銭もあって、柔軟性あって、話も面白くて、仕事廻してくれる男と出会う率高い…」とはイイ男と付き合いたいというノーマルな女の本能の表れである。同性愛者でもなければ、分不相応な異性を求めるのが人間の常だから。だが、そのアプローチは極めてアブノーマルだ。
私、性被害者だし…」など女は常に被害者という脅迫を相手に強いるものであり、被害者意識を全面に出したかつての中ピ連のやり方と殆ど同じ。実際にYOKO氏が性犯罪に遭われたのならば、お気の毒としか言いようがない。だが、被害体験談の繰言を聞かされることくらい、周囲を耐え難い思いにさせる話もない。たとえイイ男と出会えても、気の利いた会話も出来ない女なら、相手にもされないだろう。

 フェミニストが被害者面をするのは、それが得なことを熟知しているからだ。優位者にくどくど己の哀れな身の上話を繰り返し、食と同情を得ようとする物乞いに酷似している。相手の寛容さに付け入り、利用して食べていくのが物乞いであり、社会に依存する点でフェミニストも変わりない。彼女らは男を糾弾しつつ、自立を目指すつもりなど端からなく、目的は社会に養ってもらうことなのだ。YOKO氏は米国に5年間滞在し、外国人の友人も多数いると自称するが、その人脈を活かした職に就いている様子もない。外国人とコネにより、会社やNPOでも立ち上げるほどの者なら、このような記事も書かないだろうけど。

 私がフェミニストに最も不快を感じるのは、主婦を貶め、見下す傾向が強いことである。YOKO氏のブログに「家事や育児に疲れた主婦」との表現があり、まるで主婦は家事でくたびれている惨めな存在と言わんばかり。本当に家事に疲れている主婦もいるが、昔と異なり家電製品や少子化もあり、家事の負担はかなり改善された。そして「子供を沢山産まされる」主婦など、今時稀なケースだ。第三世界の無学文盲の女ならともかく、無計画に妊娠、出産する主婦にも責任がある。結婚歴のある者が言うのならまだしも、それもない若い女が批評するのは傲慢と無知を露骨に表している。哀れで不幸な主婦こそ、独身女の自尊心をくすぐる存在もない。

 私は未読だが、『クロワッサン症候群』という本があり、その内容を紹介した男性ブロガーの記事は実に興味深かった。マスコミに踊らされ、キャリアウーマンにもなれず、結婚も出来ず不本意な独身生活を送る破目になった女たちを描いた本である。身の程を知らず能力も魅力もない女たちの一部が、己自身や負け犬特有の社会への不平不満のはけ口をフェミニズムに求めたのが実態。
 一般の男だけでなく多くの女たちにとって、フェミニズムなど取るに足りない問題なのだ。フェミニズム主張は世間の関心を引く効果もあろうが、それで男を惹き付ける保証はない。「頭も良くて、銭もあって、柔軟性あって、話も面白くて、仕事廻してくれる男」など滅多におらず、そんな男もまた女を厳選、他の女たちも放っておかないのが現実。己に服従、奉仕する金持ち男がほしいだけであり、主婦の例などダシに使っているに過ぎない。

 福沢諭吉は江戸時代の女大学を、男が己の我がままを押し通すため女に押し付けたもの、と糾弾したが、平成のフェミニズムとは女がエゴを貫くため男に強要する新興宗教といったところか。

◆関連記事:「専業主婦と独身キャリアウーマン

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
納得です! (やすこちゃん)
2008-06-25 23:40:59
 いつも貴ブログを楽しみにさせていただいております。実は、2008年6月25日付の「中ピ連とフェミニズム」から2007年11月19日付の「専業主婦と独身キャリアウーマン」へ入り、その日の投稿欄からクイーンのジョン・ディーコンの発言を始めて知りました。クイーンファンでありながら、ジョン・ディーコンのこの発言は知りませんでした。ジョンの発言はいかにも彼らしいと思いました。つまり<(ゲイは)自然の摂理に反している‥>というものですが、ジョンはクイーンのメンバーの中では最年小ですが、結婚は一番早く離婚せず、現在に至るまで堅実な生活を続けている人でもあります。6人の子持ちですが、そのうち2人はフレディの死後に授かった子供だそうです。
 さて本題ですが、中ピ連!懐かしいですね(大爆笑)当時小学生だった私は笑っていました。ばっかみたい、このおばさん!と思っていました。中身がなくて共感できない、と子供心にも思えたからです。消えてくれてセイセイです。しかし何故フェミニストっておバカなのでしょう?(失礼いたしました)

 
 
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Unknown (ルイージ)
2008-06-26 12:44:39
中ピ連は若い(謎)ので知りませんw

