王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

東京五輪:JOCの無能と佐野研二郎氏の終焉

2015-08-31 18:54:46 | 東京五輪2020
あらら・・・、まんまやん・・・。

開いた口が塞がらないとはこういうことを言うのだろう。
あまりにもダイレクト過ぎて、阿呆らしさを通り越して、ただ唖然とするばかりだ。




銀座で行なわれた展示会、『Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展』のグラフィックス


東京五輪エンブレム・佐野氏の原案

Net上は、もうこの話題で持ちきりなので、今更説明するのには及ばないところであるが、詰まるところ、「佐野エンブレム」の「原案」は、2013年の11月に開かれた『Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展』のロゴの、明らかなる盗用だったというオチだ。

もうこれを疑う余地は全く無い。何故なら、佐野研二郎氏はこの展覧会に実際に足を運び、それを目にし、しかも絶賛までしているというからだ。その証拠が確かに過去のTwitterのログに残っているのである(探し出したNet民も大したお手柄だが)。



佐野氏は「いまのgggのヤンチヒョルトもやばい。」とコメントしている。

ヤン・チヒョルト(Jan Tschichold, 1902年4月2日~1974年8月11日)
ドイツのタイポグラファー・カリグラファーである。看板屋の長男としてライプツィヒに生まれた。新しいタイポグラフィの創生に努めたが、ナチスの弾圧を避けてスイスへ移住した後は、伝統的なタイポグラフィを擁護する立場をとる。同国のロカルノで没した。
なお、もとの姓名は Johannes Tzschichhold である。Iwan Tschichold と名のっていたこともある。(Wikipediaより)


ヤン・チヒョルト氏制作によるタイポグラフィー


で、この『Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展』は、「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」というところで開催されていて、このギャラリーは業界でも有名どころ。
そして、この展示会のデザイン監修をしたのは白井敬尚氏。制作は白井敬尚形成事務所である。

白井 敬尚(しらい よしひさ )
日本のグラフィックデザイナー。1961年愛知県生まれ。株式会社グレイス(宮崎利一チーム)、株式会社正方形(清原悦志主宰)、正方形グラフィックスを経て、98年白井敬尚形成事務所を設立。 タイポグラフィを中心としたデザインに従事し、主に雑誌や書籍のブックデザインなどを手がけている。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授。京都造形芸術大学、東洋美術学校非常勤講師。朗文堂新宿私塾講師。ミームデザイン学校講師。(Wikipediaより)

展示会のグラフィックスはご覧の通り、上のヤン・チヒョルト氏自身のタイポグラフィーをモチーフに制作されたもので、ロゴはそのタイポグラフィーから取って、そのままヤン・チヒョルト氏のイニシャルである「J.T.」としたものだ。ついては何ら問題は無い。
なので、ここで白井敬尚氏が云々という話にはならない。

そこでまず、「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」の運営母体について。
これは「公益財団法人DNP文化振興財団」というところで、
「グラフィックデザインやグラフィックアート等の芸術性や文化性を現世及び後世に伝えるためのアーカイブ事業、国内外の優れた作品を一般に公開する展示事業、セミナーやインターネット、図書などを通じて行う教育・普及事業、国籍や民族を超えて多様な価値観の相互理解と共有を促進するための国際交流事業等を充実拡充して行うことに加え、優れた芸術文化活動の顕彰や助成を行う研究助成事業や国内外機関、個人との共同研究等を行うことにより、広く社会・公共の利益に資し、芸術文化活動支援の恒久化と一層の充実を図り、以って、国境や民族を超えた文化の向上、発展に寄与し、不特定多数の公益の充実を期す(HPより)」ためとして天下の大日本印刷(DNP)が設立したものである。

その役員理事には永井一正氏の名前がある。また、評議員として浅葉克己氏の名前もある。



また、当然のように「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」では永井氏も浅葉も、そして佐野氏も展示会を開いている。
これはいったいどういうことなのか。

『Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展』が開かれてまだ2年も経っていない。記憶には新しいと言える。
永井氏も浅葉氏も、タイポグラフィーの世界で有名なヤン・チヒョルト氏の存在を知らないわけはなく、まして「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」で開かれた『Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展』を役員でありながら承知していないということはまずあり得ないだろう。
従って、この期に及んで「知らなかった」では済まされないということである。

エンブレム選考の流れは、『ヤン・チヒョルト展』のロゴを、ほぼそのまま踏襲したようなデザインを、佐野氏は「東京五輪エンブレムデザイン」として応募し、永井氏も浅葉氏もこれを選び、「何かに似ている」――具体例は示されていない―― としながら選外にはせず佐野案を固持。何とか“似ないように”修正を加えて決定した。

どう考えてもこの流れは不自然に過ぎると言わざるを得ない。ここが一番の問題である。納得できる説明があるなら是非聞いてみたいものである。

それにしても何と稚拙で杜撰で間抜けなことか。盗用したにしても、佐野エンブレムの原案は子供の図画工作の宿題にも劣る出来栄えとセンスである。こうなると、才能の点でも実に疑わしい。

また更に、“似ないように”修正した結果、今度は「リエージュ劇場」のロゴに似てしまったのだから世話がない。挙句、訴えられればもう始末に負えず、しかも相手が著作権問題を最も得意とする欧州屈指の敏腕弁護士と来れば、どう足掻いても逃げ場はないだろう。そもそもこれは裁判の勝ち負けではなく、訴訟に至ったこと自体が拭い難い汚点だということだ。JOCはそうしたことすらも解ってはいない。

余談だが、ちなみに同じ造形要素であっても、『ヤン・チヒョルト展』のロゴなり、あるいは「リエージュ劇場」のロゴなりは、何か繊細さがあって神経が行き届いている気がする。それはパーツ同士の絶妙な“隙間”であったり、個々の大きさや位置、全体バランスの問題なのだろう。些細なことだがこの点は極めて重要だ。その意味では「リエージュ劇場」のロゴも熟考が重ねられた結果のデザインであろうし、その観点から言えば、はっきり言って、盗んで作って元のものより良くなるものはない、ということだ。


一方で、「東京五輪エンブレム」のプレゼンパネルの「使用例・展示例」の写真画像が無断転用だとする話もある。
ただこれについては、むしろデザイン、制作側はプレゼンの段階で「スイトリ」とも言って、いわゆるアリモノを「パクる」ことは多い。もちろんそれはイメージを説明するための内々のプレゼンテーションの場においてであって、それを商品にそのまま移行することはない。決まればきっちりとオリジナルで撮り直すのが当たり前なのだが、果たしてこの場合はどうなのか、ついては微妙なのかもしれない。
もっとも、世界に向けて発表するロゴマーク(エンブレム)である。例えプレゼンでも、流用するなら許可を取り、あるいは全て段取りを組んでオリジナルで行なうのが正攻法だと言える。


上が元画像。下が流用され、加工した画像

それにしても、そうしたことが可愛く思えてくるほど、本体の「エンブレム」はあまりにお粗末過ぎて最早お手上げだ。

真相はわからないが、佐野氏は有名デザイナーの名を欲しいままにちやほやされて舞い上がっていたのか、プロとしての自覚が既に欠如してしまっているのだろう。他人の権利を侵しても気にしない、あるいはそうした意識すらない無神経さが常態化していたとしか思えない。更に、周囲も周囲で同じような状態だったのか、「まぁいっかぁ」のなぁなぁな談合、出来レース体質が後々とんでもない事態を招くのを考えてもいない。

グズグズに腐りきったグラフィックデザイン業界と広告業界。いずれにせよ、世界に対してはとんだ恥晒しである。加えてとんだ墓穴を掘ってしまったJOCだが、その言い草や対応も、もう異常としか言えない。ただ無能さをひたすら露呈しているだけである。

 * * * * *

一方、新国立競技場の件では、やはり1,550億でも充分に高いとして、しんぶん赤旗に次の記事が上がった。

新国立1550億円(上限)決定 巨大事業変わらず しんぶん赤旗 8月29日

 政府は28日、東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場に関する関係閣僚会議を開き、総工費の上限を1550億円とするなど新たな整備計画を決定しました。旧計画の2520億円より縮小したものの、当初案の1300億円を上回りました。

 総工費の内訳は、施設本体が1350億円、周辺整備が200億円。これとは別に設計・管理費が40億円。

 このほか、支出済み・支出予定の関連経費として解体工事費55億円、日本青年館・日本スポーツ振興センター(JSC)本部移転費174億円など283億円にのぼります。

 新計画では、旧計画にあった開閉式屋根を設けず、観客席上部に屋根を設置。用途は原則としてスポーツに限定。観客席の冷暖房設備も見送りました。

 収容人数は6万8000人とするものの、サッカーのワールドカップ招致を理由に、客席増設で8万人に対応できるようにすることを盛り込みました。

 一方で、住民立ち退きなどを招くと批判されている周辺整備計画や関連経費については旧計画のままです。

 財源については「東京都など関係者と協議」として国が負うべき負担を押し付ける姿勢を明示しました。

 工期に関しては、9月1日に設計・施行一括で企画案を公募し、年内に事業者を選定。2020年4月末までの完成を目指します。

適正欠く総工費
 宮本岳志衆院議員(党スポーツ委員会責任者)の話 発表された整備計画の総工費は上限を1550億円として、当初案よりは縮小していますが、北京大会の430億円の3倍強、ロンドン大会の650億円の2倍強という巨額に上っており、適正さという点で国民が納得できるものではありません。

 計画は、基本理念でアスリート第一、ユニバーサルデザイン、周辺環境等との調和を掲げていますが、その際にも、工事費等の膨張を許さず、大幅な縮減に努めるべきです。

 同施設は、大会後には民間事業への移行をはかるとしていますが、国民の貴重な財産となることから、その管理・運営のあり方にはさらなる検討が必要です。

矛盾避けられず
 政府が28日決定した新国立競技場の整備計画は、国民やスポーツ関係者の願いにこたえた抜本見直しには極めて不十分です。

 安倍晋三首相は「大幅なコスト抑制を達成できた」と自画自賛していますが、当初案の1300億円を上回りました。当初案は、開閉式屋根の設置などを盛り込んだ豪華で巨大な施設であり、これさえ上回るものです。

 今回の整備計画と同規模の横浜国際総合競技場でも600億円、ロンドン大会主会場の650億円と比べても、ケタ違いに高額です。

 整備計画の白紙撤回を受けて建築家の槇文彦氏らのグループは、「1300億円でも十分すぎ、これを超える理由はどこにもない」と指摘していました。国民が納得できる見直しとはいえません。

 しかも、解体工事費や日本青年館・JSC(日本スポーツ振興センター)本部移転費など関連経費283億円は別途計上され、実質的な総工費を小さく見せかけています。

 基本理念に「周辺環境等との調和」を掲げながら、住民の立ち退きなどが問題となっている周辺整備計画も含めてまったく見直しされていません。さらに工期が短縮されれば、工費の高騰も避けられず、問題点が露呈することは必至です。

 抜本的見直しが不十分なものになるのは、安倍内閣が「日本全体を活性化する好機とする」(日本再興戦略)として、五輪に乗じて「国土強靭(きょうじん)化」の名で巨大開発や大企業支援を進めるねらいがあるからです。

 今回の見直しで首相は「国民の皆さまの声に耳を傾ける」と表明しました。しかし、民意にこたえない政治を続けるなら、国民との矛盾は避けられません。(深山直人)

もっとも至極な話である。

能無しな日本オリンピック組織委員会(JOC)とこれまた無能な大臣達。こんな茶番をいつまで続けるつもりなのだろうか。


《関連記事》
「呪われたエンブレム・JOCの姦計」
「ますます疑惑のエンブレム」
「問題山積で泥沼化は必至」
「錯綜する情報」
「「EXPO'70」に見るロゴの変更事例」
「地に堕ちた有名デザイナー」
「エンブレムは固持・佐野研二郎氏【釈明文】」
「エンブレム 混迷続く・追い詰められる佐野氏」
「“釈明”にならない便宜的会見」
「エンブレムの行方」
「エンブレム 類似に関する考察」
「今度はエンブレム」
(更新:09/01 01:40/最終更新:09/01 03:50)

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安保法案:8.30 国民大抗議行動

2015-08-31 07:43:10 | 戦争法案
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全国的にぱっとしない天気の中、特に雨模様の東京では、それでも国会前に数万人の人が集まり、「8.30国会前10万人・全国100万人大行動」は大成功をおさめた。




「国会前」でWeb検索をすれば、何十ページにも渡りこの話題で溢れ、一般メディアも大々的に取り上げてこの様子を報道した。

国会周辺に主催者発表でおよそ12万人、警視庁の調べで3万人余りが集まったとされるが、12万人は些かハッタリで(笑)、逆に3万人はどう見ても少な過ぎる見積りだが、実際は霞ヶ関、日比谷周辺まで含めてその数は7~8万人というところではないだろうか。
それにしても大したものである。近年には無い画期的なことだ。もし天候が良ければ、おそらくは文字通り10万人を超えたはずである。それだけ人々は安倍政府に不信を抱き、「戦争法案」にこの上ない危機感を持っているということである。




安保法案 国会周辺で最大規模の反対集会 NHK 8月30日

安全保障関連法案に反対する、これまでで最も規模の大きな集会が国会周辺で開かれ、参加した人たちは「戦争法案を今すぐ廃案に」などと訴えました。

集会は30日午後2時ごろから国会周辺で開かれ、主催者の発表でおよそ12万人、警視庁の調べで3万人余りが集まり、これまでで最も規模の大きなものとなりました。
このうち、国会の正門前では参加者が歩道だけでなく車道にも広がり、プラカードを掲げて、「憲法9条を壊すな」とか、「戦争法案を今すぐ廃案に」などと訴えました。
集会には音楽家の坂本龍一さんも参加し、「憲法の精神、9条の精神がここまで根づいていることを皆さんが示してくれ、勇気づけられている。憲法や民主主義を取り戻すためのとても大事な時期で、僕も一緒に行動していきます」と述べました。
続いて若者の代表として大学生の寺田ともかさんが発言し、「私の払った税金が弾薬の提供のために使われ、遠い国の子どもたちが傷つくのだけは絶対に止めたい。『やられたらやるぞ』と威嚇するのではなく、そもそも敵を作らない努力を諦めない国でいたい。戦争法案は絶対に止めることができると信じています」と訴えました。

看護師を目指す学生は
集会に参加した東京の佐竹美紀さん(23)はボランティア活動で、戦争で傷ついたアフガニスタンの子どもたちの医療支援をした経験から、「正しい戦争などない」と考えるようになったといいます。自衛隊員が誰かを傷つけたり、傷つけられたりする事態を招くべきではないと、法案に強く反対していて、看護師を目指す勉強の合間を縫って集会に駆けつけました。
佐竹さんは、「これまでの海外派遣で、自衛隊が武力を行使しないことで築いてきた信頼を、法案が崩してしまうのではないかと危機感を抱いています。一度、武力を行使する方向にむかうと歯止めがきかないと思うし、日本は人道支援や技術の提供で各国からの信頼を地道に得ていくべきだ」と話しています。

若者グループのメンバーは
安全保障関連法案に反対する若者たちのグループ「SEALDs」の中心メンバーの1人で大学4年生の元山仁士郎さんは、「きょうは多くの人たちと声を上げられることができ、勇気をもらった。今後も全国の若者と連携し、法案に反対の声を上げ続けていきたい」と話していました。
また、沖縄県出身の元山さんは「ずっと平和を求めてきた沖縄の思いが本土でも広がってきていると思う。これからもっと連携していけたらと思う」と話していました。

著名人も法案撤回求める
集会には安全保障関連法案に反対する著名人も参加し、ステージから法案の撤回を求めました。
作家の森村誠一さんは「戦争で最初に犠牲になるのは若者たちです。私はかつて戦時中に女性が竹やりを持たされ、訓練させられる光景を見てきました。だからこそ、絶対に戦争可能な国家にしてはいけない」などと訴えました。
このほか、宇宙物理学者で総合研究大学院大学の池内了名誉教授は「科学の軍事利用が具体的に始まり、海外に出かける兵士たちに武器を与える研究を科学者にさせるという状況が生まれつつある。今の段階でこうした芽を取り去るべきだ」などと主張しました。

警視庁 約2倍の警察官動員
安全保障関連法案を巡っては、国会の周辺で、これまでにも定期的に反対集会が開かれていますが、警視庁は今回、集会の規模が最も大きくなると予想されたため、これまでの2倍近い警察官を動員して警備と参加者たちの誘導に当たりました。
警察官は参加者たちに一か所にとどまらず進むよう呼びかけたり、不審な物がないか国会周辺をパトロールしたりしていました。警視庁によりますと、参加者たちは、当初の想定を超えて国会前の車道にまで広がりましたが、けが人などは出ず、大きなトラブルはなかったということです。

全国各地で反対集会
30日は国会周辺だけでなく、全国各地で安全保障関連法案に反対する集会やデモが行われ、名古屋市では、母親らのグループの呼びかけで名古屋駅前でデモ行進が行われ、参加者は「子どもを守れ」などと声を上げていました。
また、北九州市では参加者たちがサッカーの「レッドカード」をイメージしたという赤い服などを身に着けて中心市街地を歩きました。
広島市でも市民グループの呼びかけで集会が開かれ、参加者は街頭でチラシを配ったり、「戦争反対」などと声を上げたりして法案への反対を訴えました。
国会周辺での集会を主催した団体によりますと、30日は把握しているだけで全国のおよそ300か所で法案に反対する集会やデモが行われたということです。


ここには、公明党の支持母体である創価学会のグループも三色旗を掲げて参加している。

また、しんぶん赤旗は、国会前の集会がまだ終る前に「号外」を印刷し、即刻発行するという電光石火の早業を見せた。


しんぶん赤旗「号外」(⇒ PDFファイルの案内


「安保関連法案 国会周辺で10万人目標に大規模反対集会」(FNNニュース 8月30日)



>国会で審議中の安全保障関連法案に反対する市民団体が30日、国会周辺で10万人、全国で100万人の参加者を目標に、最大規模の反対集会を行った。
>小雨が降る中、国会周辺で行われた安全保障関連法案の反対集会には、「SEALDs」などの学生グループのほか、野党4党の代表や、ミュージシャンの坂本龍一さんらも駆けつけた。
>民主党の岡田代表は、「こんな法案、憲法違反の法案を通すわけにはいきません」と述べた。
>また、坂本龍一さんは「ここに来て、民主主義を取り戻す。とても大事な時期だと思います」と述べた。
>国会正門前の道路には、歩道から参加者があふれ出し、一時交通が混乱したほか、一部の参加者が、スペースをめぐって警察官と小競り合いになるなど、これまでに2人が、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
>また広島市では、500人以上がデモ行進に参加し、愛知・名古屋市では、のべ500人が集まるなど、全国各地で集会が開かれ、安全保障関連法案への反対を訴えた。



全国で安保法案に反対デモ、国会周辺には“12万人”(TBS JNN 8月30日)


今国会で最大規模の安保反対デモ 列島各地でも(ANN 15/08/31)




大阪扇町公園 25,000人


「駅構内で悲鳴、トイレ大行列、将棋倒しの危機 国会前「10万人デモ」舞台裏でドタバタ」(J-CASTニュース 8月30日)

>国会議事堂周辺で2015年8月30日、安全保障関連法案への抗議活動が行われた。主催の市民団体は「10万人参加」を号し、国会前はプラカードを掲げた人々で埋まった。また民主・共産・社民・生活と主要野党代表がそろってスピーチするなど、抗議活動は大きな山場を迎えた。

>30日13時30分過ぎ。国会議事堂に近い東京メトロ・永田町駅には、ピクリとも動かない長蛇の列ができていた。
>「国会議事堂方面の出口は、ただいま身動きが取れなくなっております、反対側の出口をご利用ください!」
>駅員の悲鳴めいた声が響く。やむなく長いホームを歩いて、国会とは逆方向の出口に向かうが、たちまちそこもパンク状態になった。駅員は懸命に誘導を続ける。

>「何この人! コミケかよ!」
>デモの参加者ではないらしい、若い男性が悲鳴を上げた。人ごみに巻き込まれながら、「俺たちこのまま、国会まで運ばれるんじゃね?」と連れと顔を見合わす。
>結局、駅から地上に出るまでだけで、20分近くがかかった。

>永田町駅にほど近いコンビニにも、長い行列ができていた。レジの列かと思ったが、良く見ると違う。むしろレジは空いている。行列の先は、トイレだ。軽く十数人はいるだろうか。・・・・・・



ともあれ、日本全国に及ぶ前代未聞の大抗議行動だった。





だが、決してお祭なんかではない。規模の大小はともかく、安倍が法案を引っ込めるまで、あるいは廃案に追い込むまで、万が一法案が通過した後も、そして安倍政権を退陣に追い込むまで、衰えることなく、こうした国民行動は続く。
場合によれば、更に15万人、20万人、30万人と、また国会前行動は行なわれることだろう。

警察官とのいざこざで検挙者は出たが、ほかに目立ったトラブルはなかった。
主催者側の救護体勢も整っていた。集会終了時には、お年寄りに付き添って駅まで送るスタッフの姿もあった。

ただただ「戦争法案」への反対・廃案を訴え、安倍の横暴を許すまじと心を共に集まった人々。気勢を上げても決して無茶をしたり暴動に及ぶわけではない。
これが平和を願う平和な集いだ。この力に勝るものはない。

政府は、安倍は、これをどう受け止めるのだろうか。
体面上はなお平然と構えるのだろうが、何をやっても国民の怒りを買うということ。そのことぐらいは承知だろう。


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安保法案:法案反対全国100万人行動にエール!!

2015-08-30 08:05:55 | 戦争法案
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「安保法案反対:30日「全国100万人行動」国会前などで」(毎日新聞 8月28日)

>参院で審議中の安全保障関連法案を巡り、学生団体「SEALDs(シールズ)」のメンバーらによる抗議行動が28日夜、東京・永田町の国会前で行われ、大勢の参加者が廃案を訴えた。30日には「国会10万人・全国100万人大行動」と題し、全国各地で一斉集会が予定されており、実行委員会は「廃案を目指すすべての勢力と連帯する。取り組みの輪は大きく広がり続けている」としている。

>市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は30日に国会周辺で大規模集会を主催する。シールズや多分野の研究者でつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」なども参加し、午後2時から法案の廃案と安倍政権退陣を訴える抗議行動を展開する予定。



「「日本に暮らす全員が関係」安保法案反対、学生団体会見」(朝日新聞 8月29日)



>東京、大阪、宮城、長崎、沖縄など全国各地の学生らが作る12の団体が29日夜、安全保障関連法案に反対して都内で一斉に記者会見を開いた。

>会見には学生ら約50人が参加。30日に国会前で開かれる同法案に反対する大規模集会を前に、それぞれの地域での活動状況や、法案に対する思いなどを語った。

>滋賀県の団体「しーこぷ。」のメンバーで大学生の藤川結さんは「(法案は)日本に暮らす全員が関係あること。30日は滋賀でも街頭宣伝などをして、地元で声を上げたい人の受け皿になりたい」と話した。



「安倍官邸が怯える8月30日 「安保反対10万人デモ」の破壊力」(日刊ゲンダイ 8月8日)

>安倍周辺が「最後の日曜日」に警戒を強めている。夏休み最後の日曜日(8月30日)、10万人規模の「反安保デモ」が予定されているからだ。もし、10万人が国会を包囲したら、憲法違反の「安保法案」は廃案になっておかしくない。


★★各地集会・デモ案内★★
「30日全国100万人大行動 各地の予定(上)」(しんぶん赤旗)
「30日全国100万人大行動 各地の予定(下)」(しんぶん赤旗)

お近くの集会、デモに是非ご参加を!






