楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

米作りを終えて

2009年11月09日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■収穫後の脱穀、籾摺りを経て玄米へ

 6月に田植えをした田んぼで収穫を終え、いよいよ皆さんの口に運ばれる時が来ました。
 10月に収穫を終えた米は、ハゼとビニールハウスの骨組みで天日干しされていました。このハゼ干しで米を乾燥させ、含んでいる水分の量を調整し、良い食味が出る水分の量に調整するのです。
そして、まずは去る11月4日に脱穀を行いました。脱穀には農家さんからコンバインという機械をお借りし、学生や一般会員さんも5人ほど集まっていただきました。
 最初に農家さんからコンバインを使う上での注意点をお聞きし、早速作業を開始しました!
 次々と稲束をコンバインまで運び、農家さんの手で機械にかけられていきます。作業自体は難しいこともなく、2~3時間ほどで脱穀されて籾つきの米になり、次の工程を行うライスセンターへと運ばれて行きました。
そして、脱穀が終わると、次は機械を使った乾燥です。
ハゼ干しでも乾燥はできるのですが、どうしても稲束の内側や稲同士が重なっている部分は乾燥が不十分になってしまうため、こうした機械乾燥を行って乾燥の度合いを均一にする必要があるのです。
乾燥は、農家さんが管理をされているライスセンターにてさせていただいたのですが、機械の大きさや、少しレトロな外観ながらも、現在も現役で動き続けている様子に圧倒されました。
そして、米を機械に投入してからおよそ一日後、乾燥が終了し、玄米になって米が機械から出てきたときは感動的でさえありました。
結局、玄米になった米の量はおよそ6俵半(390kg)。田んぼの広さが1.7反なので、1反辺りの収量は3.8俵。今回植えたヒノヒカリの標準的な収量が1反あたり約8俵なので、実は標準の半分に近い収量です…。
農家さん曰く、「ちゃんとした時期に肥料を入れていれば、結構収量が違っていただろう」「稲刈りをするのが遅かったのでは」。こうした話の中で、様々なご指摘、アドバイスをいただけました。


↑脱穀の様子


■ご飯とお粥は大盛況!

そして、畑作業で汗を流した後は、美味しい美味しい炊きたてご飯の登場です!
参加者全員が見守る中、釜のふたを開けると、盛大に湯気が出てきて、中からふっくらと炊けたお米が出てきました。それを参加者たちでおにぎりにして頬張り、いも茶粥でも体を温めました。
さすがに自分たちで作った米を使っただけあってか、次から次へとおにぎりに手が伸び、握っては食べられ、握っては食べられ、という状態にさえなりました。結局、あっという間に炊いていたご飯はなくなり、いも茶粥もなかなかの盛況でした。


↑苦労して作ったお米を食べます!


■議論にあがった第6次産業

 議論の中で話題に上がったのが、山口県での第6次産業の展開です。
 第6次産業とは、第1次産業の従事者である農家が、生産にのみ従事するのではなく、第2次産業である食品加工、第3次産業である農産物、加工品の流通、販売、消費まで一貫して関わるという産業の形態のことで、第2次産業や第3次産業の技術やノウハウを使って付加価値を付けられるため、また、生産者とそれに関わる人たちの間で循環を作りやすいことから、農業活性化のための新たな方策として期待がされています。


↑議論で盛り上がる畑


■第6次産業へ、新たな挑戦

 今年の米作りは大きな区切りを終え、ひとまずの終わりを迎えました。たった5~6か月という期間にも関わらず、まるで1年以上関わったような気がするほど、長く、しかし濃い時間だったと思います。
 今後は、「山口県での第6次産業の展開」を実現させるべく、生産だけに留まらず、活動を加速させていきたいと思います。