少子化を調べた時に
「高学歴の男性は相手女性に学歴は求めないが、高学歴の女性は相手男性に高学歴(高収入)を求める」
というのを読んで納得してしまいましたw

男性が無職女性と結婚するのはざらですが、
高学歴・高収入女性がニート男性と結婚、
ってのはまあ無さそうですよねw
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アイドル好き?? (Mars)
2008-06-26 21:18:44
こんばんは、mugiさん。

私も、中身はともかく若いので、中ピ連を存じておりません(汗)。

やはり、フェミニズム論者は、男性からも、女性からも、あまり相手にされないようですね。異性からはともかく、同性からも白眼視されるのは、非現実的で過激な言葉に酔っているだけなのかもしれません。

昔から、異性の目よりも、同性からの目が厳しいのは、男性も女性も同じですが、芸能界に住む者も同様でしょうね。

アイドルという言葉の意味には、偶像というものもありますが、異性から奉られるより、同性からのファンを作るだけの努力と技術・技量が必要でしょうね。
(そして、技術・技量が必要がないものは、お色気路線等に転向するしか、生きる道は少ないようですね)

追伸、
帰宅の電車の中吊りで、草加の親玉と胡某のツーショット写真の広告がありましたが、日本に仇なす者同士、お似合いのカップルでしたね(苦笑)。
(微笑している顔とは裏腹に、お互いがお互いを利用しよとしている姿も、ほほえましいものです
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コメント、ありがとうございます (mugi)
2008-06-26 22:59:26
>やすこさま

 拙ブログをいつも読まれて頂いて、光栄に思います。ブロガー冥利に尽きることはありません。
 件の発言はジョン・ディーコンのファンサイト「ベースのひと」にありました。'84年「音楽専科」5月号に載った記事だとか。仰るとおりいかにも彼らしい。子供の頃、父を亡くしたことも影響していると思われますが、現代に至るまで若い頃結婚した妻と連れ添っているだけでも、珍しいですよね。出来ちゃった婚でも、お見事です。同時にヴェロニカ夫人もよき妻だったとなります。
http://www.deaky.com/tonight/index.html

 中ピ連の榎代表、あれで京大薬学部卒だそうですが、高学歴=知性とはならず、の典型ですね。お薬で頭がイカれたとしか思えない。
 まだ、インテリフェミニストなら屁理屈もやれますが、それにかぶれた非インテリ女となれば、出来の悪い女子高生並の駄文しか書けないので、救いようがない。フェミニストだと、「頭も良くて、銭もあって、柔軟性あって、話も面白くて、仕事廻してくれる男と出会う率高い…」と書いていたのには大笑いしました。もう三十路にもなるのに、男や世の中がまるで分かっていない。あれでは彼氏も無理。
 これって宗教の一種だと思いましたよ。この信者になれば、良縁、富に恵まれる…といったように。もっとも家族、友人、恋人、教養、社会的に恵まれた人なら、宗教は必要ないですけど。


>ルイージさん

貴方は中ピ連を知らない世代でしたか。知って面白い存在ではありませんが、その後輩的な女性団体は珍しくありません。

仰るとおり、高学歴女性はそれ以上のレベルの男性を求めるため、結果対象相手が限られ、婚期を逃がすといったパターン。
妻に学歴や収入がなくても特に困らないので、容貌や気立てで伴侶を選べる男性に対し、なまじ収入のある女性は反って難しい。
それでも最近はニート男性と結婚する高学歴・高収入女性もでてきたそうですよ。ただし、イケメンw。


>こんばんは、Marsさん。

フェミニズム論者は女の諸問題を訴えながら、実の所は利己的な目的が狙いなのを同性は見抜くのですよ。
フェミニスト女が主婦を敵視するのは、女の嫉妬があると私は見ています。夫や子供に恵まれ、幸福な生活をおくる同性くらい、忌々しいものもない。だから足を引っ張ろうとする。自分の今に満足しているのなら、たとえ独身者でも既婚者を妬んだりはしないと思います。

アイドルと聞くと、若いカワイ子ちゃんを連想しますし、実際そのようなタイプが大半ですが、それだけでは長続きしないですよね。実際に芸能界で長く活動しているタレントは、同性からも支持を得ていることから、生き残るには技術・技量が欠かせません。
先日、あるアイドルのブログを目にしたのですが、若いのに記事の内容がしっかりしているのに驚きました。たとえゴーストライターが書いていたにしても、文章はなかなかでしたよ。対照的にフェミニストは学のあるなし問わず、書くことが非現実的で幼稚。

地元紙・河北新報にも例のツーショット写真広告が載っていました。全く目が腐る代物ですが、自称「庶民の王様」の草加親分に、デムパジャックされているメディアには、まるで笑えません。
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感謝御礼申し上げます (やすこちゃん)
2008-06-26 23:39:11
 mugi様!音楽専科84年5月号の記事ですね。このサイトはとても充実しているのですが、ここまではチェックしていませんでした(ははは~)お忙しいところ本当にありがとうございました。心から感謝御礼申し上げます。
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どういたしまして (mugi)
2008-06-27 22:00:26
>やすこ様