国会前の、場所、時間、トイレ、持ち物などの情報。
「8月30日(日)国会前抗議行動に参加する人への覚え書き」(ブログ「料理しない男はクソだ」)




「セブンイレブンでプリントできる安保法関連のプラカードをまとめました! 」
●セブンイレブンのネットプリントから、印刷できるプラカード。「ネットプリント」⇒「番号を入力」⇒「プリント」。有効期限があるのでご注意。



【#本当に止める】6分でわかる安保法制(SEALDs 2015.07.14)



【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた 2015/07/09


●セリフの書き起こしはこちら。⇒「あかりちゃんの正論」

【あかりちゃん#2】HIGE MAX あかりのデス・ロード


●セリフの書き起こしはこちら。⇒「あかりちゃんの正論#2【文字起こし】」

正体は「戦争法案」(日本共産党 2015.06.19)



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東京五輪:呪われたエンブレム・JOCの姦計

2015-08-29 14:25:12 | 東京五輪2020
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思わず吹いた!

あれは一体何だ? 子供のお絵描きかパズルか? それが第一印象であり、私の素直な感想だった。

そう、「佐野エンブレム」の「原案」と呼ばれるそれである。


フジテレビ・FNNニュースより

前拙記事からほどなく、昨日の内にJOC(日本オリンピック委員会)の会見が開かれ、ついに「佐野エンブレム」の原案と“されるもの”が発表された。

「五輪エンブレム問題 組織委、原案公表 あらためて盗作疑惑否定」(FNNニュース 8月29日)



>28日、2020年の東京オリンピックをめぐる動きが、2つあった。
>メーン会場となる新国立競技場について、政府は、総工費の上限を1,550億円に決めた。
>そして、もう1つ、エンブレムがベルギーの劇場のロゴに似ているとして、提訴された問題で、大会組織委員会は、エンブレムの原案を公表し、あらためて盗作疑惑を否定した。
>オリンピック組織委員会・武藤事務総長は、「まずこちらが、審査委員会で1位に選んでいただいた、佐野 研二郎さんの作品でございます」と話した。
>明らかにされたのは、公式エンブレムのデザインの原案、そして修正案。
>オリンピック組織委員会は28日、公式エンブレムが生まれるまでの変遷を公表するという、異例の会見を行った。
>これは、ベルギー人のオリビエ・ドビ氏が、自身のデザインしたロゴに似ているとして、IOC(国際オリンピック委員会)に対し、使用差し止めの裁判を起こしたことを受けてのもの。
>オリンピック組織委員会・武藤事務総長は、「原案は、リエージュ劇場のロゴとは、全く別物ということが、おわかりいただけると思います」と説明した。

>異例の原案公表で、オリジナルを強調したオリンピック組織委員会。
>一方のドビ氏は、どう感じたのか。
>FNNの取材に対し、ドビ氏は「最初のロゴは、似ているとは言えません」と、原案については、似ていないことを認めた。
>しかし、修正案について、ドビ氏は「これは、リエージュ劇場のロゴに似始めています」と語り、そして、最終案については、「誰が見ても似ている」と、あらためて主張した。
>ドビ氏は「問題は、作品のプロセスではなく結果です。わたしのロゴに似ないよう、変更を求めます」と語った。



「五輪エンブレム:専門家「説明もっとはやく」…対応批判」(毎日新聞 8月28日)

>2020年東京五輪の公式エンブレムを巡る騒動で、7月24日の発表から1カ月以上がたった28日、大会組織委員会が選考過程を明らかにした。「もっと早く丁寧に説明していれば、混乱は避けられたのではないか」。デザイン関係者からは組織委の対応を疑問視する声が上がった。

>デザイン評論家で武蔵野美術大教授の柏木博さんは「エンブレムと(類似が指摘された)ベルギーの劇場ロゴはデザインの根本的な考え方が全く異なる。原案が公開され、一層明快になった」と話す。

>一方、大会組織委員会による原案修正の依頼について、デザイン関連の知的財産管理を手がける弁理士の日高一樹さんは「五輪は今や多数の企業が関わるビジネスの場でもある。トラブルを避けるため少しでも似ていれば、変更を加えるのは当然のことだ」と話す。

>大会組織委員会はデザインの原案段階からの独自性を強調し、沈静化を図りたい構え。だが、日高さんは「修正の過程で他のデザインを参照した疑いを完全に払拭(ふっしょく)するものではない」と指摘する。

>東京都の舛添要一知事は28日の定例記者会見でエンブレムについて「残念ながら(エンブレムの)イメージも悪化している」と語った。同日開かれた東京都議会の五輪に向けた特別委員会でも、エンブレムを巡って都議から懸念や注文の声が相次いだ。選考過程の議事録の有無をただした都議は、都幹部の「ないと聞いている」との答弁を受け、「客観的資料さえないのか」と指摘した。



早速Netでは様々な憶測が飛び交っている。
「8月5日の佐野氏の会見での説明(全体が円のイメージ)と矛盾する」、「永井一正氏の言っていたことと違う(●の位置など)」、「後付けではないのか」などである。
それに、今更というか、どうやらJOCの連中は、「原案」を以って「リエージュ劇場」のロゴとは違う、模倣ではないということの証明を試みたようだが、現状はもうそのことよりも、むしろ数々の「パクリデザイン」で評判を落とした佐野氏の、その彼がデザインしたエンブレムを使用すべきかどうかに論点が移ってきている。「デザイナー失格」の烙印を押された佐野氏のデザインが、果たして国民感情的に受け入れられるのかどうかということである。
その意味では、この期に及んでのJOCの説明は、酷くズレているようで、言わば素っ頓狂であり、滑稽にさえ感じる。しかもあの子供じみた「図(原案)」を前にしてである。

>「もっと早く丁寧に説明していれば、混乱は避けられたのではないか」

いや、この様子なら遅かれ早かれではないだろうか。それは根本的に佐野氏のデザインの完成度が極めて低いことに由来する。「一層明快になった」のはむしろその点だ。

とにかく、「原案」は実に幼稚な印象で、デザイン以前に「工夫」といったものが一切見られず、「精錬された」というには程遠い。故に、それが何故選ばれたのか、まずは不可解この上ないというところである。これはもう「佐野ありき」と疑われても仕方がないことだろう。
また、わざわざ会見を開き、「原案」を示すなら、同時に他2点の入選作品も公開して、何故「佐野作品」が選ばれたのかその理由について、そこまでを説明して然るべきではないだろうか。
何か人を食っているというか、国民を舐めているというか、からかってさえいるような感じで腹立たしくもあるが、言い換えれば、おそらく彼らはそうしたことに気付きもせず、客観的にものを見ることさえできない、創造力が欠如した哀れで気の毒な連中ということなのだろう。

果たして結果、これでまた燃え盛る炎に更に油を注ぐことになってしまったようである。

とにかく、「佐野エンブレム」が盗作かどうかは詰まるところ佐野氏自身しか知る由がない。だが、いくらJOCが「盗作・盗用ではない」と主張したところで、ドビ氏の言うとおり、現実問題として、今の「佐野エンブレム」は結果的に「リエージュ劇場」のロゴマークに似てしまっている。要は、盗作・盗用か否かはさておき、その焦点は著作権の侵害の嫌疑にある。

「元に戻せば何も求めない。」
ドビ氏の言うことは至極まっとうで、しかし一方、その「原案」がまた別の作品に似ているとなれば、いずれにせよ「佐野エンブレム」は八方塞。そうして行き場を失えばもう撤回しかない、ということになる。


一方、ここに、東京オリンピックエンブレムのデザイン選考の過程について、更に詳しく述べた記事がある。
ただし、この『宣伝会議』は昔からデザイナー、クリエイターのご用達専門誌である。その点はご承知を。

東京2020エンブレムを一般公募にしなかった理由
マスナビ2016 株式会社宣伝会議グループ(2015年08月28日 掲載)

東京2020五輪のエンブレムのデザインについて、さまざまな見解、議論が交わされている。エンブレムはどのような手順をふみ、どのような審査によって選ばれたのか。ブレーン編集部では、会見時に明らかにされていなかった審査プロセスについて、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下 東京2020組織委員会)に取材を行った。
9月1日発売「ブレーン」10月号の東京2020五輪のエンブレムのデザインについての特集から、その一部を紹介する。

東京2020五輪エンブレム審査は2014年11月17日、18日の2日間にわたり行われた。

最終応募は104名、104作品(うちイギリス・シンガポール・中国・香港から4名が参加)。通常の広告・デザイン賞の審査同様、応募作品はすべてナンバーで管理。最初の投票から、決定に至るまで、制作者名を伏せた状態で作品を審査している。

会場にはロゴと展開例があわせて並べられ、各委員は両方を見た上で、それぞれの視点で残すべき作品、議論すべき作品の上に手持ちのチップを置く方法で投票。

1日目の審査で104作品を37作品に、その後37作品を14作品まで絞りこんだ。

2日目に、あらためて14作品を審査し、再度投票。その結果、4作品が最終選考に残り、そこから新たに議論を交わしたという。それを経て再度投票し、3作品の入選(佐野氏ほか、葛西薫氏、原研哉氏)を決定した。その時点で佐野案の投票数が一番高かったが、そこで決定せず、さらなる議論を続けた。

議論の中心になったのは、展開力と拡張性。

街中に掲出されたとき、テレビ、Webではどう見えるのか。2020年に、このエンブレムはどうあるべきかなど、多岐にわたり、それぞれの専門性、見地、価値観から意見をぶつけあった。8名全員がこれで行こうと納得をするまで、議論を尽くし決定した。

永井一正審査員代表は「審査で最も力を入れたことは、オリンピックとパラリンピックは兄弟の関係、つまり一対であるという点です。単独で見たとき、それぞれの個性を発揮しながらも、イメージは統一させなければならない。さらに、モノクロで表現したときにも違いが分かる必要もある。そういった条件をもとに、差の付け方やバランスも審査のポイントになりました。それから、2020年という少し先に展開する"未来の象徴"となるものであることも意識しました」と話す。

エンブレム候補として佐野案に決定後、事前商標調査を実施。その結果をうけて、委員会はデザインの微修正を佐野氏に依頼した(当初より、Tと円はデザインに組み込まれていた)。

近年、各国のオリンピックエンブレムが複雑化しているのは、商標が影響している。ほかと重ならないデザインを求めれば求めるほど、シンプルなデザインでは通用しなくなっている。64年開催時にはそのような調査はなく、「亀倉雄策さんの東京五輪の際の日の丸のデザインも、いまは通らない可能性もある」という声も聞かれる。

国内での調査通過後、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック協会、組織委員会共同で、国際商標調査を実施。数か月にわたる調査を経て、7月24日の発表に至った。

「審査は利権などとは一切無縁、かつ一点の曇りもない状態で、きわめて公正に実施した」と、同委員会は断言している。

今回のコンペを、一般公募にしなかったのは、次のような理由による。

オリンピック・パラリンピックの理念をエンブレムに落とし込んだデザインであることは、デザインを選定する上で第一義にある。

しかし、マーチャンダイジングや多様なメディアへの展開を考えたとき、そこに対応できるデザイン力があること。制作物のクオリティも担保できることは必須だ。

さらには国際商標をもクリアにしたデザインでなくてはならない。ここには相当な知見とスキルが求められる。そのためロンドンやリオでは個人ではなく、デザイン・ブランドコンサルティング会社がこれらを請けおっている。

国内外のデザイン賞を複数回受賞しているデザイナー個人を応募有資格者としたのは、クオリティの高さと展開力を求めたことが大きい。

知的財産権やデザインマネジメントを専門とする日高一樹弁理士は、今回の件について次のような見解を示す。

「欧米のデザイナーは企業・個人問わず主張が強く、リエージュ劇場のシンボルマークのデザイナーの対応は、デザインやブランドに対する考え方の違いを感じます。欧米の企業にとってブランドを構築するのは戦いであり、自分の権利を侵すものとは徹底的に戦います。個人のデザイナーも抜きん出た独自性こそ自分の価値だと考えるため、権利意識が強くなります。 グローバル市場でデザインをしていくには、この価値観を前提にプロとして仕事をすべきです。ネットでコピー&ペーストが簡単にできる現代において、アマチュアとプロのデザイナーを分けるのは、高度な知財の理解と知財マネジメントを組み込み仕事に臨めるかどうかです」。

(ブレーン 編集部/宣伝会議 AdverTimes)


まぁ外聞も憚らず、ものは言いようという気がしないでもないが(笑)、これはあくまでも、宣伝会議ブレーン編集部が大会組織委員会に取材した、その結果を記事にしたもので、その真相はどうなのかまではわからない。

さて、ここで尚気になるのが、佐野氏以外に入選したというお2人、葛西薫氏と原研哉氏の作品であるが、残念ながらこの二点はまだ公表に至ってはいない。

葛西薫氏
日本のアートディレクター。(株)サン・アド取締役副社長。北海道札幌市生まれ、室蘭市育ち。
高校卒業後、文華印刷(株)に入社。(株)大谷印刷勤務を経て、1973年(株)サン・アドに入社、現在に至る。

原研哉氏
岡山県出身のグラフィックデザイナー。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科教授、株式会社日本デザインセンター代表取締役。
1998年長野冬季オリンピックの開会式・閉会式プログラムを手がける。同年山口県の梅田病院などのデサイン計画に関わる。2000年RE DESIGN展で世界インダストリアルデザインビエンナーレ大賞を受賞。以降、世界各国を巡回していく。
2001年松屋銀座のリニューアル計画、深澤直人と共に無印良品のボードメンバーに参加。2004年HAPTIC展、FILING展開催。またこの年より教鞭をとる武蔵野美術大学の卒業年次の学生と共にEx-formationという共同研究を開始する。2005年の愛知万博のプロモーションを担当する。2007年SENSEWARE展開催。ほかに商品のデザイン、世界各地で企画展示・個展などを多数開催している。
Wikipediaより

なお、「サン・アド」はサントリー出資の広告制作会社である。また、「日本デザインセンター」の最高顧問は永井一正氏である。


またこちら。佐野氏の報酬や「エンブレム」の権利などについて。

「【高論卓説】五輪エンブレム問題 責任逃れに終始し泥沼化 論外の組織委対応」(SankeiBiz 8月28日)

>東京五輪・パラリンピックの公式ロゴが大きな社会問題になっている。このロゴとロゴの作者である佐野研二郎氏に関する多くの疑惑が持ち上がると同時に、誹謗(ひぼう)中傷ともいえる情報がインターネットで拡散されている。オリンピック開催国である日本にとって望ましい事態ではなく、開催都市・東京の信用を低下させるものだ。この問題はさまざまな要素を含み、解決するには問題を分解して考える必要がある。

>五輪ロゴの著作権は、既に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が保有していると思われる。今回のようなコンペでは、募集時に著作権とその権利関係が明示され、コンペに参加する際に契約書を交わす形になっている。

>組織委が提示した条件は、大賞100万円、入賞10万円で、入賞時に著作権を組織委に譲渡するという内容。つまり買い取り契約であり、入賞して公式ロゴに決まった時点で、著作権は佐野氏の手から組織委に移っている。賞金以外にロイヤルティーを受け取る権利は佐野氏にはない。

>また、ロゴを使用するかどうかの判断は、著作者ではなく著作権を保有する組織委に委ねられている。

>模倣疑惑発生後の組織委の対応はリスクマネジメントとして論外であり、ある意味、お役所仕事を絵に描いたようなものだった。ロゴが模倣であるかどうかは別問題として、類似のロゴが存在し、類似ロゴの所有者から抗議を受け、著作権の専門家の意見として係争に負ける可能性が指摘された時点で取り消すべきだった。そうすれば、その後の国際訴訟などの係争も防げ、佐野氏や組織委ひいては日本の名誉も傷がつかずに済んだと思われる。

>「問題は逃げると追いかけてくる」。これはリスクマネジメントの一番の鉄則なのだ。



今やこれだけ佐野氏の「模倣デザイン問題」が取り沙汰され、そうした一連の中にある「佐野エンブレム」は尚更に忌み嫌われ、国民の、取り下げを求める気運は一層高まっている。JOCもそれは充分に承知のはずだ。問い合わせのメールや電話が日々絶え間なく殺到していることであろう。

ちなみに、『グッドマンの法則』というのがある。これは何かというと、「(商品などに)不満を感じた人のうち、いったいどのくらいの人が実際に苦情を申し立てるかという」その割合を示す法則のことだそうだ。

「苦情とはなにか?」(顧客ロイヤルティ協会【Mail Magazine】第17号 2011年8月17日)

この記事によると、
>この調査の集計の結果として、4%から20%という数値が上がっています。
>4%というのは、100人不満を感じたら実際に企業に苦情をいう人は、たったの4人しかいないということです。


例えば日々、Netの書き込みなどで「佐野エンブレム」に対し、批判や禁忌を述べるつぶやきはどのくらいの数に上るだろうか。
仮に“行動派”がその内の1%だったとしよう。しかしそう考えても、JOCをはじめ、政府や東京都、ポンサー企業などに寄せられるクレームはそれでも相当な数になるはずだ。

にもかかわらず、「佐野エンブレム」に固執し続け、使用を強行するなら、それは民意無視以外のなにものでもないということになる。彼らは国民の金を使ってオリンピックを私物化していることにほかならず、まさにJOCは権謀術数をめぐらし悪計を弄す邪悪な組織ということになるだろう。


さて、一方の新国立競技場の1,550億円。
まだまだ高いのではないだろうか。1,000億あれば充分な気がするがいかがだろう。
とにかく、造るなら、区切り区切りでその工程と、掛かった金額を透明・明瞭にして逐次国民に向けて公表すべきだ。最後に「実は・・・」はもう通用せず、決して許されるものではない。

波乱含み、前途多難、先の見えない東京五輪。さて、一体どうなることやら。
(最終更新:8月30日 1:40)


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※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。


東京五輪:ますます疑惑のエンブレム

2015-08-28 08:33:10 | 東京五輪2020
何故このタイミングなのか。満を持しての大御所の登場というところだが、もはや今更感が満載だ。

五輪エンブレム当初案「劇場ロゴと似てない」 審査委員」 朝日新聞 8月26日

 2020年東京五輪のエンブレムがベルギーの劇場ロゴに似ていると指摘されている問題で、アートディレクター佐野研二郎さんの案を選んだ審査委員の代表、永井一正さん(86)が、現在公表されているものは応募案を一部修正したものだと明かした。騒動後、永井さんが取材に応じるのは初めてで、「ベルギーの劇場ロゴとは似ていなかった」と述べた。

 永井さんは日本を代表するグラフィックデザイナーの一人で札幌冬季五輪のシンボルマークを手がけた。

 審査委員は、ほかにグラフィックデザイナーの浅葉克己さんら7人。永井さんによると、応募104案は作者名を伏せた状態で番号だけで審査し、3案に絞った後、議論の結果、佐野さんの案が選ばれた。他の2案は原研哉さんと葛西薫さんによるものだった。

 審査では「五輪とパラリンピックのエンブレムが互いに関連しつつ区別がつくかどうかや、メディアやグッズ、会場で使われる際の展開可能性も検討された」という。

 その後、大会組織委員会が佐野さんの案を商標登録するために、世界中の商標を確認。永井さんは「(原案と)似たようなものがほかにあったようだ。そのため佐野さんの案は、元のイメージを崩さない範囲でパーツを一部動かすなど、組織委の依頼で何度か微修正された」とした上で、「最初の案は(類似性が指摘されている)ベルギーの劇場ロゴとは似ていなかった。盗作ではない」と話した。

 組織委によると、ベルギーの劇場ロゴは商標登録されていなかった。修正されたものを各審査委員も確認し、発表されたという。

 永井さんは「個人的には、ほかの応募案や審査の過程も公表した方がいいと思う。これまで組織委からはコメントしないように言われていたが、これ以上勘ぐられるのはよくないということで、『もう話してもらっていい』と言われていた。このエンブレムがCMなど色々な形で使われてゆけば、よさが伝わると思う」と語った。

■永井一正さん「シンプルな形、似やすい」

 2020年東京五輪のエンブレム問題で、審査委員代表を務めたグラフィックデザイナーの永井一正さん(86)が、アートディレクター、佐野研二郎さんのエンブレムは一部修正したもので、応募段階の当初作はベルギーの劇場ロゴマークと似ていなかったことを明かした。


五輪エンブレム問題 ベルギー人デザイナー「修正前に戻せば解決」 FNNニュース 8月27日



ベルギーの劇場のロゴにそっくりとの指摘があった、2020年東京オリンピックの公式エンブレム。ところが、このデザインは修正されたもので、当初、佐野 研二郎氏が提案したデザインは、全く似ていなかったことが、審査委員代表への単独インタビューで明らかになった。

五輪公式エンブレムの審査委員代表を務めた永井一正氏(86)は「(五輪エンブレムと劇場のロゴは全く違ったデザイン?)はい、全く違ったデザインですね」と語った。
五輪エンブレムの盗用疑惑が、いまだくすぶり続ける中、あらためてその疑惑を否定した。

永井氏がその根拠としたのは、佐野氏の応募当初のデザイン。
永井氏は「最初の審査した時は、下の方のLみたいなのは、なかったわけで。パーツは同じなんですけれども。ですから、全く似てなかったわけで」と話した。
選考に提出された当初の案には、右下の部分はなく、劇場のロゴとは似ていないデザインだったという。

ではなぜ、その当初案から、現在の形になったのか。
永井氏は「国際審査上、やっぱり『T』っていうのが、(ほかの商標に)どこか似ているんじゃないかというようなことが起こって。商標っていうのは、デザイン家内の類似よりも、もっと厳しい目で見ますから。そういうことで、少しそのままであれば、国際審査上、引っかかるというようなことで」と話した。
「T」を前面に押し出すと、商標の国際審査で引っかかってしまうという懸念から、佐野氏に微修正を依頼、現在の形になったという。
永井氏は「『T』と字が、Tのこれが、ちょっとこういうふうになっても、違う書体として、完全に、それぞれ著作権があり、認められているんです。ところが、素人が見ると、TはTじゃないのっていうことになっちゃうわけですね」と話した。

当初のデザイン案と劇場のロゴは似ていないとの見解を示した永井氏について、佐野氏は「永井様のコメントに間違いはありませんが、エンブレムに関しては、組織委員会の広報の方で取材対応されていますので、そちらにお問い合わせいただければと思います」とコメントした。

また、ベルギーにある劇場ロゴをデザインしたデザイナーは、FNNの取材に応じ、修正前に戻せば解決すると主張した。
ベルギー人デザイナーのオリビエ・ドビ氏は「もともとのロゴが、今とは違い、修正を加えたのであれば、修正前に戻せば、問題は解決します」と話した。

現在、五輪エンブレム以外にも、多くの盗用疑惑が噴出している佐野氏。
永井氏は、今回のインタビューの中で「これは(オリンピックエンブレム)は独立で、非常にいいものだと思いますし、ぜひ、これでやりたいと思うし。だけれども、ああいうトートバッグのようなものは、もっと目配りをよくしていってほしいっていうことは、いえますよね」と話した。


加えて、大会組織委員会は、「現段階で当初の案を公表する予定はない」としている。

しかし、ここでまた新たな疑問が生じる。

【1】何故今このタイミングで永井一正氏の証言を報じるのか。

ベルギーの劇場のロゴと酷似しているとの騒ぎが持ち上がった時点で、速やかにこれらを公表していたなら、また状況は違っていたかもしれない。
しかし、穿った見方をすれば、「やっぱり『T』っていうのが、(ほかの商標に)どこか似ているんじゃないかというようなことが起こって。」とするあたり、既に原案自体に他の作品への類似性があり、原案を公開すればこれはこれで「盗作問題」に発展し、騒動を招く懸念が大いにあったからなのだろう。

