送別会 14日、焼 きとりじゃんぼ
道東に赴任することとなったNさん。いろいろあったが、ひとまず区切りだ。心にわだかまりもあったはずで、小指の先ほどの戸惑いは口にしたけれど、そんなのちっぽけ、てな感じで、とても前向きだった。元気でやってきて、またどこかで一緒に?仕事しよう。
二十年前に一緒に走り回った。朝早く夜遅い。汗臭いソファ。厳しい先輩。はちゃめちゃであり、抜かれた悔しさも思い出すが、そんな若気の頃は今となってはもう遠くにあるのみだ。それはそうと、若気で思い出したわけではないのだが、Nよ、あのころより頭髪が濃くなった気がする。気のせいではない。良かったよ、うん。
今日は札幌まつり。通しに珍しく 鰻(白焼き)も出た。
一人道東へ行く君に
君はこの三年間、多くの知己友人を作った。
人との出会いは、人間にとっての酸素。酸欠にならずに良かった。
福祉の現場で「あなたに会えて良かった」って激励もされたんだってね。
新天地でも、その調子でどんどん仲間を増やしてください。
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君はこの五年間、会社のいろいろを見てきた。
たくさんの激励があった。でも腫れ物に触るような振る舞いも感じただろう。
「陰でこそこそ言わず、直接言ってほしい」って言ってたよね。
大丈夫、新しい場所には冷たい人の目や口は存在しないんだから。
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君はこの二十年、心が荒れ、やせ細る同僚を見てきた。
希望が欲望に変わり、人望が失望に変わる。その瞬間と、薄汚れた姿を。
「まだ書きたい」。サツ回りのころ抱いていた初心は消えていなかったね。
やれるさ、人の愚かさと、温かさを両方知ってるんだから。
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君はこれから二年か三年、新しい職場で働くのだ。
妻子を置き、単身赴任だという。同じ陸地、歩ければ歩いていけるし、心もつながってるさ。
肝臓が悪く、酒はあまり飲めなくなった。いいさ、量より質だよ。
前途洋々。読者から預かったペンで、自分のペースで楽しく、朗らかにやってくれ。