 仰るとおりあのサイトは内容は充実しており、フレディファンでも楽しめます。何気ないインタビューから、バンドメンバーの本音が知れて面白い。フレディやロジャーはいかにもロックスターという感じですが、ジョンだけは感覚が一般の人に近いですね。あの発言なら、日本人が言っても違和感がない。イギリス人にも真っ当なことを言う者がいると感じさせられました。
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私の場合 (ハハサウルス)
2010-08-10 09:54:59
興味深い記事をご紹介頂き有難うございます。
フェミニストの言う「男女平等」は、私には「男性を隷属化」するまで達成できないのではないかと思えます。自分に甘く、他人に厳しいのは、左向きの人の共通点でしょうか。

『クロワッサン症候群』を紹介しておられる記事も面白かったです。私は『クロワッサン』に興味はなく(というかあまり雑誌を読まないので)、「へぇ~そうだったんだ」と驚くと共に、自分も所属する年代の当時を思うと、その傾向はわかります。

私は元々専業主婦希望。もちろん希望ですから、縁あって結婚して働かなくてはならなければ働く気持ちはありました。独身時代、専業主婦希望だなどと言うと「え~、○○さんは仕事するタイプだよ。家に入るタイプじゃない」「子どもをおんぶしている姿が想像できない」「何贅沢なこと言ってんのよ」などなど、何故か私が専業主婦になることを、男性からも女性からも否定され、“私って何?”とちょっと落ち込んだこともありました。
しかし、自分で子育てしたいという気持ちはずっとあって、基本的に「自分のことは自分で決める」と思っていましたし、言い方は悪いのですが、職業婦人(言い方古いですね~笑)としてのキャリアを積むつもりがなかった為、いろんな仕事をしました。もちろん収入が必要だったこともありますが、どうせするならいろんな事を体験してみたいということで、転職する時は、前職とは違った職種を選んだものです。当時は結構仕事がありましたし、条件を妥協すれば仕事は見つかりました。腰掛けだからといい加減な仕事をしたつもりはなく、その時その時できっちり奉仕してきたつもりです。それらが、結構今でもいろんな場面で役に立っていて有難いです。

かと言って結婚願望は強くなく、「縁のもの」と思っていましたので、それほど結婚は早くはありませんでした。いろんなことをしたせいか、独身生活に未練はなく、自由のきかない婚家にあっても、何とかつとまって(!?)います。結婚は夢ではなく、現実の生活ですから、覚悟がないとギャップに不満が溜まる一方でしょうね。
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RE:私の場合 (mugi)
2010-08-10 21:47:32
>ハハサウルスさん、

 もし、真の「男女平等社会」が実現したならば、真っ先に困るのこそフェミニスト連中ではないでしょうか?御用済みになるのはもちろんですが、彼女らの意見からは同性のためではなく、己の利権誘導が目的ではないか、と思えるものが見え隠れします。それを共生やら平等などの美辞麗句で隠しているように感じますね。
 さらにフェミニストは職業婦人としてもプロ意識に欠ける傾向があるように思えます。やれ社会や職場環境が悪い、男性の同僚が無理解だなど、結局は周囲のせいにする。適当に楽な仕事をして、高給を得たいという気持ちは誰しも内心はあるでしょうが、世の中にそんな気楽な職業はありません。

 私も雑誌はあまり見ないので、『クロワッサン』を見たのは病院か何かの待合室くらいでした。内容は殆ど忘れましたが、米国南部には進化論を教えない学校もあると書かれていた箇所だけは憶えています。後で知りましたが、左派系雑誌は宗教の伝統には批判的に書くのに対し、共産主義の問題は取り上げなかったそうです。プロパガンダとしては巧妙ですね。

 貴女の生き方並びに職業観には感銘を受けました。貴女の世代でも『クロワッサン』に影響された女性もいたのですね。雑誌を参考にするのは悪いことではありませんが、最終的に「自分のことは自分で決める」他ないのです。犯罪者なら話は別ですが、自分と違う選択をした同性を敵視する女性活動家には、女の狭量さと嫉妬以外感じられません。

 彼女らが特に好む言葉に「自立」があります。ただ、女性の自立とはどのような状態なのかも不明なのに、自立の言葉だけが独り歩きしている。傍から見れば自立への強迫観念に取りつかれているとしか思えないし、ならば独身を貫く他なくなるのでしょうか。
 もちろん自立を重視、生涯独身でも自由ですが、そうでない生き方を選んだ同性に干渉するべきではありません。
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