その点からすれば、去る8月5日に行なわれた佐野氏の記者会見は入念にシナリオを練った上での、言わばパフォーマンスであったこともわかる。
アイデアスケッチやデザイン行程そのものを説明すればよかったものを、それが出来ないことによる俄か作りと思わせるアルファベットや数字を用いてのプレゼンテーションは、まるで要領が掴めず何の意味も説得力も持たなかった。
あるいは佐野氏の身になれば、JOCから“言わされていた”し、余計なことも言えなかった。そう考えるのはまた至極妥当で、実に歯切れが悪かったのもこれで頷けるというものだ。

あの時点で永井一正氏の今回のような証言を持ち出すのは、何かと都合が悪かったのではないのだろうか。
以来、箝口令(かんこうれい)が敷かれ、関係者にメディアが幾度となく取材を申し込んでも、頑として口を開かなかったことが窺える。


【2】他の商標との類似がわかっても「佐野案」を選外とせず、何故それほど「佐野案」にこだわったのか。

商標権の侵害がわかれば、通常は授賞を取り消し、次点の作品が繰り上がる。これは一般的基本要件だ。そのことから、最初から佐野氏案で行くという了解のもとでの出来レースであったことが充分に疑われる。
そもそも今回の五輪エンブレムのデザインコンペティションには厳しい参加資格が設けられていた。
東京ADC賞など国内外の7つのデザインコンペのうち、2つ以上を受賞していることが応募条件である。その意味では入り口から篩いにかける事実上の指名コンペだった。
それでも佐野氏を含む104点の応募があったわけだが、一般公募で何千と集まるより、その程度であれば余程捌きやすい。そう考えれば、他の作品は、あくまでもコンペという体裁を保つために“捨て石”として利用されただけだったというふうにも思える。もしかしたら、本当に優れた作品が他103点の中にあったのかもしれない。

また例えば、永井一正氏 ⇒ 息子・佐野氏と多摩美の教授仲間 ⇒ 高崎卓馬・佐野氏と懇意 ⇒ 佐野氏の兄・経産省のキャリアという図式に見られるように、むしろここに何の手心も加わらないというほうが考えにくい。


   


【3】何故原案も佐野氏以外の作品も公表しないのか。

端的に言って、騒動や混乱が拡大するのを危惧してのことだろうが、せめてその一部でも公開すべきではないだろうか。

アイデアスケッチなり、あるならばコンセプトシートなり、それが示せないなら、例えば、小保方さんの「実験ノート」が実は酷く稚拙なものであったように、あるいは佐村河内氏の家に楽器が無かったように、そうしたことまで勘繰ってしまいがちだ。
この期に及んで今更公開しても却って捏造が疑われるだけ(例のアルファベットのように)かもしれないが、永井一正氏が言うように、当初右下の「⊿」が無かったならば、せめて、佐野氏の言うところの「ブラッシュアップ」、つまり、加筆・修正・改変の行程は具体的に説明すべきではないかと思う。


いずれにせよ、今の段階では永井一正氏の証言を以って、「佐野エンブレム」の「盗作疑惑」の疑いが晴れたというわけではない。更に却って疑念を抱かせただけである。

JOCが頑なに「佐野エンブレム」を堅持する中、ベルギー側が提訴した。一方で一連のデザイン盗作・盗用問題で佐野研二郎氏の評判は地に堕ちた。その佐野氏のエンブレムを“それとは別問題”だとして今後も使い続けるのかどうか。
もはや「佐野エンブレム」が盗作か否かということを超え、むしろ道義的な問題として国民の反発は高まってきている。半端ない投資をしたスポンサーにも疑心暗鬼から不安が広がっている。

単純なところ、素直に撤回し、「やり直す」と言えば対外的には済む問題で、それこそ余程民意に沿っていると言える。これ以上こじらせて一体誰に何の得があるのだろう。
確かに「損害賠償」という言葉に代表されるように、仕掛けた側の癒着・利権がこれを阻んでいるのだろう。痛み分けさえ潔しとせず、ただただ既得権益にしがみつき、「責任問題」に兢々としている。主催者側は文字通り全体がお役所仕事で、取り仕切る人間が不在で交通整理もままならない。そうして内部の誰もが逃げ腰、及び腰だ。それこそ、また安倍の「鶴の一声」でも待っているのだろうか。


「「五輪エンブレム問題」スポンサー大困惑 1社150億円超で使用権も「使いづらい…」」(夕刊フジ 8月25日)

>エンブレムは既にテレビCMや広告に使われている。組織委のスポンサーは国内最高位の「ゴールドパートナー」の場合、1社150億円以上と言われる協賛金を出し、エンブレムを使用する権利などを得る。ある最高位の企業からは「(盗作と)言われるのはよくない。使いづらい」との声が漏れる。

>組織委によると、選考は昨年11月17日と18日に行い、審査委員が先入観を持たないように制作者名を伏せて実施。104の応募作品を対象に、委員8人が4回の投票の末に四つに絞った。最後は委員が協議し、動画などで多彩な活用が期待できることが決め手となって佐野氏の作品を選んだ。

>国際的な登録商標の調査では、同様に「T」をモチーフとした商標が多数あったため、デザインを微修正してことし4月に最終形を固めた。その後本格的な商標調査を1500万円かけて実施し、発表にこぎつけた。



「東京五輪エンブレムを使用スポンサー企業9割に」(日刊スポーツ 8月26日)

>2020年東京五輪の公式エンブレムがベルギーの劇場ロゴに似ていると指摘された問題に関し、五輪スポンサーの日本企業21社のうち、13社がホームページやテレビCMなどでエンブレムを使っていることが26日、分かった。5社も今後使う予定で、スポンサー企業の9割近くが、積極的に利用する姿勢を示した。

>ただ劇場側がエンブレムの使用差し止めを求めて提訴したほか、エンブレムを制作した佐野研二郎氏側がキャンペーン賞品の一部で他の作品を模倣していた問題なども浮上。デザインが「(盗作と言われ)使いづらい」(スポンサー企業関係者)との指摘もあり、早期の問題解決を求める声が高まっている。

>21社に確認したところ、アサヒビールなど13社がホームページやCM、新聞広告などで使用していると回答した。トヨタ自動車など5社も「現時点では使用していないが、今後使う予定」と答え「使用の予定はない」とした企業はゼロだった。

>使用するかどうか未定なのはブリヂストンとパナソニック、日本郵政。ブリヂストンとパナソニックは世界最高位のスポンサーで、東京五輪だけでなく国際オリンピック委員会(IOC)のロゴを使えることも背景にあるとみられる。日本郵政は「20日にスポンサー契約を結んだばかりだから」と説明している。



国民置き去りの東京五輪。今後このまま更に問題が拡大して、本当に取り返しがつかなくなり後に退けなくなる前に善処すべきだ。


一方、ここ最近、デザイナーなりアートディレクターなりが自らのブログやコラムなどでこの騒動について所感を述べているのをちらほらと見かける。
そんな中からいくつか。

「五輪エンブレム、梅野隆児氏が選考方法に問題提起」(日刊スポーツ 8月24日)

>今回のエンブレム選考には参加資格があった。東京ADC賞など国内外の7つのデザインコンペのうち、2つ以上を受賞していることが条件だった。梅野氏は、「フルオープンのコンペではなく、事実上の指名コンペみたいなものだったのです」と指摘した。五輪招致ロゴのデザイナーの島峰藍さんでさえ、参加資格がなく、招待参加もなかった。梅野氏は、「選手だってフェアに戦って下から選ばれてくるもの。なのに、エンブレムは門前払いがある。五輪は参加することに意義があると言われているのに」と、思いを口にした。

>また、梅野氏は「参加資格に含まれる賞は広告系のものが多く、産業系のデザイナーが置き去りにされている」と、別の問題点も指摘する。デザイナーには広告系のほかにも、プロダクトデザインや、建築・環境デザイン、フォントデザインなどの産業系のデザイナーがおり、無名でも日本のプロダクトなどを支える優秀な人材がそろっているという。梅野氏は、「産業デザインを支えたり、暮らしの中で人が美しく便利に暮らせるように頑張っているデザイナーも大勢おり、彼らも優れたロゴデザインができることを忘れないでほしかった」と話した。



「佐野研二郎(30)」(Hatena Blog「eg-hato’s blog」 8月25日)

>隠れてたって事は収まらないんだけどね。どんだけだんまりを続けたとしたって、もう例のロゴにはネガティブイメージしかない。公式に使うのはもう無理。ロゴを諦めるしかないけれど、どいつもこいつも責任を取ろうとしないからしばらくの間は動きないだろうね。佐野研二郎だけでなく、各関係者同等に問題があると思う。国民不在で事を進めようとする役人、乗っかる広告代理店、乗せられるデザイナー(審査員も含め)。この人達にバカにされていることに気がついたらそりゃ怒るわ。佐野研二郎は人をバカにしてる自覚はないだろうけどね。その分、余計たち悪いけど。安藤忠雄は計算だけど、佐野研二郎は天然。


「しくじり佐野研二郎氏に足りない「リスペクト」と「許される力」」(ダイヤモンド・オンライン 8月25日)

>いまだに騒ぎが収まりそうにない今回の騒動の本質は、パクリではなく、佐野研二郎というクリエイターの本質と、日本社会の伝統的な美意識の「対立」なのではないかということである。つまり、多くの人が考える「日本人のクリエイティビティに対する感覚」というものに対して、「佐野氏のクリエイターとしての感覚」が真っ向対立しているところに、今回の騒動の根本的原因があると思われるのだ。こんな人間が日本を代表するクリエイターだと評価させていいのか――。執拗に佐野作品の疑惑を追及する人たちの本当に怒りはそこにあると思う。

>もしかしたら佐野氏は、事ここに至っても自分がなぜここまで批判されているのか理解できていないのかもしれない。サントリーのトートバックで問題になったのは、まさにレディメイドなものをポンポンと配置しただけのような作品なのだが、それがクリエイティブだと思っている人間にとって、「それは盗作だ」と言われても理解は難しいだろう。

>東京五輪のエンブレムという国を代表するデザインにおいても、ジャパン・オリジナルな表現を求められて当然なのだが、そのような「日本人のクリエイティビティに対する感覚」と「佐野氏のクリエイティビティに対する感覚」はどこかで根本的に違っているのだろう。そこが今回の騒動の最大の原因だと思う。

>クリエイターとして一番大事な「まず自分がどのような思いでこの作品を作ったのか」、そこがまったく伝わってこないのだ。だからこそ、騒動の発端となった五輪エンブレムについても、日本の歴史や文化に対するリスペクトが感じられない。このような国家的、歴史的イベントの象徴となるものには、その国の過去、現在、未来という時間軸的なフレームのなかでデザインすべきだと思うが、あのデザインにはそれがない。前回の東京五輪のときの、亀倉雄策氏デザインと比べてみれば一目瞭然である。それはやはり、自分の作品に対してさえリスペクトがないからではないのか――。



「すべては模倣から始まるのだが。」(goo blog 「HAKATA PARIS NEWYORK」 8月19日)

 * * * * *

さて、本日あたり、新国立競技場の新たな整備計画について、関係閣僚会議(議長・遠藤利明五輪相)を開催し、最終決定する予定のようだ。

「新国立競技場 総工費は1550億円に」(NHK 8月27日)

>政府は、新しい国立競技場の整備計画で焦点となっている、総工費の上限について、1550億円とする方針を固め、28日、関係閣僚会議を開いて決定することにしています。


だが、今度はまたザハ・ハディド氏が、「撤回を見直すべき」と蒸し返しを図っている様子だ。

「新国立競技場見直し ザハ氏「撤回見直すべき」と動画提出へ」(FNNニュース 8月26日)



>新国立競技場の建設見直し問題で、撤回されたデザインを提案したザハ・ハディド氏が、「撤回を見直すべき」と主張する動画を作成し、近く日本側に提出することがわかった。
>動画の中で、ザハ氏は「最初の国際的な展示が実現できたのは日本でした。30年前のことです」、「重要なことは、これはオリンピックの先を大きく見据えた仕事で、長くレガシーのために使われます」と語った。
>23分間の動画では、図形などを用いて、新しい建設計画の問題点と、ザハ氏のデザインの利点を検証している。
>具体的には、建設費の高騰は、競争が限られている日本の市場が問題だと指摘したほか、ザハ氏のデザインは、オリンピック後の収益を見据えたものと主張している。
>さらに、座席の空調や併設する施設の建設をやめることで、コスト削減が可能だとする一方、座席数の大幅な削減や入札方法の変更がなければ、建設費を大きく減らすことは難しいとしている。
>ザハ氏の事務所は、今後、この動画と資料を日本側に送って、デザインの白紙撤回を見直すよう求める方針。



いやはや、とにかく東京五輪は波乱含みのぐっちゃぐちゃで前途多難だ。
いっそ全て撤回、辞退!! その方がこれ以上無駄金を使わずに済む。その分、福祉や被災者救済などに回せばどれだけの人が救われるのだろうか。本当にそう思う。


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政界の香ばしき人々・スキャンダラスな日々

2015-08-27 18:55:22 | 政治
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今回は、ここらでちょっと寄り道。w

それにしても、あの武藤お坊ちゃま、今更ながらに呆れる。

「武藤貴也議員の“未成年買春”を相手男性が告白」(週刊文春 8月26日)

>「週刊文春」が報じた“議員枠未公開株”にかかわる金銭トラブルで、自民党を離党した武藤貴也衆院議員(36)が、19歳の男性を“買春”していたことがわかった。

>取材に応じた相手男性によれば、ゲイ向けの出会い系サイトで知り合い、昨年11月、武藤議員と1回2万円で性交渉を行った。会ったのは約20回に及び、議員宿舎でも関係を持ったという。

>武藤議員は、「週刊文春」の取材に事実関係を否定し、相手男性との面識も否定した。しかし取材翌日、相手男性に武藤氏から、取材に応じないよう要求する電話が入り、LINEも送られた。

>売買春が法律で禁止されているのは異性間のみであり、同性間は違法とならない。ただ、未成年の身体を金で買うという武藤氏の利己的な振る舞いに、国会議員としての資質を問う声がさらに高まりそうだ。



彼が男色だったとは・・・。
思えばそんな雰囲気を感じさせなくはないが、いや、LGBTは人間の個性であり多様性でもあるので、決して忌避するものではない。だが、こと関して金銭がらみでしかも「議員宿舎」となれば、これは捨て置ける話しではないだろう。
またそれ以前、「議員枠未公開株」をネタにしたカネ集めは、場合によったら詐欺罪にも相当するものである。


「武藤貴也議員「釈明会見」で怒号――金銭トラブル報じた「週刊文春記者」を閉め出し」(弁護士ドットコム 8月26日)

>安保法案反対の若者たちを「極端な利己的考え」と批判して注目を浴び、週刊文春に「金銭トラブル」を報じられて、自民党を離党した武藤貴也衆院議員が8月26日、東京都内で記者会見を開き、謝罪の言葉を述べるとともに、週刊誌の報道について釈明した。

>だが、この会見に出席できたのは、自民党の記者クラブと武藤議員の地元である滋賀県の県政記者クラブに所属している記者だけ。どちらのクラブにも所属していない雑誌記者やカメラマン、ネットニュースの記者たちは会見から閉め出され、「なぜ入れないんだ」と抗議した。

>会見が始まる直前、武藤議員が5人の警備員に伴われて会場前にやってくると、「武藤さん、どうして雑誌は入れないんだ!」「あんたこそ利己的だ!」と、会場から締め出された約20人のカメラマンや雑誌記者たちからの怒号が飛び交った。武藤議員は、前を向いて一言も発しないまま、一目散に会場に入っていった。

>こうして閉め出された記者たちの中には、武藤議員の「金銭トラブル」をスクープした週刊文春の記者たちも含まれていた。

>なお、武藤議員は自らのフェイスブックで、記事について「一方的かつ事実と異なる」と批判していたが、いまのところ週刊文春の編集部に対して、武藤議員からの抗議は来ていないという。



自民党は速やかに武藤議員の離党届けを受理し、これにて幕引きとした。いわゆる「トカゲの尻尾切り」というやつなのだろう。磯崎補佐官のときとは大違いである。
まぁそれにしても、自民党はこうした輩が懲りもせず、飽きもせず次々に出てくるものだ。もう周囲も慣れっこなのかもしれない。だがこれが政権を担う与党自民党だ。

武藤議員に関しては既にこんな記事もある。
「SEALDs中傷ツイッターの武藤貴也議員に“社会人失格”の過去」(日刊ゲンダイ 8月9日)

>安保法制反対デモの学生団体「SEALDs(シールズ)」に対し、「戦争に行きたくないだけ」などと中傷ツイッターを書き込んだ自民党の武藤貴也衆院議員(36、滋賀4区)のとんでもない過去が次々に暴かれている。なんと、国会議員になる前は反原発、脱ダム路線の嘉田由紀子前県知事のところにいて、脱ダム運動のペーパーを作ったりしていたというのである。

>当初は京都の民主党に「国会議員候補者にしてくれ」と頼み込み、それがかなわぬと、2009年に自民党の滋賀県第4区の公募に手を挙げた。なんでも自民党の滋賀県議会の大ボス2人が武藤に目をつけ、「応募しないか」と呼びかけたという。

>「2009年4月10日あたりを境に武藤氏は一晩で『僕は自民党の候補者になります』と言って、ダム反対からダム推進に変わりました。ビックリしました。節度がなくて、何をやりたいのか分からない。1回だけじかに『それでいいの』と聞くと、『自民党と嘉田知事を調整する役をやります』と生意気なことを言っていた。みんなが呆れたといえば、遅刻の常習でした。1時間遅れるのは普通。下手をすると、2時間遅れる。遅れてきても、詫びもしない。1期目で当選してから知事と国会議員の意見交換会が年2回あるのですけれども、その時も1時間も遅れてきて『すみません』もなかった。石破幹事長(当時)に地元の国会議員が会いに行った時も遅れて、この話は有名になっています。朝、起きられないようです。とにかく子供っぽいというか、社会人としての基礎が出来ていません」

>そんな武藤は核保有論者でもある。過去に月刊誌で「日本は自力で国を守れるように自主核武装を急ぐべきなのです。日本の核武装反対論は、論理ではなく感情的なものです。中国の台頭、アメリカの衰退という国際情勢の変化に対応して、いまこそ日本の核武装について、政治家が冷静な議論を開始する必要がある」などと言っている。

>こんな議員がいる政権に核を持たせたら、それこそ、何とかに凶器である。



ただただ呆れるばかりだ。

一方、ウソかまことか・・・

「安倍昭恵さん 深夜2時に布袋寅泰呼び出し酔って首筋にキス」(NEWポストセブン 8月27日)



>8月下旬のある日の夜11時、南青山の会員制バーに、安倍昭恵・首相夫人(53才)の姿があった。紺色のワンピースに黒のジャケットという出で立ちの彼女は、6人がけの円卓テーブルで、熱心に話し込んでいた。

>「昭恵さんはこのバーの常連で、お忍びの会合に使ったり、1人でふらりと飲みに来たりしているようです。この日は仕事関係の人と一緒で、熱心に教育関係の話をしていました。ただ、だんだんと飲むペースが速くなって…」(店の常連客)

>日付が変わった0時過ぎ。昭恵さんは誰かに電話をかけ、満面の笑みで話し始めた。ものの数分で通話を終えると、店内に響く声で嬉しそうにこう告げた。

>「呼んじゃった! 今からカレ、来るって。うふふ」

>そのわずか10分後。黒のジャケットにジーンズ姿の長身男性が颯爽と店に現れた。布袋寅泰(53才)だった。

>電話一本で駆けつけた布袋を前にして、昭恵さんのテンションは一気に上がった。彼の隣の席へすぐさま移動し、途切れる間もなく話していた。他の人が布袋に声をかけると上目遣いで睨む素振り。まるで普段会えない恋人から片時も離れたくないといった様子だ。しかし──。

>「布袋さんにしなだれかかるように寄りかかっていたところまでは、正直まだよかった。そのうち彼の首に腕を絡ませて、肩に頭を乗せたり、彼の首筋にキスをしたりと、すごい状況になってしまって…。テーブルに同席していた人たちは“マズいな…”という表情でしたが、昭恵さんは周囲の視線なんて一切気にならない様子でした。布袋さんはほとんどお酒を飲んでいなかったので、どこか気まずそうに見えました。昭恵さんの唇が彼の顔に徐々に近づいていった時は、さすがに見ていられませんでしたね」(別の常連客)



如何とも破廉恥な内容だ。
どれだけ誇張があるのか、果たしてその真偽は定かではないが、一部には「女性セブン」の記事にはガセが多いとの見方も?(笑)
しかし本当だとしたら、これは立派なスキャンダルだ。安倍総理もいい面の皮である。体調不良に加え、こんな噂を撒かれたらたまらない。安倍晋三も泣きっ面に蜂か。

さて、安倍サイドはこれに抗議するのかどうか、単なるゴシップとして放っておくのだろうか。下手に騒がないほうが得策と見るのかもしれない。


一方、こちらはガキの喧嘩か、という何とも次元の低い話し。

「維新顧問の松井氏、橋下氏と辞表提出へ 「わがままなお子ちゃまだ」と続投表明の柿沢氏に愛想尽かす」(産経新聞 8月26日)

>山形市長選の対応をめぐり、維新の党の松井一郎顧問(大阪府知事)が同党の柿沢未途幹事長の辞任を要求している問題で、柿沢氏が辞任しない意向を表明したことを受け、松井氏は26日、大阪市内で記者団に対し、27日に顧問の辞表を提出すると明らかにした。合わせて、橋下徹最高顧問(大阪市長)も一緒に辞表を提出することになるとの認識を示した。

>このままなら…「党を割る…」

>松井氏は、柿沢氏が26日の党会合で「辞任しない。こんなことで辞めるわけにはいかない」などと述べたことに対し、「責任を取らない、けじめをつけないのは、わがままなお子ちゃまだ」と批判したうえで、「明日、事務局に顧問の辞表を届ける」などと述べた。


維新・柿沢幹事長応援問題 柿沢氏の処遇、26日夜中に決定へ(FNN 15/08/26)



「橋下・松井氏離党:各党警戒「茶番だ」 有権者は混乱懸念」(毎日新聞 8月27日)

>橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事が27日、維新の党から離党することになった。新しい府知事・大阪市長を選ぶ11月22日投開票のダブル選挙をにらみ、各党から厳しい見方や警戒の声が上がった。一方、有権者からは大阪の政治の混乱を心配する意見が出ている。

>自民のベテラン市議は「敵を作り、のし上がっていくやり方は維新の常とう手段で、茶番劇に過ぎない。ダブル選をにらみ、今後も何らかの話題作りをする可能性はある。維新の動きを注視したい」と警戒感をあらわにした。大阪選出の自民の国会議員も「ダブル選にどう影響するのか予想がつかない」と戸惑っていた。

>共産党大阪市議団の山中智子幹事長は「国会議員は人気の橋下氏の名前がほしくて野合していただけ。橋下氏の政界引退表明で利用する必要がなくなったということではないか」と語った。

>大阪府知事・大阪市長のダブル選で、大阪維新の会代表の橋下徹市長が27日、国会議員らに送ったメールで二つの選挙に独自候補を擁立する方針を明らかにした。自民党も候補擁立に向けた準備を進めており、選挙戦に突入する公算が大きくなった。

