荒井山から

札幌は荒井山に家がある。東京-札幌-旭川-富良野-札幌と異動。室蘭を経て札幌へ。江別に行きまた戻った。もうすぐ退社だ。

これは儲けもの

2010年06月25日 23時56分43秒 | 映画

「板尾創路の脱獄王」24日、蠍座

 昭和初期、鈴木雅之(板尾創路)が001信州第二刑務所に移送されてきた。彼は過去2度も脱獄に成功しているいわく付きの囚人で、胸には逆さ富士の刺青を持っていた。今回も収監直後に脱獄したが、刑務所近くの線路で捕まってしまう。その後何度も脱獄を繰り返すのだが、線路の近くで捕ま003_2ってしまうのだ。看守長の金村(國村準)は興味を持ち始める。金村が休暇を取ったときに、彼は脱獄し、おとがめが無く金村は法務省で出世していく。

 何とも不思議な板尾創路の世界。屋根に張り付くシーンは何ともおかしい。このおかしさはストレートなんだが、全編しゃべることなく、想像をかき立てるシーンが満載しているので、このストレートさも何やら不思議にとてもおかしく感じられるのだ。そして國村準の重厚さが不可思議さを増幅させてくれる。逆さ富士の謎を含めた最後のどんでん返しが、馬鹿馬鹿しいけど、なるほどという感じ。この両義性の中で、自由にやられたって感じだ。

 封切り時に見損なっていたが、見て良かった。 002_2それに結構 、網走番外地などの獄舎、脱獄ものの得難い雰囲気も出ていた。役者も友情出演なのか、吉本系の芸人がたくさん出ていて、そこはかとないおかしさに満ちている。


活きがいいぜ

2010年06月25日 23時55分19秒 | 映画

1007910_01   「カケラ」23日、シアターキノ

 大学生のハル(満島ひかり)は大学生で、安アパートに住みながら、時々年上の彼氏了太(永岡佑)の元に通っている。ある時、喫茶店にいたとき、リコ(中村映里子)という女から同席してもいいか誘われた。彼女は事故や病気で失った身体のパーツを作るメディカルアーティストで、自分を好きだと言ってくれる。ハルはリコ002に次第に心を開くようになる。

 2009年のロンドンのレインダンス映画祭でワールドプレミアされ話題を呼んだ。安藤モモ子のデビュー作。原作は桜沢エリカのコミック「ラブ・ヴァイブス」。

 やはり安藤モモ子は一つの大きな才能だ。全編、活きがいい。欠003片という部分の解釈も月に見立て「月は満月でない、欠けた日の方が多いんだよ」って。うーん、この不完全さの肯定は、男社会へのNOに聞こえる。ちょうど了太にリコが罵声浴びせかけるシーンがあるが、なかなかスカッとする。

 身体パーツの設定は原作にないらしいが、この話は大変象徴的でうまくいった。肉体的、精神的にどうやって他人にアプローチするのか。地味だが、しっかりとした一歩一歩が大切だ。かたせ梨乃の存在もすごい。最近の彼女の出演は、年齢を重ねた凄みが出てとてもいい。


金髪ボーイ

2010年06月25日 23時54分08秒 | 映画

1008063_01_2 「ボックス!」23日、札幌シネマフロンティア

   気弱な優等生ユウキ(高良健吾)は電車内でのトラブルを、幼なじみのカブ(市原隼人)に助けられた。二人は同じ恵美須高校に通っていたと知り、ユウキは誘われてボクシング部に入部007   する。お調子者だが天性のボクシングセンスを持つカブは、大会で勝ち進む。だが超高校級ボクサー稲村(稲村雅士)との対決で負けてしまうと、敗北のショックからボクシング部を退部してしまう。一方、真面目に鍛錬を重ねていったユウキは、着実に強くなっていった。

 市原隼人006はかなり突き抜けていて、今回は見ていて楽しい。鬱陶しい感じがするときもあるのだが、役が持つコミカルさに救われた。あの金髪はいい。お好み屋という設定もありきたりだがグッドだ。そして高良。今売れに売れているが、そんなにいいのかどうかよく分からんが、真っすぐで、ちょっともぞもぞ一歩前へ行けず、見たいな感じが、同世代を中心に共感を呼ぶのだろうか。

 元放送作家の百田尚樹による青春小説を「デトロイト・メタル・シテ005ィ」の李闘士男が監督。やはり普通ならまじめな奴が上手くなると言う臭い展開を避けるのかも知れないが、アリは確実に力を付ける。そこに人生の妙があり、二人の友情も強いものになる。010こういう感じの筋は、男にはどこかここか、経験があるものだが、互いが抱く違和感を超えて、相手のためになろうとする姿は立派だ。

なお稲村は本物のプロボクサーだそうだ。市原、高良もボクシングの猛訓練したという。