>橋下市長はこれまで、「『大阪都構想』に反対した自民や公明には市政に責任を持ってもらいたい」と候補擁立を見送る可能性も示唆していた。しかし、この日のメールで「知事・市長選で候補者を擁立する方針として、これから党内プロセスを踏む」と明言。維新は9月15日に政治資金パーティーを開く予定で、候補者が発表されるか注目が集まる。



まずはどっちが「お子ちゃま」なのか。「気に入らないから出て行く」方がお子ちゃまな気がしなくもないのだが。いや、格好の口実なのか。

もっとも、もともと松野率いる維新の党と、橋下、松井の維新の会は別物のようなもの。
例えば、かの『大阪都構想』で、当時江田憲司は常にどこか他人事のようだった。結果、むしろ反りが合わないが故の代表辞任のパフォーマンスだったような気がする。

この分裂騒ぎ。なるべくしてなったというところだろうが、はて、橋下は政界引退を表明したのではなかったのか。これも“2万パーセント”の内なのだろうか。

だが真面目な話し、松野組と大阪組。今後はどういう動きを見せるのか、それはそれで注目である。「戦争法案」の行方にも無関係だとは言えないだろう。


以上、まぁ何ともスキャンダラスで香ばしい日々。ある意味、人間味が溢れていると言っていいのかもしれない。人それぞれ、事情はいろいろだ。


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安保法案:採決視野、首相の焦り

2015-08-26 20:37:48 | 戦争法案
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昨日、国会参議院安保法制特別委員会において安倍総理も出席し、集中審議が行なわれた。

首相 安保法案「議論熟したときは採決を」 NHK 8月25日


安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会で、安倍総理大臣は、今後の審議に関連し、「議論が熟したときには採決していただきたい」と述べ、今の国会で法案の成立を期す考えを重ねて示しました。

この中で、自民党の大沼みずほ参議院議員は「集団的自衛権の限定行使によって日米のミサイル防衛が強化されるので、最小の変更で最大の抑止力を得られるし、日本のPKO活動の幅が広がれば、何かあった際にアメリカ以外でも助けてくれる国がどんどん増える」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「法改正によって日米の同盟はより有効に機能し、絆は強くなるのは明らかなので、抑止力は当然、さらに効果を上げていく。また、PKO活動が広がり、多くの国々とともに各地域の平和構築に日本が努力していくことによって、国際世論で日本を支援しようという声が当然高まってくると思う」と述べました。

民主党の福山幹事長代理は、「存立危機事態」の際に自衛隊による後方支援を可能とする法案について、「安全確保の規定がないことを知っていたのならば、『北側3原則にある自衛隊の安全確保のための必要な措置はすべての法案に明確に盛り込まれた』という答弁は、事実と違うのではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「改正案の4条に、『事態に応じ合理的に必要と判断される限度を超えるものではあってはならない』と規定しているとおり、活動は限定されており、自衛隊員の安全確保についても配慮したうえで、必要な支援を行うという趣旨を含むものだ」と述べました。
また、審議の最中、福山氏は「安倍総理大臣が自席から『同じことだ』と発言したのは問題だ」などとして反発したのに対し、安倍総理大臣は「中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣の答弁と私が答弁する中身も同じになることを述べた」と説明したうえで、「同じ答弁になる」と述べたみずからの発言を撤回する考えを示しました。

公明党の平木大作参議院議員は「去年の閣議決定は、憲法のもと許される自衛権行使の限界を示したものであり、皆さんが集団的自衛権と聞いてまず思い浮かべるベトナム戦争において行使しようとしたら、憲法を改正する以外にやりようがない」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「限定的な集団的自衛権の行使容認は、国民の命と平和な暮らしを守ることが目的であり、もっぱら他国の防衛を目的とするものではない。ベトナム戦争はわが国の存立に関わりがなく、国民の命や幸福、自由を追求する権利が根底から覆されるわけでもないので、当然、これは範囲外で、湾岸戦争やイラク戦争もそうだ」と述べました。

維新の党の寺田参議院議員会長代行は「法案を通すために、国民のナショナリズムをかきたて、意図的に刺激しているように見える。中国を刺激することが日本の今までの平和外交なのか。国会の場で中国を刺激する発言をするのは外交政策として致命的な失敗ではないのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「軍事費の透明性を高めることは、多くの国々が中国に求めているところで、刺激しているつもりは全くない。わが国の領土である尖閣諸島の海域に公船が入っているという現実や、南シナ海で埋め立てを強行しているという現実があり、ナショナリズムに訴えるということではなく、やめるべきだということだ。問題があればお互いに指摘し合うことも、建設的な関係を発展させることに資する」と述べました。
また、安倍総理大臣は、今後の審議に関連し、「民主主義なので、最終的に決めるときは多数決だ。議論が熟したときには採決していただきたい」と述べました。

共産党の井上参議院幹事長は、沖縄県うるま市の沖合でアメリカ軍のヘリコプターが墜落した事故について、「今回の特殊部隊どうしの訓練は日米の軍事一体化を進める新ガイドラインを具体化し、自衛隊の海外の活動を大幅に拡充する今回の法改正を先取りをしたものではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「平成21年度より、陸上自衛隊の特殊作戦群は、アメリカ陸軍特殊部隊の訓練で研修しており、法案とは関わりがない。わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることから、日米同盟の抑止力を維持・向上させるために、安全に十分配慮しつつ、日米の特殊部隊間の協力を強化していく」と述べました。

一方、中谷大臣は、「存立危機事態」を認定する際に武力攻撃を受けた国の要請・同意が必要かどうか見解を示すよう求められたのに対し、「わが国が集団的自衛権を行使する際に、武力攻撃を受けた国の要請・同意は、存立危機事態の認定の前提となる事実として対処基本方針に明記する必要がある。武力攻撃を受けた国の要請・同意が存在しないにもかからず、事態が認定されることはない」と述べました。


まず、

大沼議員:「集団的自衛権の限定行使によって日米のミサイル防衛が強化されるので、最小の変更で最大の抑止力を得られるし、日本のPKO活動の幅が広がれば、何かあった際にアメリカ以外でも助けてくれる国がどんどん増える」

安倍総理:「法改正によって日米の同盟はより有効に機能し、絆は強くなるのは明らかなので、抑止力は当然、さらに効果を上げていく。また、PKO活動が広がり、多くの国々とともに各地域の平和構築に日本が努力していくことによって、国際世論で日本を支援しようという声が当然高まってくると思う」

これは自民党の、終始一貫した象徴的な宣伝文句である。
この期に及んでこれを真に受ける者はどれだけいるのだろう。
いや、居るのだろう。故に内閣の支持率は未だ40%前後をキープし、自民党の支持率は依然として下がらない。こうしたことにコロッと騙されるのもまた国民だ。言い換えれば、それ故の「説明不足だと思う8割」であり、それが如実に語っているのかもしれない。
しかしとんだまやかしである。
それでも尚これに頷く者が居るとすれば、気の毒なことに、聴く耳持たずに妄信しているか、あるいは解っていて敢えて推し進めているかのどちらかだ。それがまだ3割ほど居るということである。

次に、民主党・福山氏の質問にある『北側3原則』とは、公明党の北側氏が今年2月27日の与党協議であげた、自衛隊を海外派遣する際の「一般的な原則」としての(1)国際法上の正当性(2)国民の理解と民主的な統制(3)自衛隊員の安全確保-の3点のことである。北側氏が政府との水面下の協議で度々言及したことから「礒崎陽輔首相補佐官が『北側3原則』と命名した」(公明党幹部)という。(産経ニュースより)

福山氏の質疑については更にこちら。
「【安保法案】安倍首相「自衛隊員の安全確保、全ての法案に盛り込んだ」→規定ない法律があった」(The Huffington Post 8月25日)

>安保法案を審議する参院の特別委員会で8月25日、安倍晋三首相が法案に「明確に定めた」としてきた自衛隊員の安全確保が、不十分との指摘があった。法案によって、安全確保の規定があるものと、ないものがあるという。民主党の福山哲郎氏が指摘した。

>この日の答弁で中谷元・防衛相は、存立危機事態にについて定めた「米軍行動関連措置法」には、隊員の安全確保の規定がないと認めた。その上で、「後方支援はその性質上、危険を回避して隊員の安全を確保した上で実施をするもの」「確かに規定はないが、後方支援なので武力行使ではないので安全確保は当然のこと。安全に配慮し、円滑な活動を行うことができる範囲で、運用によって安全を確保する」などと述べた。

>福山氏は「解釈で安全規定をやられたら、自衛官はたまったものじゃない」と政府側の対応を批判。「安倍首相はこれまで『全部に規定が含まれているんだ。安全が確保できない限り自衛隊は出さない』と言ってきている。答弁どおりでないなら、衆議院から始まった答弁を撤回して、審議をやり直して下さい。そうじゃなければ、自衛官には『安全じゃないですよ。安全規定もないけれども、行ってください』と言って下さい。そうでなければ、あまりにも不誠実だと思います」と述べ、審議のやり直しを求めた。



法案は、追及するほどに穴だらけであり、その杜撰さが次々に露呈する。まさに、審議や検討以前に、ひたすら法案を通すこと、それを自民党政府は最大の目標にしている。通してしまえば更に勝手な解釈を付け加え、後はやりたい放題である。

一方、
「安保法案:安倍首相「本当にやむを得ない場合は事後承認」」(毎日新聞 8月25日)

>◇集団的自衛権行使で事前承認義務付け要請で答弁
>安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は25日午前、集中審議を行った。安倍晋三首相は、日本を元気にする会など野党3党が集団的自衛権行使の際に国会の事前承認を義務付けるよう求めていることに関し、「本当にやむを得ない場合は事後承認となる」と述べ、慎重な考えを改めて示した。首相は「(行使の要件である)他国への武力攻撃が事前に察知されずに突発的に発生し、間を置かずに我が国の存立が脅かされることは否定できない」と指摘した。

>中谷元(げん)防衛相は、集団的自衛権の行使について国会承認を得る場合に、政府が国会に提出する「対処基本方針」について「我が方の手の内を明らかにするおそれがある場合には情報保全を図る」と強調。ミサイル部隊の展開状況、部隊編成の詳細、具体的な作戦などについて「特定秘密保護法に該当し、特定秘密として指定されることはあり得る」と述べ、同法を理由に国会への詳細な報告を避ける可能性も示した。



これも、言わば「白紙委任」に等しい。

さて、続いて日本共産党の井上哲士議員の質問である。


戦争法案を先取り 日米特殊作戦訓練が常態化(日本共産党 8月25日)


「沖縄・米軍ヘリ墜落 日米特殊作戦訓練が常態化 戦争法案を先取り 参院安保特 井上議員追及 陸自隊員10人参加」(しんぶん赤旗 8月26日)

>日本共産党の井上哲士議員は25日の参院安保法制特別委員会で、沖縄本島うるま市沖で12日に墜落した米軍特殊作戦ヘリに陸上自衛隊特殊作戦群所属の隊員が同乗・負傷していた問題を取り上げ、戦争法案を先取りするような日米の特殊作戦共同訓練が進められている実態を告発しました。

>中谷元・防衛相は事故機が米陸軍第160特殊作戦航空連隊(通称ナイト・ストーカーズ)に所属するMH60ブラックホークであることを明らかにしました。事故機には「研修」と称して陸自中央即応集団特殊作戦群に所属する隊員2人が同乗し、同機が着艦しようとしていた米海軍艦船に別の隊員8人が乗艦していたことを明らかにしました。井上氏は、「研修というが、ヘリにまで乗り込んでおり、訓練参加にほかならない」と批判。訓練参加をはじめた年、目的、内容を明らかにするよう迫りました。中谷防衛相は「訓練研修」を「2009年度より例年実施している」と述べました。

>4月27日に合意した日米新ガイドライン(軍事協力の指針)では、米軍・自衛隊の特殊部隊間の「協力」が初めて盛り込まれました。新ガイドラインの実行法である戦争法案は審議中ですが、それを先取りした訓練が国民の知らない間に進められていたことになります。



「米軍ヘリ墜落事故で明るみに 米特殊部隊と陸自の一体化 井上氏が実態を追及 参院安保特」(しんぶん赤旗 8月26日)

>今回の事故は米国を拠点とする特殊部隊が、日米安保条約の下で日本を自由勝手に使っている一端が明るみにでたものです。

>特殊作戦は、少人数の部隊で特定の目標を制圧・破壊する作戦です。しばしば国際法や他国の主権を無視して秘密裏に行われ、米国でも大きな問題になっています。

>今回の墜落事故に関して県内全域の36漁協が加盟する県漁協組合長会は、米軍機事故で初めてとなる抗議決議を全会一致で可決。決議は「漁業者を直撃する大惨事につながりかねない」「憤りを禁じ得ない」と糾弾しています。県議会も事故原因究明と再発防止策がないままでの飛行を停止するよう求めた抗議決議を全会一致で可決しています。

>これに対し、米陸軍トップのオディエルノ参謀総長は「1件の出来事に過剰に反応するつもりはない。残念だが事故は時々起きる」(12日)と放言し、県民の不安と怒りを歯牙にもかけない態度です。

>20日には、墜落事故が起きた近傍にある津堅島訓練場(うるま市)で、特殊作戦支援機からのパラシュート降下訓練まで実施しています。しかも、7日前までに沖縄防衛局に通報することが日米の合意事項ですが、この訓練に関して通報は一切ありませんでした。

>沖縄で墜落した米軍機には陸自中央即応集団の特殊作戦群の隊員2人が「研修」名目で同乗していたことが判明し、日米の軍事一体化が秘密主義を貫く特殊部隊の間でも進む現状が露呈しました。

>今回の「研修」の実態をただした井上氏。中谷氏は「ヘリから艦艇への移乗要領の確認」などのため、ヘリ同乗の2人のほか、艦上に8人の同群隊員も参加していたことを明かしました。「移乗」とは、ロープなどを使用しての強制乗船作戦とみられます。

>「研修」は、「訓練」と異なり、日程や内容を含めて、実施した事実そのものが対外的に公表されません。今回の事故を契機に、初めて日米特殊部隊の訓練の一端が明るみに出た形です。

>防衛省が井上氏へ提出した資料からは、09年度以降、沖縄の基地・提供区域が日米特殊部隊の訓練場として常態化していた状況も浮かび上がりました。

>また井上氏は、4月に合意した日米新ガイドライン(軍事協力の指針)に特殊作戦部隊間の「協力」が初めて盛り込まれ、横田基地(東京都)への配備が狙われる米空軍の特殊作戦機CV22オスプレイを使って、自衛隊との共同訓練もできるようになると中谷氏が明言していることを指摘。先取りで進む日米軍事一体化の実態を、方針化・法律化するのが新ガイドラインと戦争法案だと強調し、国民の命を脅かす危険な訓練の中止と、法案撤回を求めました。


参院安保特質疑終え井上哲士議員がコメント(日本共産党 8月25日)



米軍は当然のように「事故は起こり得る」と平然と言い放ち、そこに事態を深刻に受け止める姿勢はない。
例えば海上訓練において、当該漁場で漁獲ができない期間、その漁業補償は米軍ではなく日本政府が賄う。また、事故が起きても日本政府は面と向かって抗議もできずにアメリカの言いなり状態という体たらくだ。それは事実上野放しに等しいと言ってよく、果たして「日米安保条約」は米側にそのように受け取られている。このことから「日本を守る」というのは単にお題目に過ぎないのであろうことも明らかだ。
いみじくも山本太郎氏が言った「アメリカの植民地」とは言い得て妙である。アメリカの前に、日本は独立主権国家ではない。
アメリカはただ自衛隊を従えて戦争に乗り出す構えであり、それに大人しく付き従ってナンボという安倍政府の目論見が見え見えである。

 * * * * *

さておき、
「参院安保委 首相の”自席発言”に民主が抗議」(NHK 8月26日)



>安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会の理事会で、25日の安倍総理大臣の自席からの発言に、民主党などが反発したことを踏まえ、民主党は、「これ以上、委員会にふさわしくない態度があれば、審議には応じられない」と抗議しました。

>安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会で、安倍総理大臣が25日、中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣の答弁を巡って自席から発言したことに、民主党など野党側が反発し、安倍総理大臣は発言を撤回する考えを示しました。
>これを踏まえ、26日開かれた特別委員会の理事会で、野党側の筆頭理事を務める、民主党の北澤・元防衛大臣は、「委員会審議がスタートしたときは、安倍総理大臣は、真摯(しんし)にやっていたが、最近は、態度が非常に荒っぽくなっている。これ以上、委員会にふさわしくない態度があれば、頭を冷やしてもらうためにも、審議には応じられない」と抗議しました。



「ヤジ」を「自席発言」だの「不規則発言」などと言い換えるNHKもいよいよ「大本営」さながらだが、冒頭のNHKの記事内、ここに来て安倍が「民主主義なので、最終的に決めるときは多数決だ。議論が熟したときには採決していただきたい」と述べたのを考え合わせれば、そろそろ焦りが出始め、苛立ちを露わにしているようである。
答弁に立つ机に、無造作に書類を放るような仕草もそうであるし、もとより感情的になりやすい性格で、同時に、服用している薬がそれを助長しているのではないかなど様々に噂されていたりもして、やはり安倍の体調もかなり影響していると見られる。いい加減観念したらどうだろうか。

 * * * * *

「大本営」と言えば、昨日は市民達がNHKに対して抗議行動も起こしている。

「「政権の広報やめろ」 NHK囲み、市民団体が抗議行動」(朝日新聞 8月25日)

>安全保障関連法案についてのNHKの報道が政権側に偏っていると考える市民らが25日、東京・渋谷のNHK放送センターを囲む抗議行動をした。元放送局員や有識者などでつくる市民団体のメンバーらが実行委員会をつくり、チラシやインターネットで参加を呼びかけた。約1千人が参加したという。

>参加者は、センターや帰っていく職員に向かって、「政権の広報はやめろ」「NHKは自主自立を取り戻せ」「市民の行動を伝えろ」などと訴えた。実行委のメンバーで「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聰・東大名誉教授は「反響は大きく、NHKに対する不満や批判が広がっていることを実感した」と語る。

>埼玉県日高市の50代の女性会社員は安保関連法案にからむ国会審議の一部が中継されなかったことに違和感を持ち参加した。「NHKは70年前の戦争の特番はたくさん放送したのに、これからの平和を議論する番組が少ない」と話した。

>実行委によると、この日、大阪、京都、広島のNHK局前でも、実行委の呼びかけに応じた有志が、抗議活動をしたという。





もうかつてのように国民は騙されない。
・・・そう思いたいが、内閣支持率、自民党支持率を見るにつけ、一方でまだまだという気がしなくもない。
日々、一人が二人、二人が三人と更に気付いていってほしい、そう願うばかりだ。


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安保法案:支持率持ち直すも法案反対

2015-08-25 12:03:23 | 戦争法案
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昨日、内閣と安保法案に関するテレビ朝日の世論調査が発表になった。

「安保法案、6割超が「今国会こだわるな」 世論調査」(ANNニュース 8月24日)



>安保関連法案について、「今の国会にこだわらず、時間を掛けて審議すべきだ」と考える人が3分の2近くにまで増えたことがANNの世論調査で分かりました。

>調査は22日と23日の2日間、行われました。安保関連法案について、「反対」と答えた人は55%と前回の調査から横ばいで、「今の国会にこだわらず、時間を掛けて審議するべきだ」と答えた人は64%と前回より7ポイント増えました。また、安倍総理大臣が14日に発表した戦後70年談話については、「評価する」と答えた人と「評価しない」「分からない」などとした人がそれぞれ3割以上と意見が分かれました。一方、下落傾向が続いていた安倍内閣の支持率は42.4%と前回より6.3ポイント上昇しました。



ここでもまた内閣の支持率が持ち直した。先日の共同通信社、FNN(フジテレビ)の調査と同様の結果である。
だが、これだけ横暴を重ね、なお国会で追及されているのにも関わらず、不支持率は頭打ちなのだろうか。
政党支持率でも、自民党が45%まで上がり、民主党が減らしている。



一方、「戦争法案」に関しては、
・説明不足:76% ・反対:55% ・違憲だと思う:52% ・時間をかけて審議すべき:64%
と、法案反対は概ね半数から2/3に及んでいる。



調査詳細 ⇒「報道STATION・ANN世論調査」


次いで、朝日新聞の調査も発表された。

「安倍談話、「評価」40% 朝日新聞世論調査」(朝日新聞 8月25日)

>朝日新聞社が22、23日に実施した全国世論調査(電話)によると、安倍晋三首相が発表した戦後70年談話を「評価する」は40%で、「評価しない」の31%を上回った。「その他・答えない」も29%に上り、判断がつかない人も多かったようだ。内閣支持率は38%(7月18、19日の緊急調査は37%)で横ばい、不支持率は41%(同46%)でやや下がった。

>戦後70年談話は、内閣支持層の70%、自民支持層の67%が「評価する」と答えたが、無党派層では27%、民主支持層は23%にとどまった。

>談話で、日本が先の大戦での行いに「痛切な反省と心からのおわび」を繰り返し表明してきたことに触れて、「歴代内閣の立場は、今後も揺るぎない」と表明したことについては、「適切だった」が54%に上り、「適切ではなかった」の20%を大きく上回った。


 * * * * *

安倍内閣、自民党支持率は流動的であるが、「戦争法案」反対の波は衰えを知らず、ますます活気を呈している。


毎日新聞より

「安保法案:黙っていたら採決される…全国64カ所一斉デモ」(毎日新聞 8月23日)

>参院で審議中の安全保障関連法案に反対している市民や学生らが23日、全国各地で一斉に抗議活動を行った。主催団体の一つで学生たちがつくる「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs=シールズ)によると、この日は東京都心や仙台、京都、福岡など全国64カ所で抗議が繰り広げられ、このうち20カ所以上ではシールズなど若者らの団体が関与。同法案への抗議活動としては過去最大規模という。

>都内では午後5時ごろから港区の青山公園に、学生や高校生を含む幅広い年代の約6500人(主催者発表)が集まり、デモ行進した。


8.23 東京:若者たちがデモや集会 安保法案反対訴え (NHK・毎日新聞)



「「SEALDs」6500人デモ 大人は指をくわえて見ている場合か」(日刊ゲンダイ 8月24日)

>「安倍はヤメロ!」――安保関連法案に反対する学生グループ「SEALDs」が呼びかけた「全国若者一斉行動」が23日、各地で行われた。

>デモや集会があったのは、北海道、仙台、京都、福岡、沖縄など全国64カ所。都心では、約6500人が港区・青山公園から表参道を経由し、渋谷に向かってデモ行進を行った。

>いまや、安保法案反対のデモや集会は完全に若者主導である。この日のデモ行進も若者が率先して先導し、「憲法守れ」「戦争反対」と音楽に合わせながら大声を張り上げた。“勝手知ったる”はずの「労働組合」のノボリはほとんど目につかず、中高年の参加者はまばら。常に若者に押されっぱなしで、学生たちと反対の声を競い合うような相乗効果は感じられない。ひたすら若者の叫び声だけが、夕暮れの繁華街にこだましているようにも見えた。

>「そろそろ、組合の組織力を発揮しなければいけません。例えば、安保反対の一斉ストライキを示唆するだけで、安倍政権には大きなプレッシャーになります。ただでさえ、今は中国の景気減速で株価が低調です。そこへ、ストの情報が流れれば、さらなる株価の押し下げ要因になりかねない。安倍政権の支持率は株価頼みです。決して無視することはできないでしょう」(高千穂大准教授の五野井郁夫氏)

>安保法案の国会審議は佳境に差し掛かりつつある。労組は若者だけに反対行動を任せてばかりでいいのか。今こそ、重い腰を上げ、安倍政権に大打撃を与える出番ではないか。



日刊ゲンダイより


すっかり若者デモの旗頭になった「SEALDs」であるが、右へ倣えと、東京都の教職員が立ち上がって「TOLDs」、40~50代を中心とした「MIDDLEs」、東京巣鴨の「OLDs」などが名乗りを上げている。
「一緒にやれば?」との声もあるが、例えば「SEALDs」の集会やデモには、もちろん年齢の垣根を超えて多数の人が集まる。いわゆる「メルクマール」として一方での住み分けであり、モチベーションを促す意味ではそれぞれが一役も二役も買っているということだ。

「安保法案:私たち教員「TOLDs」も反対です…声明発表」(毎日新聞 8月20日)

>参院で審議されている安全保障関連法案を巡り、東京都内の現役教職員らでつくるグループ「TOLDs(トールズ)」のメンバーが20日、都庁で記者会見し、「法案を日本国憲法の精神から認めません」とする反対声明を発表した。法案が7月に衆院で強行採決されたことなどを批判し、過去の戦争を学ぶことなどを通じて「これからも教室に平和の種を蒔(ま)いていく」と決意表明している。

>グループ名は「東京のリベラルでデモクラティックな先生たち」を意味し、国会周辺で同法案への抗議行動を続ける学生団体「SEALDs(シールズ)」に共鳴して名付けたという。3人の都立高教諭が呼びかけ人となって今月13日からブログ(www.tolds20150815.blogspot.jp)で賛同者を募り、19日現在で全国の教員や元教員ら571人が賛同している。

>呼びかけ人の一人、都立野津田高校の岡田明教諭(53)は「いてもたってもいられなくて、何か声をあげようと動き出した」と話した。



「安保法案:中高年も黙ってない 「ミドルズ」結成」(毎日新聞 8月22日)

>全国の40〜50代の「中年」を中心にした男女が、安全保障関連法案に反対する団体「MIDDLEs(ミドルズ)」を結成し、22日に国会前で初めての抗議集会を開いた。 

>学生団体「SEALDs(シールズ)」が法案への抗議行動を続ける中、「親世代も黙っていられない」と千葉県野田市の行政書士、岩脇宜広さん(56)らがインターネット上で呼びかけ、賛同した20人をメンバーに、7月に活動を始めた。

>これまで「法案が可決されれば二度と平和国家に戻れない」との声明を発表するなど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で活動の輪を広げた。初集会には同世代の大学教授らも招き、呼びかけで集まった約300人(主催者発表)が「戦争反対」「集団的自衛権いらない」と声を上げた。

>メンバーで兵庫県尼崎市の会社員、森村さやかさん(55)は「仕事や家庭があって意見を言いにくい世代だからこそ、動き出せば大きな力になる」と意気込みを示した。



毎日新聞より


そんな中、「産経新聞」がSEALsのメンバーを名指しする記事を上げた。
表立ってSEALsやメンバーをあからさまに批判する内容ではないが、見ようによっては辛辣な揶揄とも取れ、あるいは痛罵を暗に咎めるものとなっている。

「首相に「バカか、お前は」 連合主催集会でシールズメンバー 安保法案反対の具体論語らず 「首相はクーデター」「病院に行って辞めた方がいい」」(産経ニュース 8月23日)

>安全保障関連法案反対のデモ活動を行う学生団体「SEALDs(シールズ)」の中核メンバーである奥田愛基氏が23日、連合が主催した国会前の反安保関連法案集会に参加し、安倍晋三首相について「バカか、お前は」などと訴え、退陣を迫った。奥田氏は安保関連法案のどの部分が反対かは一切語らなかった一方、週刊誌や民主党議員らの発言を元にしたとみられる情報で「首相は早く病院に行って辞めた方がいい」「どうでもいいなら総理をやめろ」などと批判した。


彼らが「安倍はやめろ!」「ふざけんな!」と罵倒し連呼し、批判のシュプレヒコールを上げるのは今に始まったことではない。それを今わざわざ、敢えて公人ではない一般個人の名を挙げてこのような記事にするのは何故か。
つまり、政府側、法案の賛成・推進側にしてみれば、いよいよ彼らが目障りで疎ましいことこの上なく、憂鬱で小癪な存在となっているのにほかならないからだろう。なかんずく、脅威ですらあるはずだ。

記事では、「安保関連法案のどの部分が反対かは一切語らなかった」や、「約6分間のあいさつで、奥田氏から安保関連法案そのものに触れた発言はなかった。」、「安保関連法案のどの部分が憲法違反なのかについては最後まで一切語らなかった。」などと繰り返し、SEALDsの彼らがさも根拠なく批判しているかのように強く印象付けるあたり、賛成派やネトウヨを扇動するに及んで、格好の材料に仕立て上げたかったのだろう。
また、団体を攻撃するより個人を攻撃したほうが相手にとってダメージが大きいということも承知の上のことのようだ。まずは卑劣なやり方である。

もとより、仮に、奥田氏がスピーチで語らなかったとしても、彼らは「戦争法案」の何たるか、憲法や立憲主義の何たるかをわきまえた上で、ゆえに反対運動をしているのであって、そもそもそれが出発点なのだ。今更何をか言わんやである。
一場面を切り取って事実を曲げ、それが全てであるかのような報道は報道とは言わず、公平性を欠く偏向そのものである。

【#本当に止める】6分でわかる安保法制(SEALDs 2015.07.14)


 * * * * *

お話し変って、

「安倍首相、9月の訪中見送り 安保法案審議など考慮」(朝日新聞 8月24日)

>安倍晋三首相は、中国が9月3日に北京で行う「抗日戦争勝利70周年」の記念行事の前後に検討していた中国訪問を見送る意向を固めた。政権幹部が明らかにした。

>政権が今国会での成立を期す安全保障関連法案の参院審議が山場を迎えることなどを考慮し、判断したものと見られる。ただ、中国との関係強化は重視しており、今後の国際会議などの場を利用するなどして、引き続き首脳会談の開催を模索していく考えだ。

>中国は首相を、軍事パレードなど記念行事に招待していた。しかし日本政府は、記念行事への出席は国内の反発が予想されることから、その前後に訪中し、習近平国家主席との首脳会談を検討していた。



「安倍首相訪中見送り 官房長官が正式表明 「抗日でないものを望んでいた」」(産経ニュース 8月24日)

>菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、安倍晋三首相が9月上旬に検討していた中国訪問を見送ることに関し「訪中する予定はない」と正式に表明した。

>中国政府は来月3日の「抗日戦争勝利記念日」の行事に合わせて訪中を要請していたが、菅氏は3日を避けて訪中する意向もないことを明言した。

>訪中を見送った理由について、菅氏は「国会の状況を踏まえた」と述べた一方、「(首相は)抗日でないものを望んでいた」とも発言。「中国側からさまざまな説明を受けていたが、首相出席を前提にした調整は一切行っていない」と強調した。

>菅氏は今後の日中関係について、「引き続き国際会議などを利用し、首脳同士が率直に話し合う機会を設け、両国関係のさらなる発展に向けて取り組みたい」と述べ、関係改善に取り組む考えを示した。



案の定であるが、まぁ無理もないことだろう。
「国会の状況」だの何だの理由はともかく、あの『70年談話』で、どの面下げてというところだ。まして、安倍としては「抗日戦争勝利70周年」記念行事などにおめおめと出かけていく訳には行くまい。

それはともかく、ここに来て、安倍の体調が思わしくないのはどうやら噂だけではないようである。
それを押して、あくまでも「戦争法案」に固執し続けるその執念たるや、むしろ見上げたものである。


《関連記事》
「か弱く未熟で優しい日本人」
「もはや「仮想」ではない「敵国」」
「安倍の自信と執念・その異常性」


【速報】

「韓国と北朝鮮が合意、軍事衝突は回避」(TBSニュース 8月25日 07:09)

>一触即発の緊張状態が続くなかで行われていた韓国と北朝鮮の会談は、午前1時前に合意し、軍事衝突という事態は回避されました。

>板門店(パンムンジョム)で、連日、夜を徹して行われていた南北の高官級の会談は、4日目に入った午前1時前に合意に達しました。

>「(北朝鮮は)地雷爆発で南側の軍人が負傷したことに、遺憾の意を表明した」(韓国 金寛鎮国家安全保障室長)

>発表された合意文書によりますと焦点だった地雷爆発事件について北朝鮮が遺憾の意を表明。前線に宣言していた「準戦時状態」を解除します。これに伴い、韓国側は拡声器で北朝鮮の体制批判をする宣伝放送を中止するというものです。ただ、地雷を仕掛けたのが、北朝鮮かどうかはあいまいなままで、それぞれのメンツを保つ玉虫色の決着といえそうです。



まずは話し合いが鉄則。元々同じ国の民族だ。何よりである。この先、更に一歩一歩だろう。

《関連記事》
「海外が支持?? つまずく外交」


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東京五輪:問題山積で泥沼化は必至

2015-08-24 15:02:23 | 東京五輪2020
まずは時の人、佐野研二郎氏の件から。

「佐野氏の“ロゴ”また・・・米デザイナー「法的措置も」」(ANNニュース 8月22日)



>東京オリンピックのエンブレムを制作した佐野研二郎氏が手掛けた群馬県太田市の施設のロゴについて、アメリカ在住のデザイナーが「自分の作品と似ている」として法的措置の検討を始めました。

>米在住のデザイナー、ジョシュ・ディバイン氏:「盗用されているかどうか分からない。しかし、デザインを盗用するのは大問題だ。弁護士と相談しているが、法的手段を取るか最終的な決断はしていない」
>ANNの取材に対して、ディバイン氏は「佐野氏のデザインが自らの作品をヒントにしたかもしれない」という見方を示し、法的措置の検討を始めたことを明らかにしました。ディバイン氏の作品は、直線と円を組み合わせて文字を表現しています。一方、佐野氏の手掛けた太田市で建設が進む公共施設のロゴも同じく直線や円などを組み合わせたデザインになっています。



「デザイナーの佐野 研二郎氏、ロゴ問題で反論」(FNNニュース 8月22日)



>佐野 研二郎氏が手がけたロゴが、自分のデザインに似ているとして、アメリカ人デザイナーが提訴を検討している問題で、佐野氏は、FNNの取材に文書で回答し、「一定の要件を満たすデザインはたくさんある」と反論した。
>今回、文書で回答した佐野氏は、群馬・太田市の公共施設のロゴをめぐる問題で、黒い丸と直線で形成したようなデザインについて、「その要件を満たすデザインは、今、名乗りを上げておられるアメリカのデザイナー以外にも、制作されている方は、世の中にたくさんいらっしゃると思います」としている。
>そのうえで、「それが、誰か特定の人のアイデアとして認められ、ほかの人が使えないということであれば、デザインの世界では、できないことがほとんどになってしまうと思いますし、わたしはそうではなく、ほかの誰が使っても、問題のないものだと思います」と反論した。
>一方、東京オリンピックのエンブレムについては、「わたしから、使用しないよう、お願いすることは考えておりません」とし、さまざまな意見や批判に対しては、「誤解もあるようですので、丁寧な説明を今後もしていきたい」とコメントしている。



「その要件を満たすデザインは、今、名乗りを上げておられるアメリカのデザイナー以外にも、制作されている方は、世の中にたくさんいらっしゃると思います」
ごもっとも、おそらくは言う通りだろう。

「それが、誰か特定の人のアイデアとして認められ、ほかの人が使えないということであれば、デザインの世界では、できないことがほとんどになってしまうと思いますし、わたしはそうではなく、ほかの誰が使っても、問題のないものだと思います」
しかしこれ、「人のをパクって何が悪い」、というふうにも聞こえる。
こと関して、サントリーのトートバッグで、事実上盗用を認めてしまった佐野氏であるならばこそ、尚更開き直りのように思える。更に穿った見方をすれば、「“当然”参考にした」と言わんばかりだ。
最早、氏が何を言ってももうことごとく裏目に出ると言っていい。

そして、五輪エンブレムは「わたしから、使用しないよう、お願いすることは考えておりません」とはこれ如何に。たまげたものである。
事の重大さ、世情がどうであるかをまるで意に介していないというか、理解さえしていないようで、「丁寧な説明を今後もしていきたい」とするのもまた、どこかの国の総理大臣とそっくりだ。

おそらくは今まで順風満帆、仲間内で煽て合う狭い世界しか知らず、ちやほやされて過ごしてきたからにほかならないからだろう。
これだけバッシングされているにも関わらず、思うほど身に染みていないとなれば恐れ入る。

まともな神経ならば、いい加減に自ら五輪エンブレムの取り下げを表明して然るべきだろう。デザインの盗用の有無はさておき、ここまでの騒動になった以上、それがスジだ。大多数の人がもう佐野氏を信用してはおらず、「佐野エンブレム」は見るのもうんざりという意見は多く、もはや誰も歓迎してはいない。


最近、カマキリに見えてくるのは私だけ?(笑)


そして、昨日もまた新たな疑惑が出てきた。

「佐野研二郎またも盗用疑惑浮上 「カメラグランプリ」のマークは素材から流用? 利用規約違反まで」(ゴゴ通信 8月23日)

>その疑惑のデザインは「カメラグランプリ」のマークが素材集の丸写しで無いかと言われている。このマークは2011年に作られた物で、「ニッポンのカメラの賞であることがひと目でわかるような、インパクトのあるもの」を目指し作成されましたとしている。

>しかしこのロゴの元となるデザインが発覚。素材サイトの『イラスト無料ネット』というウェブサイトの「シンプルなカメラ」という素材に酷似している。

>このフリー素材サイトを使うのははたしてNGなのだろうか? 実はサイトの利用規約を見てみると「商標、ロゴマークとしての利用は禁止です」とハッキリ書かれている。




もうこうなると、本当に救いようがない。いよいよ「常習犯」のレッテルを貼られても仕方がないだろう。

 * * * * *

「新国立、総工費1700億円程度 政府調整、28日にも決定」(共同通信 8月23日)

>政府は新国立競技場(東京都新宿区)の新たな整備計画に盛り込む総工費の上限を1600億~1700億円程度とする方向で調整に入った。政府関係者が22日、明らかにした。コスト膨張で撤回した計画の2520億円から大幅に圧縮する一方、2012年当初の見込みだった1300億円に抑えるのは建築資材や人件費の高騰で困難との判断に傾いた。関係閣僚会議(議長・遠藤利明五輪相)を28日か31日にも開催し、最終決定する。

>旧計画が14年の基本設計段階で1625億円だったのを踏まえた額だが、当初見込みよりは約300億~400億円高く、国民理解につながるかは見通せない。



結局、2520億円の半分にもならない1700億円とはこれ如何に。
それにしても、高々3年程度で300~400億円も値上がりするものなのだろうか。俄かには信じがたい。
むしろこの場合、例えば1000億なり、まず予算を確定してその範囲で考えるべきである。既存のスタジアムを見れば、700、800億円で充分に立派なものが造られているではないか。どうしてそうなったのか、これも改めて担当大臣の国会での説明義務があるだろう。
国民理解につながるか? なかなか納得しがたいものがある。


「新国立で公開討論会 “五輪後考え簡素な施設で”」(しんぶん赤旗 8月22日)

>2020年東京五輪の主会場となる新国立競技場の今後をテーマにした公開討論会が20日、都内で開かれ、建築家や研究者らが意見をかわしました。

>16年東京五輪招致推進担当課長で順天堂大学客員教授の鈴木知幸さんは▽五輪後のスポーツ施設として考えることを優先させる▽サブトラックは移転した秩父宮ラグビー場に常設する―ことなどを提案しました。また、五輪後の民間委託については、「多様な方法があり、十分議論すべき。簡単にいわないでほしい」と批判しました。

>12年ロンドン五輪馬術会場の設計監理者を務めた建築家の山崎一也さんは、同五輪の施設を「簡素だが洗練」と表現。鉄パイプを組んだだけの仮設の馬術会場を例に挙げ、建物より古い街並みをよりアピールする工夫をしていたと報告しました。

>建築エコノミストの森山高至さんは「利害関係者の意見を全て聞いていたら、なかなかスタートできない」として、機能は後から付け加えられるようにして最小限の施設にすればよいと話しました。

>建設費が膨れ上がって計画の見直しが決まった同競技場は、今月中に新しい整備計画が決まる予定です。



一般誌はこれを報じていないが、こうした討論の内容はどこまで実際に反映されるのか。結局、癒着、利権の域を出ないのではないだろうか。悪習を改善するのは容易なことではない。

 * * * * *

「東京パラ五輪 秋にずらして 体温調節機能 失った選手切実」(東京新聞 8月23日)

>東京パラリンピックは五年後の八月二十五日に開幕する。厳しい残暑も予想されるが、車いすを使う選手の中には首の骨の中の神経、頸(けい)髄の損傷などで体温調節機能を失い、発汗のできない人が少なくない。選手らは「開催日程を遅らせられないか」「屋外競技は命懸けになる」と切実。同様の障害のある観客のケアも必要で、根本的な暑さ対策を望む声が強い。

>日本パラリンピック委員会医・科学・情報サポート事業のスタッフとして、岸さんらをサポートする首都大学東京健康福祉学部助教で理学療法士の信太(しだ)奈美さん(41)は「体温調節ができないのは頸髄損傷のほか上部胸髄損傷の人も含まれ、陸上やテニスなどの選手もいる」と指摘。「外国から訪れた人には日本特有の湿気、蒸し暑さも心配だ」と懸念する。

>五輪は、国際オリンピック委員会が「七月十五日~八月三十一日」の期間内の開催を求め、パラリンピックも「五輪閉幕に引き続き、約二週間以内に開催」とされている。他の時期だと、サッカーやアメリカンフットボールなどプロスポーツのシーズンと重なり、テレビの放映権に影響が出るためだ。

>東京大会の場合、パラ五輪は五輪の十六日後の八月二十五日から九月六日まで。立候補ファイルでは「五輪から連続した六十日間のひとつの祭典として実施することが基本的なコンセプト」とされている。



これも極めて重要かつ深刻な問題である。
仮に強行して死亡者でも出たらどうするつもりなのだろう。
何にせよ、「決まったことだから」と、何の融通性もなく、誰も責任をとろうとしない体質。これこそが何に優先して改善されなければならないことではないのか。

 * * * * *

話しを戻せば、先日、次の記事が上がり、またNet上を賑わせた。

「佐野研二郎氏の五輪エンブレム“盗作問題”「損害賠償」を恐れる利権構造の闇」(日刊サイゾー 8月19日)

>五輪エンブレム盗作問題への批判が拡大する中、これに関わった広告代理店周辺の関係者からは「損害賠償」というNGワード4文字がささやかれ始めているという。

>「もしこのデザインが使われなくなったら、数十億単位の損失が出る。一体それを誰が払うことになるのか、“損害賠償”という4文字を恐れるような話がチラホラ聞かれ始めてます」

>「新国立競技場の問題はよくある箱モノ行政の典型だったけど、こっちは世間に知られていない利権の巣窟があって、必死にそれを守ろうとする動きがあります。この利権の中では“損害賠償”という4文字がNGワード。絶対に回避したいものです。いま各方面が必死の火消しに走っている感じ。大会組織委員会が白紙撤回できないのもそれが理由でしょう」

>実際、2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムの盗作問題については、これだけ世間から「変更しろ」との声が出ていても、組織委は使用の姿勢を堅持。ベルギーの劇場側から著作権侵害で使用差し止めを訴えられていることにも、劇場のロゴが商標登録されていない「法律論」を盾に「このような劇場側の態度は公共団体の振る舞いとしては受け入れがたい」と異例の非難声明を出した。

>「この必死の抵抗は、損害賠償と利権構造にメスが入ることを怖れているんですよ。エンブレムの選定はもともと広告代理店の仕組んだ出来レースみたいなもんで、応募要項からして八百長。応募資格に組織委が指定した過去の7つのデザインコンペのうち2つの受賞者に限っており、多くの有力デザイナーを排除している。これは、内輪で商標の著作権ビジネスを展開するためで、審査員も佐野と親しい身内ばかりなのは、そのせい。そもそも佐野がアートディレクターなんていう肩書きを名乗っているのも、デザインより著作権での金儲けに特化したチーム運営に走ったからで、これに欠かせないのが大手企業とメディア。両者をつなぐ広告代理店を軸に利権の構図があって、関係者はみんなこれを守ろうと徹底抗戦です」



その「損害賠償額」がいかほどのものかはわからないが、この場合、最も損害を被るのは広告代理店や制作側である。
今の段階なら大手は、例えば「損切り」程度で済むとしても、死活問題になるのは下請け、二次請けの代理店や制作会社である。それをある程度補える代替の仕事がなければ丸損である。誰も補償はしてくれない。

一方、これらの件に関して実のところ、「プロデューサー」や「ディレクター」という名のブローカーの暗躍が見逃せない。
JOC等の官公庁 ⇔ 広告代理店 ⇔ 企業 ⇔ デザイナー、デザイン会社あるいは音楽家やイヴェント会社 ⇔ 製作会社・製造業者、これらの橋渡しをし、セッティングするのがプロデューサー。管理、監督するのがディレクターの役目である。
プロデューサーなりディレクターはまた、広告代理店所属の場合と、フリーランスの場合とがある。
実行部隊での取り仕切りを任され、現場での実権を握るのが彼らだ。従って、場合によって「悪の根源」とも成り得るのである。

ここでその名前が上がるのが、高崎卓馬という人物である。
実は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 エンブレム紹介」ムービーのプロデュースは高崎氏。
そこで使われた楽曲の「盗用元」ではないかと囁かれているのが、オーストラリアのミュージシャン、ジョナサン・ボーレット2010年リリースの「Youre A Animal」であることは既に紹介した。
「今度は音楽・拡大する盗作疑惑」

で、このジョナサン・ボーレットの「Youre A Animal」は、これも高崎氏がディレクターを務めた「TOYOTA GAZOO Racing」のCMで使われている。

TOYOTA gazoo Racing CM一気見~♪


以下、念のため再度。

Jonathan Boulet - Youre A Animal(2010/12/07)


東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 エンブレム紹介 (2分20秒版)



ご存知、高崎氏は東京オリンピック公式エンブレムの選考審査員を務め、サントリーのトートバッグキャンペーンで佐野研二郎氏をサントリーに斡旋している。佐野氏とは「仲良し」とされている。





以上は全て、既に公表されている事実である。

さて、これはこれで何となく見えてきたような気がする。


全てが明らかになれば、グダグダ、ズブズブが一層はっきりと見えてくる。いずれ、様々な利権や思惑にまみれ、東京五輪は今もって前途多難というところだ。
また誰か、女性アスリートが会見で涙でも流したら少しは先に進むのだろうか。
そう言うのは果たして不謹慎?
だったらいっそ中止にしてしまえ! そういう声が上がるのも頷ける。全て撤回、全て辞退。私もそう思う。


《関連記事》
「地に堕ちた有名デザイナー」
「エンブレムは固持・佐野研二郎氏【釈明文】」


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安保法案:海外が支持?? つまずく外交

2015-08-23 14:17:05 | 戦争法案
3日前、『安保法案44カ国が支持 政府資料、欧米・アジア主要国が賛同』という記事が上がり、ここぞとネトウヨ、安倍支持者、賛成・推進派がNetに群がり、一時検索ページを埋め尽くした。

やっと上がった好材料?
支持・推進派は得意満面だったが、そもそもこの記事を上げたのは政府御用達誌の産経と読売だけである。他、各誌は見向きもしなかった。ついて推進派はご不満な様子だ。

対して、反論記事はそれほど見られなかったが、それを良いことに推進派は言いたい放題。
だがそもそも当該記事は本質を隠した偏向報道であって、ここに事実は語られていない。最近、内閣の支持率が下がって不利な状況にて、産経や読売はこうした「プロパガンダ」に必死な様相が目立つ。

ついては、ここで反論記事の紹介を。

「【失笑】産経ニュース(フジ系)で「安保法案44カ国が支持」⇒「だから安保はいい法案」みたいな記事があったのでツッコむ」(健康になるためのブログ 8月20日)

>アメリカの侵略戦争に散々付き合わされてきた、ヨーロッパ諸国(NATO)は日本がその枠組みに入ってくれたら負担が減るので歓迎でしょうね。

>(爆笑)外交なんて言うものは「国益の奪い合い」ですよ。
>諸外国がもろ手を上げて賛成しているという事は、諸外国の国益になることに決まってるじゃないですか。

>米国防総省筋は「安保関連法案は世界から見れば常識的な取り組みだ」と指摘している。
>しかし、こんな簡単なロジックもわからず、こんな幼稚な報道で「ほら外国様が言ってらっしゃる」「グローバルスタンダードだ」なんて言う輩は日本にはいませんよ。



落ち着いて考えれば単純なことである。海外の捉え方と、国内(当事者)の「戦争法案」に対する捉え方はかなり視点が異なるということが言える。
それぞれの国は、それぞれにおいて「利己的」である。まず自国の利益を考えるのは当然だ。その上で、利になるか害になるか、損か得かの判断になる。決して当事者の身になっては考えない。


また、「Yahoo!知恵袋」の回答に、以下のようなものがあった。(一部抜粋引用)

>実際に日本が「政治」「軍事」で立国することははなく、日本列島が浮かぶ、中国、韓国、ロシアに囲まれた地政学的な運命から、「経済」「社会」「文化」「教育」「観光」「スポーツ」において、バランスよく相互発展することこそが、逆に戦争の抑止力になるということを追求する政治家が本当の政治家であり、軍事力での戦争や安全の抑止力を追求するだけの政治家は、それは軍国主義の独裁者でしょう。

>それを、「安保法案を他国がみな賛成している!」とよろこんでる一部の国民が、政治が弱くなっている日本において、政治的に強い「独裁的政治と法制を期待している」ことになるんです。
>まさに、それこそが、第一次世界大戦のときに、ドイツで国民がヒトラーを生んでしまったメカニズムなんです。



的を射た正論である。
一方、こちら。端的で解り易い。

【孫崎享が激怒】安保法案はペテンだ!集団的自衛権では平和にならない!



この辺のところ、更に解説しているのがこちらのブログ。

「安保法案44ヵ国支持の真相! 『安保法案はペテン!国際社会は軍事的手段だと思っていない』 孫崎享氏」(憂国の凡人・錦織ワサビの書斎 8月22日)


 * * * * *

さて一方、北朝鮮と韓国がキナ臭い。

ことの発端は先日、韓国軍兵士2人が、非武装地帯に埋められた北朝鮮の地雷の爆発で大けがをしたことによる。

「韓国に対抗 北朝鮮が体制を宣伝する放送再開」(NHK 8月18日 6時51分

>韓国と北朝鮮の間の非武装地帯では、今月4日、北朝鮮によって埋められた地雷が爆発して韓国軍の兵士2人が大けがをし、これを受けて韓国軍は先週、軍事境界線の近くで大音量のスピーカーを使って北朝鮮の体制を非難する放送を11年ぶりに再び始めました。
>韓国軍によりますと、これに対抗して北朝鮮軍も17日から、みずからの体制を宣伝し韓国を非難するための放送を再開したということです。


 

「北朝鮮は攻撃準備完了 韓国は警戒強める」(NHK 8月22日 5時24分

>北朝鮮軍は20日、南北を隔てる軍事境界線近くの韓国軍の部隊に向けて砲弾などを撃ち込んだうえで、韓国軍が11年ぶりに再開した北朝鮮に対する非難放送を、日本時間の22日午後5時半までにやめなければ「軍事的行動を開始する」と通告しました。そして、21日夕方からは、韓国と対じする前線地帯でいつでも戦闘が可能な警戒態勢を取る「準戦時状態」に入りました。
>北朝鮮の国営メディアは、「万端の準備態勢を整えた軍人たちは、報復の炎を浴びせる一念で攻撃命令を待っている」として、北朝鮮軍の前線部隊の攻撃準備が完了したと伝えています。
>これに対し、韓国のハン・ミング(韓民求)国防相は、21日夜、国民向けの談話を発表し、「北の挑発には断固として対応する。わが軍は固い意志で国民の生命と財産を守るためあらゆる努力をする」と述べ、平静を呼びかけました。


 

「緊張緩和なるか 韓国と北朝鮮の高官が会談へ」(NHK 8月22日 17時54分

>韓国大統領府の発表によりますと、韓国と北朝鮮は22日午後6時から軍事境界線にあるパンムンジョムで高位級会談を開くことで合意しました。
>会談には韓国側からキム・グァンジン(金寛鎮)国家安保室長とホン・ヨンピョ(洪容杓)統一相が、北朝鮮側からファン・ビョンソ軍総政治局長とキム・ヤンゴン統一戦線部長が、それぞれ出席します。北朝鮮軍は20日、軍事境界線近くの韓国軍の部隊に向けて砲弾などを撃ち込んだうえで、韓国軍が11年ぶりに再開した北朝鮮に対する非難放送を日本時間の22日午後5時半までにやめなければ、「軍事的行動を開始する」と通告していましたが、その期限はすでに過ぎました。
>こうしたなか、南北が高位級会談を開くことで合意したのは双方とも、これ以上緊張が高まるのを避けたいという思惑があるとみられます。



結局は北朝鮮の「威嚇」。そして「駆け引き」である。
双方とも、本格的な戦争は決して望んではいない。もとより、戦争にでもなったら自殺行為であることは北朝鮮も充分承知だ。自暴自棄、自棄のやんぱちでしかない。
更に、北朝鮮が壊滅するようなことにでもなれば、大量の難民が中国、韓国、そして日本に流れ出る。周辺国も、ひいては世界が北朝鮮有事を望んではいない。思えば何のための経済援助や物資援助か。

一方、韓国には駐留米軍が居て、「米韓相互防衛条約」を結んでいる。
韓国の現有総兵力は約65.3万人、うち陸軍約52万、海軍約6.8万人(海兵隊2.8万人含む)、空軍6.5万人、予備役380万人である。さらに在韓米軍2万8,500人が駐在する。
しかし考えれば、北朝鮮の威嚇攻撃、挑発を以って、これが決して「抑止力」になっていないということを示したのではないだろうか。

例えて言い換えれば、「日米安保条約」がどれだけのものなのか、強いてはこの度の「戦争法案」が「抑止力」になるとは到底考えにくく、却って緊張を高めると見るのが極めてマトモな見方である。

韓国と北朝鮮の間で起きていること、早わかりQ&A
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ) 8月22日

韓国と北朝鮮の間で何が起きているのか。韓国は20日、北朝鮮の砲撃に対して数十回の対応射撃を行った。韓国は軍事境界線沿いの大型スピーカーシステムで北朝鮮政府を批判するプロパガンダを放送しているが、48時間以内にこれをやめなければ、さらに攻撃すると脅している。韓国はスピーカーの電源は切らないとしている。

Q:韓国はなぜ北朝鮮に向けてプロパガンダを流しているのか

A:韓国政府は、軍事境界線の南で4日に地雷が爆発し、兵士2人が負傷した事件を受けて放送を開始した。国連の調査では北朝鮮に責任があるとされたが、北朝鮮政府はこれを否定している。

Q:北朝鮮がプロパガンダ放送に武力で対応したのはなぜか

A:放送では北朝鮮の金正恩第1書記に対する批判もしているが、これは同国では最大の反逆罪とみなされている。専門家らによると、北朝鮮軍は金正恩氏への忠誠を示すために行動したようだ。

Q:戦争につながる公算は大きいか

A:北朝鮮が脅しをかけただけで終わるケースはたびたびある。だが、若い金正恩氏の動きを予測することは難しく、今回の応酬が制御不可能な状況に発展するリスクを高めている。韓国も、死者が出た2010年の攻撃を受け、北朝鮮に対する軍事力行使の制限を緩めてきた。

Q:注目すべき主なポイントは何か

A:北朝鮮は22日午後5時(日本時間午後5時半)を期限としている。この時点でスピーカーシステムが動いていれば、北朝鮮は再び攻撃に出るかもしれない。しかし、北朝鮮は韓国政府との協議も提案しており、これが解決につながる可能性もある。


「菅官房長官、韓国と北朝鮮を引き合いに安保法案の早期成立訴える」(FNNニュース 8月22日)



>韓国と北朝鮮の緊張の高まりを引き合いに、安全保障関連法案の早期成立を訴えた。
>菅官房長官は22日、青森・弘前市で講演し、北朝鮮が韓国と対峙(たいじ)する前線部隊の「準戦時状態」入りを宣言したことにふれ、安全保障関連法案の今の国会での成立が必要だとあらためて強調した。
>菅長官は「北朝鮮は、ミサイル実験を何回もした。韓国との間で、この数日間、緊迫状況が続いている。安全保障関連法案が成立することで、国民の平和な暮らしを守ることができる」と述べ、法案の成立に理解を求めた。



格好の材料と見て、また政府がこれを煽る。国民はそろそろ気付き始めているのではないだろうか。

 * * * * *

また一方で、
「ロシアのメドベージェフ首相、北方領土の択捉島を訪問」(FNNニュース 8月22日)



>ロシアのメドベージェフ首相が22日、北方領土の択捉島(えとろふとう)を訪問した。
>メドベージェフ氏が、北方領土訪問を強行するのは、3度目となる。
>インタファクス通信などは、メドベージェフ首相が22日午前、択捉島の空港に到着したと伝えた。
>滞在中は、水産工場を見学したり、現在行われているロシア政府主催の愛国教育フォーラムに出席するとみられる。
>日本政府はこれまで、訪問の中止を強く求めていて、菅官房長官も21日、「絶対に受け入れられない」と表明していた。
>今回の訪問強行で、日本とロシアが調整しているプーチン大統領の年内の日本訪問などに影響を与える可能性がある。



「日本「隣人」、中韓「友人」 択捉島訪問のロシア首相」(朝日新聞 8月22日)

>ロシアのメドベージェフ首相が22日、北方領土の択捉島を訪問した。ノーボスチ通信によると、地域への外国投資の誘致に関し、中国と韓国を「友人」と呼び、北方領土の返還を求める日本を牽制(けんせい)。北方領土を「先行発展地域」に指定し、独自に開発を急ぐ考えを強調した。


「日本は大戦の結果認めず=岸田外相の訪ロ延期に懐疑的-ロシア」(時事ドットコム 8月23日)

>ロシア外務省は22日、声明を出し、メドベージェフ首相の北方領土・択捉島訪問に対する日本の抗議について「国際社会に重要な(9月の日本の降伏文書調印による)第2次大戦終結70年を前に、日本は大戦の結果に反対し続けている」と非難した。
>また、ロシア外務省筋はタス通信に対し、岸田文雄外相の訪ロが延期されるという見方が出ていることに「あり得ない」と懐疑的な認識を示した。
>岸田外相は22日、アファナシエフ駐日ロシア大使を外務省に呼んで抗議した。この際のやりとりに関して、同筋は「(岸田外相の訪ロには)双方とも言及していない。合意していないことを延期することはあり得ない」と主張した。



安倍は海外に対してあっちへふらふら、こっちへふらふら。内面(ウチヅラ)と外面(ソトヅラ)を使い分けているように見えるが、その実見透かされているということである。言わば、足元を見られ、舐められているわけだ。
かの、実に“中途半端な”『戦後70年談話』も切っ掛けになっているのは間違いなく、つまりアレは「日本の“いい加減な”姿勢」を明らかにしたもので、海外はそれをモノサシに日本を量るのである。どっちつかずの外交は何の意味も示さない。


そしてこれ。
「北朝鮮高官「拉致の再調査は終了」 民間の訪朝団に訴え」(朝日新聞 8月21日)

>北朝鮮の政府高官が13~18日に平壌を訪れた日本の民間団体に対し、「拉致被害者らの再調査終了と報告書の完成を外交ルートで日本政府に伝えた」と訴えていたことが20日、わかった。訪朝団に参加した「日朝友好京都ネット」の浅野健一理事が明らかにした。

>浅野氏によると、北朝鮮政府高官は日本側が報告書の受け取りを拒んでいると主張。拉致被害者について過去の調査結果を覆す結果は得られなかったと話し、「(生存者がいるとの)日本政府の従来の主張と食い違うので、誰かが責任を問われることになると懸念して受け取らないのではないか」と語ったという。

>菅義偉官房長官は20日の記者会見で事実関係を問われ、「そのような事実はない」と否定。「一日も早い拉致問題の解決に向け、行動対行動、対話と圧力の原則に基づいて全力で取り組んでいる」と述べた。



日本政府は頑なに報告を受け取らないだけで、ならばどうするという、次の手立てを見出せずにいる。

これもひとえに、周辺国を、そして自国民をも欺くような『戦後70年談話』が原因のひとつとなっている。「戦争法案」に邁進する余り、ますます実状と乖離し、実質外交との矛盾が出てくる。必然的に海外と国内、それぞれに言い方を変えて取り繕わなければならなくなる。結果、完全なる外交の失敗! ということになってくるのだ。

対中国、対韓国、対北朝鮮、対ロシアと、この先も政府は4枚舌、5枚舌を使い分けていくつもりなのだろうか。
「戦争法案」はもとより、それがため、既に日本の外交も破綻している。




《関連・参考記事》
「北朝鮮と中国は本当に脅威か 1」
「北朝鮮と中国は本当に脅威か 2」
「もはや「仮想」ではない「敵国」」
「崩れた「中国脅威論」」
 * * *
「うまく言い逃れた『70年談話』」
「か弱く未熟で優しい日本人」


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安保法案:暴走止まらぬ安倍晋三と仲間たち

2015-08-22 22:52:52 | 戦争法案
日本共産党の小池晃副委員長が自衛隊統合幕僚監部の内部文書を暴露、追及したことに鑑み、早速全国の憲法学者が看過できない「重大な問題だ」として声明を発表した。

「統合幕僚監部文書に憲法学者「重大な問題」」(NHK 8月21日)

>声明は21日、東京都内で憲法学者が記者会見して発表したもので、防衛省の統合幕僚監部がことし5月下旬に安全保障関連法案の成立を前提に自衛隊の対応を記した文書を作成していたことを強く批判しています。
>この中では「合憲性に深刻な疑いのある法案について、成立を予定して検討課題を示すことは重大な問題である」と指摘したうえで、「議会制民主主義のプロセスよりも、防衛実務の事情を優先した対応と言わざるをえず
『軍部独走』という批判をまぬがれない」などとしています。
>声明にはこれまでに全国で合わせて63人の憲法学者が賛同していて、会見で埼玉大学の三輪隆名誉教授は「明らかになった
文書は分析や研究のレベルを超えている。国会は今回の問題に厳正に対応して役割を果たしてもらいたい」と話しました。

統合幕僚監部文書に憲法学者が「重大な問題」



そして昨日(21日)、再び日本共産党・小池晃参院議員が参院安保特で質問に立ち、更に自衛隊統合幕僚監部の内部文書の追及を行なった。

統幕内部文書 小池議員が追及(日本共産党 8/21)



この期に及んで安倍総理、自民党政府は「問題ない」と言い逃れを続けるが、問題が無いわけがなく、全てにおいて問題だらけだ。
今回の小池晃氏の質疑では、更に重大発言がてんこ盛りである。まさに白熱した論戦が繰り広げられた。

●中谷大臣は委員会で安保法案については国会の審議が第一で、法案が成立した後に検討を始めるべきものと言っていたのに、一週間後の委員会では、「検討」ではなく「分析・研究」だから問題はないと開き直った。検討ならば駄目だが、研究ならば許されるという大臣のデタラメな言い逃れを総理は許すのか。

●「丁寧に説明」と言うけれど、国民にはこんな(当該文書の内容のような)丁寧な説明はしていない。自衛隊の中ではこれだけ丁寧にやっている。

●文書では、国会にも国民にも一切示していない内容が示されている。総理はこの経過について問題ないと全部認めた。国民と国会を愚弄するものだと言わざるを得ない。

●文書は5月に作成されているが、そこに書かれているROE(交戦規定)策定について、国会では一切説明されていない。そこには「検討」ではなく「整備が必要」と明記されている。米軍との共有、米軍への追従は明らか。

●中谷防衛相は8月11日までの3ヶ月間、文書の存在を知らなかったと述べた。それでシビリアンコントロール(文民統制)が出来ているなどと矛盾している。

●憲法には「軍」を持たないと規定されているが、その国の首相が「軍」と書くのは便宜的な問題だから構わないという見解は許されるのか。対アメリカには(自衛隊を)「軍」とし、自衛隊の中でも「軍」と呼び、国民に向かっては「軍」ではないという理屈が通用するのか。総理は2月に「我が軍」と言い、結局総理は憲法を蔑ろにしている。自衛隊の中でも憲法も国民も無視している。

●「軍軍間」と言うが、圧倒的な情報量を持っているのは米軍である。情報を持ち主導権を持つ方が主従関係から言えば“主”になる。従ってより米軍への従属を深めていく。自衛隊が平時から米軍の指揮下に入るということを示している。

●南スーダンのPKOに年明けから新法制のもとで自衛隊が派遣されると書かれているが、ついては国会で一切説明されていない。これは「新法制に基づく運用」と明記されている。

●これまで国会と国民には丁寧に説明すると言ってきた。しかし、どの内容も一度もまともに丁寧に説明していないことばかりである。この文書で初めて明らかになった。丁寧に説明したのは自衛隊の中だけである。まさに自衛隊が米軍と肩を並べて海外で戦争をする集団に変えようとする内容が、極めて解り易く示されているのがこの文書だ。

●中谷大臣は指示した結果を3ヶ月間知らなかったと言っている。(それが事実なら)これは「指示」ではなく(自衛隊幹部への)「丸投げ」である。これを暴走と言わずして何を暴走と言うのか。暴走以外のなにものでもない。

●中谷大臣の責任は極めて重大である。そしてこれを全面的に認めた総理の責任は重大。内部文書の作成に責任を持つ河野克俊統合幕僚長の当委員会での証人喚問を求める。


まともな感覚を持っているなら、これらがどれだけ重大問題であるのかが理解できるはずである。
本質を歪め、屁理屈をこね、言い逃れをし、それを良しとするのが自民党一派であり、それを支持するのが権力志向の法案賛成・推進派だ。

「統幕内部文書 各紙が批判 国会・国民軽視あらわ 許されない暴走・逸脱」(しんぶん赤旗 8月21日)

>日本共産党の小池晃副委員長が暴露し、国会で追及している自衛隊統合幕僚監部の内部文書問題を各紙が社説などで批判しています。

この記事では、「朝日新聞」「東京新聞」「北海道新聞」「京都新聞」それぞれの社説を紹介している。

【朝日新聞】:「資料が明確に示すのは、日米の軍事的な『一体化』がいっそう進む方向性である」「まさに法案成立を先取りした計画だ」

【東京新聞】:「法案の八月成立を前提に、自衛隊の活動範囲拡大まで検討するのは行き過ぎだ」「国権の最高機関たる国会のシビリアンコントロール(文民統制)に厳格に従わなければならない」

【北海道新聞】:「『分析、研究』の範囲を逸脱しているのは明らかだ」「中谷氏自身が「国会の審議中に法案の内容を先取りするようなことは控えなければならない」と答弁したこととも矛盾する」

【京都新聞】:「政権・与党のおごり」



「戦争法前提の自衛隊文書 首相も暴走是認 憲法をないがしろ 参院安保特 小池議員が批判 「軍」表現も当然視」(しんぶん赤旗 8月22日)

>日本共産党の小池晃議員は21日の参院安保法制特別委員会で、戦争法案の成立を前提に、自衛隊統合幕僚監部が詳細な部隊運用計画を記載した内部文書を作成していた問題について、安倍晋三首相を直接ただしました。
>このような文書を「問題ない」とする安倍首相と中谷防衛相。小池氏は「責任は極めて重大だ」と強調するとともに、自衛隊統合幕僚長の河野克俊氏の証人喚問を要求。改めて戦争法案の廃案を主張しました。



「自衛隊内部文書 小池氏の追及 首相「問題ない」と開き直るが… 国会で一度も説明ない重大問題」(しんぶん赤旗 8月22日)

交戦規定(ROE)を改定 “平時”から米軍と共通化
>小池氏は、内部文書には記載されながら、国会・国民には一度も示されたことがない内容として、部隊行動基準(ルール・オブ・エンゲージメント=ROE=交戦規定)の改定問題があると指摘しました。

>米軍の標準交戦規定(SROE)では、平時の先制的な武力行使も排除しておらず、ROE共有化で自衛隊は米軍の武力行使に現場判断で参戦できるようになるとみられます。

「自衛隊=軍」当然視
>内部文書では、新ガイドラインにもとづき新設される「同盟調整メカニズム(ACM)」内に、「軍軍間の調整所」を設置することが明記されています。

>小池氏は、中谷防衛相が「軍軍」とは米軍と自衛隊のことだと認めたと指摘。戦力不保持を定めた憲法下で「自衛隊が『軍』を自認することも、問題がないということか」とただしました。

>首相は「便宜的な表現であり、問題があると考えていない」として“自衛隊=軍”を当然視。小池氏は、自衛隊内で憲法を無視する議論が平然と行われているのに、それを問題視しない首相の姿勢を「憲法をないがしろにするものだ」と厳しく批判しました。

>中谷防衛相は「(自衛隊の活動は)わが国の国内法令に従って行われるので、自衛隊が米軍の指揮下に入ることは考えられない」と答弁。小池氏は、憲法解釈を変更して立憲主義を壊そうとしながら、米軍とともに行う軍事行動では国内法に従うといっても説明にならないと批判しました。

南スーダンPKO 駆けつけ警護も
>陸上自衛隊が南スーダンで実施中の国連平和維持活動(PKO)の任務に、これまでは行われなかった「宿営地の共同防衛」「駆けつけ警護」を加えることも内部文書で初めて明らかになりました。

>小池氏は、南スーダンでは、政府軍と反乱軍との停戦協議は米国などが期限としてきた8月17日になっても最終合意にも至っていないと指摘。世界各地で紛争処理にあたってきた伊勢崎賢治・東京外国語大大学院教授は「自衛隊が今まで無事故ですんだのは奇跡」「今回の安保法制で任務が拡大すれば、奇跡ですむ可能性は非常に薄くなる」と述べていることをあげ、「派遣される自衛隊員の命が危険にさらされる」とただしました。

>中谷防衛相は「(『駆けつけ警護』などについて)研究するが、やるかやらないかは法案が成立してから、決定する」などと主張。小池氏は「内部文書には、『新法制に基づく運用』と書いてある。今の答弁は事実に反する」と述べ、中谷氏のごまかしを厳しく批判しました。



21日の国会参議院安保法制特別委員会の審議内容のまとめ。
「首相 統合幕僚監部作成文書“問題ない”」(NHK 8月21日)

 * * * * *

さて、ここでまた安倍総理のヤジ飛ばしである。

「安倍首相:今度のやじは「まあいいじゃん」 直後に撤回」(毎日新聞 8月21日)

>参院平和安全法制特別委員会の安全保障関連法案審議で21日、安倍晋三首相が、中谷元防衛相を追及する民主党の蓮舫氏に対し、「まあいいじゃん。そういうことは」とやじを飛ばし、直後に撤回する一幕があった。

>中谷氏は、他国軍を後方支援できる事例をまとめた「野呂田6類型」を誤って「大森6事例」と答弁。蓮舫氏が「大森と野呂田が一緒になっている」と議事の停止を要求した際、首相が自席からやじを飛ばした。

>憤った蓮舫氏から答弁を求められた首相は「本質とは関わりがないことだから申し上げた」と強調したが、鴻池祥肇委員長から「自席での発言は控えていただきたい」と注意され、「撤回します」と応じた。



安倍は先日も同民主党、辻元議員に対して「早く質問しろよ」と自席から野次を飛ばしていた。
曲がりなりにも一国の最高責任者である総理大臣が取るべき態度であろうか。しかも、相手を見てこれをやるから極めて質が悪い。
特に女性を軽視し、あからさまにさも蔑んだようなこうした態度は許しがたい最低のものである。首相としての資質はもとより、それ以前に人としての品位や人間性をも大きく問われる。
安倍を支持している人たちは果たしてそうは思わないのだろうか。あるいは同類なのだろうか。それこそ「どうでもいい」のだろうか。
だとすれば、むしろ安倍や自民党を支持するのも頷けなくはない。所詮その程度である。

いずれ、こうしたことひとつとっても、おおよそ首相として信頼できるものではなく、故に平気で憲法を無視し、国民を無視し、独善的に暴走することができるのだろう。

 * * * * *

一方、例の武藤貴也衆院議員。

「証券会社が関係否定 離党で済まない武藤議員“黒い集金”疑惑」(日刊ゲンダイ 8月22日)

>現職の国会議員が「未公開株」の話をデッチ上げてカネを集め、知らんぷり――。「週刊文春」で報じられた武藤貴也衆院議員(36)をめぐる“黒い集金”疑惑は、90年代半ばの「オレンジ共済組合事件」のようだ。武藤氏も自民党も「離党」で幕引きを狙ったようだが、冗談ではない。コトは重大で、刑事事件に発展する可能性が高いのだ。

>与党の国会議員が詐欺まがいの手口で4000万円を超えるカネを集めたのだ。ネットに一方的な主張を並べてオシマイでは済まない。それこそ「国民の期待に応えるため」に会見を開いて説明するべきだ。それに自民党だって、離党じゃなく、より厳しい除名処分という選択肢もあったはずだ。早々に離党届を受理し、何の調査もしないなんて怠慢だ。

>未公開株の「国会議員枠」が自民党内で日常的にやり取りされているとしたら大スキャンダルだ。武藤氏にペラペラ話されたらたまらない――と、自民党執行部が武藤議員に大甘処分を下したのもうなずける。

>果たして「国会議員枠」は事実なのか。武藤氏に「国会議員枠」を仲介したとされる「エイチ・エス証券」に事実関係を尋ねると、驚きの回答だ。
>〈武藤議員と弊社の間には何ら取引関係がなく、(略)やり取りがあった事実はございません〉〈「国会議員枠」のようなものも実際に存在いたしません〉

>これが事実なら、武藤氏は勝手に「エイチ・エス証券」の名を出してカネを集めていたことになる。これを犯罪と言わずに何と言うのか。



まさに、誰が一番「利己的」なのか。

とにかく一事が万事である。これら全て、これがまだ30%台の支持を保っている自由民主党の姿である。そしてこれがその自民党政府である。
まだよく解らずにほのかな期待を抱いて自民党を支持している人が居るなら、どうか目覚めてほしいと、そう思う。




《関連記事》
「次々に暴かれる陰謀」
「実はもう始まっている」
「政府答弁の拠り所」
「安保法案は軍事同盟」
「恐ろしき陰謀と戦争への確実な歩み」
「知らされないことの恐ろしさ」


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安保法案:次々に暴かれる陰謀

2015-08-21 16:37:32 | 戦争法案
●TOPページからのエントリーがやや重くなっています。ご了承ください。また、同じ動画が上下ダブって表示される場合は、一度ページを更新(F5)してみてください。

お盆前、日本共産党の小池晃氏が、自衛隊統合幕僚監部の内部文書を暴露し参議院安保法制特別委員会は紛糾、途中散会となっていた。
そして19日、審議再開となったが、荒れ模様の展開だ。
内部文書暴露質疑から19日までの流れを以下、主に動画で。

新たな内部文書で重大問題発覚。審議ストップ、散会に(日本共産党 2015/08/11)


「戦争法案の施行前提に自衛隊が部隊編成計画 “8月成立” 日程表まで作成 小池氏「軍部独走の再現」と追及」(しんぶん赤旗 8月12日)
「国会審議無視 日程すべて決定 統合幕僚監部 戦争法案成立前提の計画」(しんぶん赤旗 8月12日)

>文書は、今国会に戦争法案が提出された5月末時点で作成されたとみられます。表題から分かるように、新ガイドラインと戦争法案の概要、双方の関係を示したものです。「今後の進め方」とする日程表では、法案成立を前提に、最も早いパターンで「8月法案成立」、それから「6カ月以内の施行」開始として来年2月に施行を明記しています。また、7日に部隊派遣延長が閣議決定されたばかりの南スーダンPKO(国連平和維持活動)について、来年3月から「駆けつけ警護」を認めるなど、戦争法案を反映させる日程が具体的に示されています。

>中谷氏は「ご提示していただいている資料がいかなるものかは承知をしていない」と、文書の真偽について答弁を避けました。

>小池氏は、「大臣が知らないところで検討が進められているのは大問題だ」と追及。事実確認を求めたのに対し、中谷氏は「同じ表題の資料、これは存在する」と認めました。ただ、内容の詳細には立ち入らず、「国会の審議が第一であり、法案の内容を先取りするようなことは控えなければならない」との答弁に終始しました。

>資料はさらに、新ガイドラインの核心である「同盟調整メカニズム」(ACM)について、発表された合意事項にない内容を明記しています。


>小池氏が委員会終了後の記者会見で「極めつき」だと指摘したのは、戦争法案の8月成立・来年2月施行を前提に、自衛隊の部隊運用に関する詳細な日程を作成していたことです。

>これによれば、ACMの運用は、日米の外務・防衛局長級からなる防衛協力小委員会(SDC)が文書を発出し、8月から開始されるとしています。「現時点で設置の具体的な期限が定められているわけではない」(中谷防衛相、7月8日)という答弁に真っ向から反します。

>休憩中に開かれた理事懇談会で、「文民統制(シビリアン・コントロール)に関わる問題だ」としてこの日の審議継続は不可能と主張する野党の提案を受け、鴻池氏は散会を決めました。





「防衛省統合幕僚監部の内部文書」(全ページ・全文/PDFファイル)


安保関連法案 法案成立前提の内部資料めぐり紛糾 途中で散会に(FNN 15/08/11)



「自衛隊を「軍」との記述も! 防衛省・統合幕僚監部が安保法案成立後の戦闘マニュアルをすでに作成していたことが発覚し、国会中断」(リテラ 8月11日)

>安保法制をめぐる参院審議でまたぞろ、とんでもない事実が発覚した。自衛隊が安保法案成立前から米軍と一体化して戦闘に参加するためのマニュアルを作成していたことが発覚したのだ。

>暴露したのは、共産党の小池晃議員。統合幕僚監部が今年5月末に「ガイドライン及び平和安全法案について」なる内部文書を作成していたのだが、その中には、「ガイドライン、平和安全法案を受けた今後の方向性」として、「8月に法案成立」とあり、法案成立を前提とした、具体的な自衛隊の部隊の編制まで書かれていたという。



「安保法案の成立を前提にした内部文書、防衛省が作成か?」(The Huffington Post 8月11日)

>中谷防衛相は「この資料が、いかなる物かは承知をしておりません。少なくとも防衛省がこれまで公表した資料ではありません。どういった経緯によって入手されたものか明らかでない限りは、真贋や位置づけについて即答することは困難であります」と答弁を避けた。「この文書の存在をすぐに確認してください」と、小池氏が追及したことで審議が中断。審議再開後には中谷防衛相は「同じ名前の資料は存在するが、細部まで特定するまでは時間がかかる」と回答した。

 * * * * *

集中審議・統幕長喚問を(日本共産党 山下芳生書記局長の会見 8月17日)


>山下芳生書記局長は、先日の参院安保特で小池晃参院議員が自衛隊の内部文書をもとに政­府を追及した問題で、引き続き真相を明らかにして、戦争法案廃案のため奮闘すると表明しました。


「自衛隊統幕監部の内部文書 防衛省が存在認める 中谷防衛相の指示うけ作成 主要幹部のビデオ会議で使用」(しんぶん赤旗 8月18日)

>防衛省は17日、戦争法案の成立を前提に、自衛隊の詳細な部隊運用計画を記載していた自衛隊の統合幕僚監部作成の内部文書が存在することを正式に認めました。参院安保法制特別委の委員である日本共産党・井上哲士議員に説明したもの。中谷元・防衛相が国会の法案審議も始まっていない5月15日に指示を出し、統幕がこれを受けて作成していたことも合わせて明らかにしました。国会審議や国民世論を無視し、戦争法案成立ありきで暴走する安倍政権の責任は、いよいよ重大です。


「安保法案成立前提の内部資料 防衛省、作成を認める」(東京新聞 8月18日)

>防衛省は十八日、安全保障関連法案に関する参院特別委員会の理事懇談会で、自衛隊が法案の成立を前提に今後の部隊運用に関する内部資料を作成していたことを認めた。共産党が資料を独自に入手し、十一日の特別委で防衛省に事実確認を求めていた。野党側は今後の審議で「自衛隊の独走だ」と追及する構えだ。


Netでは、一方で共産党がどのようにして当該文書を手に入れたのか、また、「特定秘密保護法」に抵触するのではないかとの意見が上がった。
ついて、小池晃氏は、日本共産党のネット中継「とことん共産党」(8月11日配信)内で、入手ルートは秘匿だが、この法案に対する怒りが自衛隊の中にも広がっているとして、協力者の存在を示唆している。
また、後の答弁で中谷防衛相は当該文書が「秘密指定になっていない」ことを明らかにしている。


「安保法案内部資料はテレビ会議用」(ロイター 8月18日)

>安全保障関連法案を審議する参院特別委員会理事懇談会で防衛省が作成を認めた、法案成立を前提に部隊運用のあり方などが記された資料は、陸、海、空3自衛隊の基幹部隊の指揮官らが出席したテレビ会議用の資料であることが18日、政府関係者への取材で分かった。

>資料は会議前に、各基幹部隊に電子データで送付されていた。防衛省は3自衛隊の文書管理担当部署を中心に、データを受け取った各基幹部隊の隊員への聞き取りやパソコンの通信履歴の解析などを行い、共産党が資料を入手した経緯の解明を進める方針



「自衛隊文書 「準備」どころか「実行計画」 自民・谷垣幹事長の成り立たない強弁」(しんぶん赤旗 8月19日)

>自民党の谷垣禎一幹事長は18日の記者会見で、自衛隊統幕監部が戦争法案の成立を前提に、自衛隊の部隊運用計画を記載した内部文書問題について「法律ができたときに『何の準備もしていませんでした』というわけにはいかない。(法律が)できたときにどう動くかは考えていかなくてはいけない」などと述べ、「問題がない」という態度を示しました。

>しかし、11日の日本共産党の小池晃議員の追及に対し、中谷元・防衛相自身が「法案の内容を先取りするようなことは控えなければならない」と答弁しています。谷垣氏の主張はこの防衛相答弁とも矛盾します。

>統幕文書の内容は、法案ができたときの単なる「準備」などというものではありません。実行計画そのものです。



「戦争法案・内部文書 この暴走は言い逃れできない」(しんぶん赤旗 8月19日)

>看過できないのは、同文書が、陸・海・空自衛隊の各主要部隊の指揮官が参加した、5月26日のビデオ会議で使用された説明資料だったということです。5月26日は、衆院本会議で戦争法案の質疑が初めて行われた日です。法案審議がまさに始まったその日に、8月の法案成立を前提にした計画を全自衛隊規模で徹底していたということであり、国会無視の暴走というほかありません。

>防衛省の説明によると、文書は、法案の閣議決定翌日の5月15日に中谷防衛相が出した指示に基づいて作成されたといいます。中谷氏は小池氏の追及に、「国会の審議中に法案の内容を先取りするようなことは控えなければならない」「中身の運用の検討は当然、法案が通った後の作業になる」と答弁しており、その監督責任はいよいよ重大です。自衛隊の最高指揮官である安倍首相も責任は免れません。

>防衛省は法案の内容説明のための資料だとしていますが、文書は法案の成立を受けた「今後の進め方」まで検討しており、言い逃れは不可能です。河野克俊統合幕僚長の証人喚問をはじめ、国会での徹底した真相究明が必要です。


 * * * * *

そして19日、参院安保特の審議が再開となる。

自衛隊内部文書について(日本共産党 小池晃議員が追及 8月19日)



「防衛相釈明「文民統制に反せず」 資料作成で、野党反発」(東京新聞/共同通信 8月19日)

>中谷元・防衛相は19日の参院平和安全法制特別委員会で、安全保障関連法案成立後の自衛隊活動に関し防衛省が作成した内部資料について「法成立時期を予断したものではない」と釈明した。文民統制にも反していないと強調した。野党側は「国会軽視、自衛隊の独走だ」と反発した。特別委は安保法案の一般質疑を実施した。内部資料をめぐって審議が紛糾し途中で散会した11日以来の再開となった。
>中谷氏は資料に関し、法案の閣議決定翌日の5月15日に内容を隊員に周知するよう指示し、制服組の統合幕僚監部が内部部局と調整して作成したと説明。



「戦前の軍部独走と同じ」共産、内部文書流出で追及(ANN 15/08/19)


安保関連法案審議再開 野党側、防衛省の事前資料作成問題を追及(FNN 15/08/19)



「自衛隊文書「大臣答弁に反する」 小池氏、中谷防衛相を追及」(しんぶん赤旗 8月20日)

>小池氏は、中谷氏が11日の同委では内部文書について、「法案が成立した後、これは検討を始めるべきもの」と答弁していたことを指摘。大臣指示で作られていたのなら「大臣自身の答弁にも反する」とただしました。

>中谷氏は「統合幕僚監部として当然必要な分析・研究を行った」などと答弁。小池氏は、内部文書は、分析・研究にとどまらず、「平和安全法制に基づく主要検討事項」となっており、国会無視の暴走だと批判しました。

>中谷氏は「(文書には)実際の運用要領の策定、訓練の実施、関連規則の制定は含まれていない」として、「内容に問題はない」と主張。小池氏は「『運用要領の策定』などは、検討を通り越した法案の具体化ではないか。苦し紛れのごまかしだ」と批判しました。



「「軍軍間調整所」 日米共同作戦 防衛相 存在認める 「問題ない」通用せず 統幕内部文書で小池氏追及」(しんぶん赤旗 8月20日)

>参院安保法制特別委員会は19日、戦争法案の成立を前提に詳細な部隊運用計画を記載していた自衛隊統合幕僚監部の内部文書が国会提出された後、最初の審議を行いました。中谷元・防衛相は冒頭、「文書は私が指示した範囲内」であり、「内容に問題はない」と強弁しました。

>中谷氏は、「(軍軍間の調整所は)すでに存在している」と述べ、すでに設置されていることを初めて明らかにしました。さらに「軍軍間」とは「自衛隊と米軍だ」と答え、自衛隊を「軍」と記していることを認めました。

>さらに小池氏は、内部文書が、他国の領土問題への介入につながりかねない、南シナ海での「情報収集、警戒監視及び偵察」(ISR)について「検討」と書き込んでいることを明らかにしました。

>小池氏は、内部文書に示されている一連の検討事項について、「こんなことは、一度もまともに説明してこなかった。これでは国会審議は通過儀礼にされてしまう。与野党を問わず、党派を超えて怒らなければならない」と呼びかけました。その上で、「中谷大臣、安倍晋三首相の責任は重大だ」と述べた上で、河野克俊統合幕僚長の証人喚問を求めました。



【孫崎享が激怒】安保法案の審議再開!自衛隊が法案の前に独走?(8月19日)



とにかく政府は苦しい言い逃れに終始。詭弁を弄し、何とか正当化しようとする姿は実に見苦しい。
憲法無視、国民無視、全て無視して勝手に突っ走る政府と「軍部」。まさに戦前を彷彿とする有様で、これを見過ごしていたら本当にとんでもないことになる。
国民が知らないところで、知らされないところで事態は“粛々と”進められている。こんなことがまかり通って良いのだろうか。

 * * * * *

一方でこの方。
また別の切り口で政府を追及した。

山本太郎8/19 「いつ植民地をやめるんだ今でしょ 戦争法案 廃案以外ありえない」【全】


山本太郎8/19午後【全】「砂川判決」も「戦争法制」もアメリカのリクエスト



「【安保法制国会ハイライト】山本太郎議員が日本政府の「属国タブー」を追及!原発再稼働、TPP、秘密保護法、集団的自衛権…安倍政権の政策は「第3次アーミテージレポート」の「完全コピーだ」」(IWJ 8月19日)

>「米軍の要請、ニーズには憲法を踏みにじってでも、国民の生活を破壊してでも真摯に全力で取り組むって、これ、独立国家と呼べますか?」——。

>お盆休み明けで再開した参議院審議。山本太郎議員は2015年8月19日、午前の質疑で、安倍政権が米国の「指示書」通りに政策を進めていることを批判。2012年夏に発表された「第3次アーミテージレポート」を突きつけ、政治家もメディアも触れようとしないこの国の「属国タブー」を追及した。



「2013/02/03 【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載」(IWJ)


アーミテージ・レポート(正式名称:INSS Special Report "The United States and Japan: Advancing Toward a Mature Partnership"、「国防大学国家戦略研究所特別報告 合衆国と日本―成熟したパートナーシップに向かって」)

2000年に対日外交の指針としてジョセフ・ナイらと超党派で作成した政策提言報告。この報告書では、日本に対して有事法制の整備を期待する内容が盛り込まれた。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を受けて、日本側に共闘を求めた。この時にいわゆる「Show the FLAG」(旗幟を明らかにしろ)発言があったとされる。ただし、柳井俊二駐米大使(当時)は協力の要請があったことは認めたものの、Show the Flagという発言は否定している。

イラク戦争開戦時には日本の役割を野球に例えて「Boots on the ground」(野球場に来るなら観客になるな、投手や捕手をやれとは言わないが試合に出ろ)と発言したことでも有名になった。また、2004年7月には日本国憲法第9条を日米同盟の障害とする主旨の発言をして物議を醸した。また、北朝鮮による日本人拉致問題においては、朝鮮民主主義人民共和国に対する圧力路線を主導。2004年4月には北朝鮮のテロ支援国家指定の根拠に拉致問題を明記させた。

2005年6月6日、『筑紫哲也 NEWS23』に出演した際に、靖国神社参拝について質問され「主権国家である日本の総理大臣が、中国に限らず他の国から靖国神社に参拝してはいけないと指図されるようなことがあれば、逆に参拝すべきだと思います。なぜなら内政干渉を許してはいけないからです。もう一つは、全ての国が戦死者をまつりますが、それぞれのやり方で良いのだと思います」と主張した。2006年7月20日の「産経新聞」(東京版)の取材に対しても同様の認識を示している。

2007年2月には、政策シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)において再度超党派による政策提言報告「第二次アーミテージ・レポート」(正式名称:"The U.S.-Japan Alliance: Getting Asia Right through 2020"、「日米同盟 2020年までのアジア外交をいい塩梅に」)を作成・発表、日米同盟を英米のような緊密な同盟関係へと変化させ、東アジアの地域秩序の中で台頭する中国を穏健な形で秩序の中に取り込むインセンティブとすることなどを提言している。

2012年8月には「第三次アーミテージ・レポート」を作成・発表。日本が一流国家であり続けるか、二流国家に甘んじるかの重大な局面を迎えていると指摘し、また日米同盟関係における日本の役割拡大を求めた。



《追記:8/21 20:40》
●山本太郎氏が引用していた早稲田大学法学学術院教授・水島朝穂氏のホームページはこちら ⇒「平和憲法のメッセージ」

●「砂川事件」に関してはこちら ⇒「後に引けない政府与党」


このように、「戦争法案」は、もとより「違憲」であることも然ることながら、更に審議を重ねるごとに卑劣極まりないやり方が顔を覗かせ、ついての矛盾が噴出する。
やっちまえばこっちのものだとばかりに国民を騙し欺き、そうして隠しおおせると思っているのだろうか。
どう考えても「廃案」しかないのは明らかだ。

安倍政府を支持、法案を是認している人たちももう一度考えてみてほしい。よく理解できるはずである。



《関連記事》
「実はもう始まっている」
「政府答弁の拠り所」
「安保法案は軍事同盟」
「恐ろしき陰謀と戦争への確実な歩み」
「知らされないことの恐ろしさ」


(最終更新:8月21日 20:40)
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か弱く未熟で優しい日本人

2015-08-20 23:26:38 | 雑感
先週末に発表の共同通信社による世論調査で、内閣の支持率が大きく持ち直した。

不支持率を上回りこそしなかったが、同社の前回の調査結果、37.7%から5.5ポイント上昇し43.2%となった。

「「評価」44%、「評価しない」37% 共同通信世論調査、内閣支持は43%に上昇」(共同通信/産経ニュース 8月15日)

これを受けて、16日の拙記事「内閣支持率と法案のゆくえ」で、

>私的にはやや意外な現象だ。安倍総理の『戦後70年談話』の影響はそれほど無いと踏んでいた。
>だが、世論は斯くも「デリケート」であることを思い知らされる。
>いや、政治のプロ達はそのへんのところ、充分に承知なのかもしれない。

>安倍の談話を「評価する」割合は高く、練りに練った内容が功を奏した結果だろう。ただし、「評価しない」も4割近くに及ぶ。
>内閣の支持率は、依然「不支持」に傾いてはいる。だが、これを見るとまだまだ微妙な均衡の上にあり、ちょっとしたことで針が大きくブレることがわかる。

>これはやはり、政党支持率で見た際、自民党が30%台を維持し続け、野党の支持率がなかなか上がらないことからもそれは言えるだろう。
>「戦争法案」の廃案を訴えながら、方や「対案」などと腰の落ち着かない民主党。更に維新の党との低次元で滑稽なやり取り。これでは無理もない。国民に見透かされるのは当たり前である。
>そうしたことの「下支え」が内閣の支持率をふらつかせているのではないだろうか。


・・・と書いた。

そして更に週明けに発表された産経新聞社とFNN(フジテレビ)による世論調査でも、同じような結果が出た。

「内閣支持率43%に回復 首相談話「評価」57% 安保法案「必要」58%」(産経ニュース 8月17日)
「FNN 世論調査」詳細

安倍内閣の支持率は前回より3.8ポイント上がって43.1%、不支持率は7.6ポイント下がって45.0%である。

またいずれも、安倍総理の『戦後70年談話』についての評価は共同通信が「評価する」44.2%、「評価しない」37.0%。産経新聞社/FNNでは「評価する」が57.3%、「評価しない」が31.1%であった。

もっとも、案の定というか、産経新聞社/FNNの世論調査の設問では、「Q4. 安倍首相が発表した「戦後70年談話」についてうかがいます。この談話は、「反省」、「侵略」、「植民地支配」、「お詫(わ)び」という言葉を盛り込み、「歴代内閣の立場は今後も揺るぎない」と表明しました。あなたは、この姿勢を評価しますか、評価しませんか。」や「Q6. この談話は、積極的平和主義を訴え、国際社会で責任を果たしていく「未来志向」を打ち出しています。あなたは、談話全体を評価しますか、評価しませんか。」といった“誘導”や“印象操作”が相変わらず見られる。また、総体的に2~3%の誤差もあろう。だが、それにしても・・・である。

しかし、国民は斯くもまやかしに乗せられ、誤魔化しに弄ばされるものなのだろうか。実際、それほどに世論は移ろいやすいということでもある。


そこで、私の頭には「共依存」という言葉が思い浮かぶ。

例えば、子供にとってはどんな親であろうが、親はそのとき唯一頼れる存在だ。その親がたとえ極悪人であったとしてもである。

それに準えれば、国民にとって、それこそ暮らしや命を守ってくれるのは時の政府しかない。
一方で国民はある程度今の自民党政府の悪政は承知の上であろう。だが、ほかに頼れるものが無い状態でそこに頼らざるを得ず、その点、「支持する」と言ったところで“積極的支持”はそう多くはないのかもしれない。

また、平和ボケとはよく言ったもので、爆弾テロも内戦も、日本人にとっては対岸の火事である。
日々過ごす中で、どこから弾が飛んでくるでもなく物理的な身の危険を感じるでもない。だがそれは政府のお陰? 「親」が守ってくれているから? 本当にそうなのだろうか。
また、苦しくても何とか生活は成り立っている。そこに、その内良くなるだろうという期待感と希望的観測があり、それに支えられているからこそのものがある。

そんな中、出来の悪い「親」に優しい言葉を掛けられればどうだろう。つい情にほだされて思わず見直してしまう、ということがあるのではないかと思う。

共依存

AC(アダルトチルドレン)の精神的虐待の象徴的特徴として、共依存 (co-dependency)があげられる。
典型的な例として、親が強力に子どもの精神を支配する行動が、子どもの方も支配されたいという特異な感情を生み出し、親も子どもも支配し支配されることに奇妙な安心感を見出して、支配を通して相互依存するという現象がある。
これは子どもにとって支配に反抗するより支配を受け入れる方が家庭内で波風を起こさなくて済むため、平穏な環境でいるためのサバイバル(生き残り)手段と解釈されている。
通常、子どもはある年齢に達すると親の支配から脱しようと試みるのが自然な形態だが、この相互依存関係が強い場合、親子関係は成人してもなお支配の相互関係という不健全な状態が続く。
よりわかりやすい表現で表せば、子離れせずに子どもを人生の目的とし続ける親と、それを受け入れ続けざるを得ない精神構造を埋め込まれた子ども、ということになる。これがひどい場合は親が死亡するまで関係を健全化することができず、極端な例として母親が死ぬまでともに暮らす、つまり一生結婚の機会を奪われることや、親同士が認識しただけのお見合いを強制され、世間体を重視した愛のない結婚生活を送る場合もある。



共依存

自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態(アディクション)を指す。すなわち「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」である。共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平安を保とうとする。

共依存という概念は、医療に由来するものではなく、看護現場サイドから生まれた。共依存と呼ばれる前は、Co-alcoholic(アルコール依存症の家族)と呼ばれ、当初は「アルコール依存症患者との関係に束縛された結果、自分の人生を台無しにされてしまっている人々」らの特徴を説明するために使われていた。アルコール依存症患者を世話・介護する家族らは、患者自身に依存し、また患者も介護する家族に依存しているような状態が見受けられることが、以前より経験則的にコメディカルらによって語られていたからである。

共依存にある状況では、依存症患者がパートナーに依存し、またパートナーも患者のケアに依存するために、その環境(人間関係)が持続すると言われている。典型例としては、アルコール依存の夫は妻に多くの迷惑をかけるが、同時に妻は夫の飲酒問題の尻拭いに自分の価値を見出しているような状態である。こういった共依存者は一見献身的・自己犠牲的に見えるが、しかし実際には患者を回復させるような活動を拒み(イネーブリング)、結果として患者が自立する機会を阻害しているという自己中心性を秘めている。

これはアルコール依存症だけではなく、ギャンブル依存症の家族、ドメスティックバイオレンス(DV虐待)などにも見られる現象であると言われている。現在では、単にアルコール依存症患者家族との関係だけでなく、「ある人間関係に囚われ、逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられている。

例えば、暴力をふるう夫とそれに耐える妻の関係、ギャンブル依存者の借金を穴埋めする家族、支配的な親と愛情を受けたい子供の関係、相手から愛されることが目的となっている恋愛関係などがある。この観点から、自立できない子供のパーソナリティ障害・恋愛における自己愛的な障害・ストックホルム症候群にまで共依存の概念が検討され、使用されるようになっている。

共依存関係は、一見すると献身的に見え、共依存者は「だってあの人は私が見捨てたら生きていけません」などの発言をすることが多い。しかし行き過ぎて他人の世話をすることは、当人の能力を奪い、無力化し、その人の生殺与奪を自分次第とする支配になり得る。愛情という名に「完璧に支配しているという快感」を得たいという自己中心性が隠されている。

共依存という概念は、正しく使えば他者と自己との分離、精神的な自律に役立つ。しかし、共依存に対する誤った認識を持つと、「自分が共依存であるからいけないんだ」という考えにより自らを追い込む可能性があり、注意が必要である。そもそも人間関係において誰かに依存するということは病理とは認定されておらず、あくまでも当事者自身が関係に苦痛を感じていることが問題とされる。

Wikipedia「共依存」より


些か乱暴な話かもしれない。そしてもちろん、これは必ずしもダイレクトに世情に結びつくものでもない。また当然、ついての異論もあるだろう。だが私はどうしても「日本国民」と「日本政府」の関係が、この「共依存」のイメージに重なって思えてしまうのである。

私は「社会学」といったものはよくわからないが、つまり、国民国家は、国民と政府の相互依存によって成り立っていると考えるならば、これも多少なりとも頷ける点があるのではないかと思う。

意気地が無く臆病であるのと「優しさ」は紙一重でもある。一方、潜在的な「支配者への従属願望」からか、日本人は未だに天皇を崇めてしまうようなところもある。
そんな国民性、その「日本人」。それを生かさず殺さず、権力者はその辺のところをよく心得ている。

この先、国民性につけ込んで悪法がまかり通れば、やがて国は「機能不全」に陥る。そのとき国民は、今度はストックホルム症候群に罹患するのだろうか。


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東京五輪:錯綜する情報

2015-08-19 22:54:00 | 東京五輪2020
数々の盗作・盗用疑惑について、そして「五輪エンブレム」の行方について、佐野研二郎氏本人は依然として口をつぐんだままだ。
それぞれの事案に関してはNet上において方々で炎上、ついには一般メディアもこれを取り上げ、今や世間の中心話題となっている。

そうした中、昨日は一旦公の場(京都の講演会)に姿を現した佐野氏であるが、何も語らず、おそらく心労を重ねているだろうことだけは想像できる。
それに対し、内助の功とはよく言ったもので、佐野氏側は専ら「広報担当者」とする佐野氏の奥さん、恵子氏が対応にあたり彼を支えているようだ。だがそれもなかなか要領を得ない。
そのことから却って憶測が憶測を呼び、果たして何が事実なのか、いささか混迷の模様である。

ここでいくつか、「広報担当者」恵子氏のコメントから。

●「佐野氏は責任感じている? もちろんです。申し訳ないと思っている。我々もミスがあったことに動揺している」と謝罪。

●佐野氏の過去の作品については“検証”を行ったことを明かし「それ(サントリービールのトートバッグ)以外は、何一つ問題はないと考えています。ここで次に、また(問題が)出てしまったら、謝っても通用しないですから」と述べた。

●サントリーの問題が発生したことで「(東京五輪公式)エンブレムは辞退するべきでは?」との質問に対し、「我々の立場としては応募者。辞退できるのかも分からないし、決定権もない」。更に、語気を強めて「1個ミスしたらすべてダメになるんですか? エンブレムの制作過程に何か問題があるのですか?」

●名古屋市の東山動植物園のシンボルマークが、コスタリカの国立博物館のマークに酷似しているとの指摘があり、同園がマークを提案した企業に事実関係の調査を依頼したことが判明したことに対し、「“代理店的な”立場のところから問い合わせがありました」と調査が入ったことは認めた上で、「コスタリカの原作者の方からは連絡をいただいてませんし、模倣した認識は全くなく、全く問題はないと考えていると回答しました」と反論。

●現在、ネット上で過去の佐野氏の作品と、他作品の比較が盛んに行われていることに「似てる似てないについては、議論が終わらないのでコメントはありませんが、(類似が指摘されている他作品の)当事者の方々からは、何の問い合わせもいただいておりません」と繰り返した。

●「ザ・ローリング・ストーンズ」のTシャツに関しては、自ら話題にし「Tシャツはうちでデザインしたものですが、指摘されている背中の部分はノータッチです。ぜひ報じてください」と、Tシャツの裏側に仏ミュージシャンのジャケット写真に似た図柄があしらわれている問題とは無関係と反論した。

「佐野氏広報担当が「サントリー」問題を謝罪 それ以外の疑惑は「何一つない」」(スポーツ報知 8月18日)
「佐野氏の妻 新たな疑惑噴出に猛反論」(デイリースポーツ 8月18日)


また、ここ数日Net上では、佐野氏が一連の作品の、いわゆる“パクリ元”として「Pinterest(ピンタレスト)」を見ていたか見ていなかったかに話題が集中している。

Pinterest
ピンボード風の写真共有ウェブサイトでユーザーはイベント、興味のあること、趣味などテーマ別の画像コレクションを作成し管理することができる。また、他のピンボードを閲覧して自身のコレクションか「好み」の写真として画像を「リピン」することもできる。アイオワ州ウェストデモインのベン・シルバーマン、ポール・シャッラ、エバン・シャープが創設し、インベンターと投資家の小規模集団が出資したCold Brew Labsが管理している。(Wikipediaより)

「【速報】佐野研二郎が「デザインの仕入元」と囁かれるPinterestを使っていることが判明→速攻でアカウント削除」(Netgeek 8月17日)

>法廷闘争にまで発展することが決まったデザイナー佐野研二郎氏のパクリ疑惑について、デザインの仕入元ではないかと囁かれていたPinterestを佐野研二郎氏が利用していることが判明。そして同時にアカウントを消したことが明らかになった。
>ベルギーのデザイナーは「Pinterestにロゴをアップしていたので、彼はそこから盗んだのではないか」と発言していた。
>その後「BEACH」の赤い看板や泳ぐ女性、ベルギーのリエージュ劇場のロゴについてもPinterestに投稿があったことが分かった。
>その点について記者が佐野研二郎氏に「Pinterestは見たことがありますか?」と質問したところ、佐野氏は「見ておりません」と回答。
>試しに公開されている佐野研二郎氏のメールアドレスを入力してみると、なんと「すでに使用中」と出た。
>やはりPinterestを見たことはあったのだ。正直に話せばいいのに一体何を隠しているのか。


これについて、
「佐野研二郎氏の「ピンタレスト削除」騒動 真相はどうだったのか事務所にすべて聞いてみた」(J-CASTニュース 8月19日)

>18日夜、佐野氏の事務所「MR_DESIGN」の広報担当者はJ-CASTニュースの取材に応じ、ネット上で指摘されているメールアドレスで佐野氏がアカウント登録をしていたことは事実だと認めた。アカウントを取得したのは2014年11月13日。佐野氏個人が使用するために登録したそうだ。

>ただ、日常的に利用していたわけではないという。

>「(佐野氏が)自分の作品であるTAMABIの広告シリーズを画像検索する目的で、アカウントを開設しましたので、それ以外の目的のためにピンタレストを使用したことはありません」

>なお、会見での「見ていない」という発言については、

>「会見でピンタレストのことをご質問いただきました際は、エンブレムについての会見でしたので、エンブレムを作る際には、ピンタレストを見たということはないという意味で『見ていない』と回答させていただきました」と説明した。

> 実は広報担当者の言うとおり、佐野氏は会見で「ピンタレストを見たことがない」と主張していたわけではなかった。会見の動画を確認すると、記者は「見たことがあるか」とは聞いてはおらず「ピンタレストというサイトを今回見たかどうか改めてお聞かせください」と質問している。

>これに佐野氏は「見ておりません」と答え、続けて「今回は今までの自分の経験を全部つぎ込んでやりたいと思い、何日も徹夜して作った。もちろん、そういうものを参考にすることはありません」と話していた。

>つまりこのやりとりでは「五輪エンブレムを作るにあたりピンタレストを見た事実はない」と説明しているに過ぎず、「ピンタレストを見たことがない」という話は、スポニチ記事が招いた誤解だった可能性が強い。



さて、果たして真実は・・・。

しかし、それにしても「サントリービールのトートバッグ以外は、何一つ問題はない」とするのもおかしなもので、嫌疑を認めて撤去したことにおいて、まずサントリービールに対して失礼極まりない行ないをしたということである。そして、もとよりサントリーの仕事は「手抜き」だったと告白したというわけで、これだけでもう既に由々しき問題ではないだろうか。更に、サントリー以外には問い合わせも苦情も受けてないから良しとする理屈もまた頷けるものではない。

「サントリー:賞品トート取り下げ「お客様の安心が一番」」(毎日新聞 8月19日)

>サントリーホールディングスの新浪剛史社長は19日、2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムを制作したアートディレクター、佐野研二郎氏の事務所がデザインした同社のキャンペーン賞品の一部を取り下げた判断について「皆様にご迷惑をおかけしていますが、お客様に安心してキャンペーンに参加していただくことが一番重要」と説明した。東京都内で、新国立競技場の整備計画作成に向けた遠藤利明・五輪担当相との意見交換会に出席後、報道陣の取材に応じた。

「安心」とはまた含みのある妙な言い回しだが、サントリーも核心は語らず、空々しく社交辞令的にかわしただけだ。

Tシャツの件に関しては、当初、「誤報では?」という情報も無いことはなかった。
確かにエンブレムについては、佐野氏の一存でどうこうできるものでもないだろう。
また、「Pinterest(ピンタレスト)」については、「ものは言いよう」という気がしないでもない。
いずれにせよ、憶測が憶測を呼び、この先またあらぬ方向に話が飛躍しないとも限らない。火の無いところに煙は立たずと言うが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な情報の独り歩きには改めて注意したいところだろうか。一旦整理することも必要だ。

 * * * * *

一方、ベルギーの劇場とデザイナーから訴えを起こされたことに対し、「我々の詳細な説明に耳を傾けようともせず、提訴の道を選んだ。このような態度は公共団体の振る舞いとしては受け入れがたい」と“逆切れ”したオリンピック委員会だが、毎日新聞の記事によると、国際オリンピック委員会(IOC)は17日、「訴訟が始まる前なので、現時点ではコメントのしようがない」との声明を明らかにしたとのこと。

また一方、一昨日の拙記事で、「東京五輪エンブレム:スポンサーは早期決着要望」(沖縄タイムス/共同通信 8月15日)の記事を受け、私は、

>スタートしてしまった以上、そのように段取りを組み、既に決して少なくはないだろう金銭も発生してしまっている。
今更変更してほしくないのはスポンサーの本音だ。もうエンブレムのデザインの良し悪しなどは関係がない。そこにあるのは「決まったことはやる」という姿勢だけである。


と書いた。

そこで次の記事。
「パナソニックなど東京五輪パートナー企業が次々に佐野氏デザインのエンブレムを自社サイトから撤去」(ネタとぴ 8月19日)

>オリンピックのパートナーと呼ばれるスポンサー企業が次々に佐野研二郎さんデザインの公式エンブレムをホームページから撤去し別デザインに差し替えています。

>佐野研二郎さんデザインの公式エンブレムを外して別デザインに差し替えたスポンサー企業は、ワールドワイドオリンピックパートナーのパナソニックはじめ、東京2020ゴールドパートナーのエネオス、東京海上日動、パナソニック、ブリジストン、みずほ銀行など。

>公式スポンサーでも、オリンピックのエンブレムやマークをまだ使用していない企業も多く、8月19日現在、佐野研二郎さんデザインのエンブレムをサイトに掲示しているパートナー企業はNTTと三井不動産のみとなっています。

>東京オリンピックの大会組織委員会はエンブレムを変更するつもりはないようですが、公式パートナーも外さざるを得ないと判断するエンブレムに、エンブレムとしての存在価値があるのか、という疑問の声も上がっています。



依然、三井不動産、NTT、日本航空(JAL)は「佐野エンブレム」をHP、CMなどで使い続けてはいるが、どうやらここに来てスポンサー企業は慎重な構えを見せるようになってきたようである。
世の動向を見、“傷が浅い内に”と考えるのは賢明で、かつ、「商売人」ならそう思って当然かもしれない。
実際に各社のHPを見れば、最早ほとんどそこに「佐野エンブレム」を見つけることはできない。オリンピックの方はJOC(日本オリンピック委員会)のロゴマークに、パラリンピックの方は日本の国旗に入れ替えられている。

NTTの例


ENEOSの例



一連の問題に一区切りつけるには、何はともあれ「東京五輪エンブレム」をまず白紙撤回すること。もうそれしか今の状況を収拾する道は残されていないだろう。




《関連記事》
「「EXPO'70」に見るロゴの変更事例」
「地に堕ちた有名デザイナー」
「今度は音楽・拡大する盗作疑惑」


※記事内でリンクしたサイト、貼り付けた動画は時間経過と共に削除、更新される場合があります。ご了承ください。

東京五輪:「EXPO'70」に見るロゴの変更事例

2015-08-18 23:22:28 | 東京五輪2020
(最終更新:8月19日 1:25)

「戦争法案」の国会審議が止まっている間、当ブログもどうしても佐野氏の方に話題が奪われがちである。(笑)

ベルギー側の提訴に“逆ギレ”して、頑なに佐野氏デザインの「五輪エンブレム」の保守に回るJOC(日本オリンピック委員会)だが、ここまで世論が高まる中、何故これほどに固執し、融通が利かないのか。
単純かつ明快な話し、それは中枢部の誰一人としてその責任を取りたがらないからである。
一方では、確固たる主導権を握り采配を揮(ふる)える人間が不在であるということが言える。結局のところそれぞれが保身に回り、それこそ既得権益やら利権やら、我が身大事さで波風を立てたくない腹がある。
エンブレムの変更責任は誰が取るのか。戦々恐々とし、ついては極度に及び腰だ。


今から45年前、大阪で万国博覧会が開かれたが、そのときのシンボルマーク。実は、間際で変更になった経緯がある。

「東京五輪エンブレムもまだ間に合う? 発表会見直前にひっくり返った大阪万博シンボルマーク」(ブログ「無職の分際で言いたい放題」)

半世紀前にあったシンボルマークを巡るドタバタ
>45年前の大阪万博のシンボルマーク決定には記者会見直前で決まっていたシンボルマークをボツにして再コンペするというドタバタがありました。

>今回の五輪エンブレム騒動の当初、佐野研二郎氏のデザインを擁護する形で「素人は黙ってろ」「デザイナーなら良さがわかるよ」的な評価をいくつか目にしました。こういう人達には石坂泰三氏の言葉を贈りたい。



《日本万国博覧会 シンボルマーク》
大阪万博の公式なシンボルマークは、日本の国花である桜をかたどったもので、デザインは大高猛。当初は西島伊三雄デザインの、鉄アレイ状の上に丸を描いた形で、東西世界の融合などを表しているとの説明だったが、シンボルマーク発表の記者会見の直前に万博協会会長の石坂泰三が「これでは日本が世界の上にあぐらをかいている」と激怒し、一蹴した(その日の会見は中止)。その後改めてデザインが行われ、桜をイメージしたマークとなった。「五つの花びらは五大州すなわち世界を、中央の丸は日本のシンボル日の丸を、周囲の白い部分は発展への余裕と伸びようとする意図を表している」と説明された。なお、日本館はこのシンボルマークを模って建設された。
Wikipediaより


左:当初のシンボルマーク 右:正式決定されたシンボルマーク

万博もまた国家規模の公共事業である。その、もう決まりかけていたシンボルマークを間際に思い切って変更したというのだ。
当時の石坂泰三万博協会会長はそれだけ主導権を発揮し、かつそれなりの気概があったということである。
まぁもっとも、当初のものは当時においてもそもそもが古めかしく(苦笑)、いずれ結果的に変更は大正解だ。


ことの顛末はこちらの記事に詳しい。
「大阪万博のあのシンボルマーク「桜」決定までのひと騒動「大阪万博1970 デザインプロジェクト」」(エキサイトレビュー 2015年4月29日)

>大阪万博のシンボルマークが決まるまでには、ひと騒動があったという。このときシンボルマークはグラフィックデザイナー15名と2団体を指名してのコンペで選定され、一旦は西島伊三雄のデザイン案に決定した。それは、上部に一つの円、下部には左右二つの円がくっついて配置されているというものだった。下の二つの円は、東西世界や対立する人間同士が手を取り合う様子を示し、そこから生まれる次世代の平和な世界を上部の円で表現したという。「人類の進歩と調和」という大阪万博のテーマを踏まえたものであり、また上部の円には、日本で開かれることの意義を示す日の丸という意味も込められていた。

>だが、これに日本万国博覧会協会の会長・石坂泰三から横槍が入る。石坂は東芝社長などを歴任し、さらに経団連会長を12年にわたって務め「財界総理」などと呼ばれた人物だ。石坂の言い分は「上の円が日の丸に見え、日本が威張っているとの批判を受けるかもしれない」「インテリだけがわかるようなものではだめで、大衆性がないといけない」というものだった。

>結局、石坂の強い反対から万博シンボルマークは再度コンペを行なって、あらためて決めることになった。このとき選ばれたのが、大高猛による桜の花をモチーフ(5つの花びらで五大陸を、中央の円で日の丸=日本を表現)とした例のマークだ。



このように、決してやってできないことではないのである。今、「東京五輪」において、それをやろうとする人間が居ないのが問題なのだ。
実に不甲斐なく、情けなく、まことに腹立たしい。

 * * * * *

さて、佐野研二郎氏は今日も引き続き新たな話題を提供してくれている。

佐野研二郎氏の妻 トートバッグ問題と五輪エンブレムは無関係と強調 東スポWeb 8月18日

東京五輪のエンブレムやサントリービールのキャンペーン用トートバッグのデザイン盗用疑惑の渦中にあるデザイナー・佐野研二郎氏(43)が18日、京都市内で講演会を行ったが、疑惑については口を閉ざした。

 出席者によると五輪エンブレムの審査委員を務めた永井一正氏らとの講演だったが、佐野氏は何も話すことはなかったという。

 また、佐野氏は無言だったが、代わりに妻の恵子氏が取材に対応した。

 サントリーのトートバッグでは30種類のうち8種類について第三者のデザインをトレースしたことを認め、取り下げた。しかし、この1件と五輪エンブレムの問題は無関係だと強調し、エンブレムを取り下げることは考えていないという。

 恵子氏は「佐野研二郎は応募した応募者であって、何ら自分で決定権がない。佐野研二郎が取り下げる立場なんですか? トートバッグとエンブレムの件と、どういうつながりがあるんですか?」と報道陣に逆質問。

 続けて「トートバッグの件については法的なことを待たずして取り下げた。それが誠意だと思って。それで『あなた、不祥事を起こしていますよね。エンブレムの資格あるんですか』と言われれば、それは結びつけ。トートバッグとエンブレム制作のプロセス上、何か関連があるんですか」とまくし立てた。

 さらに「普段の仕事で、佐野の確認なしに最終形として納品するということはないようにしてました。この件(トートバッグ)に関しては、それが漏れていた」とし、トートバッグ以外には問題がないことも明言。

「過去にさかのぼって調べるのは勇気のあること。ここで次、出てしまったら謝っても通用しない。大丈夫なものしか世に送り出していないという自負もあったが、こういうミス(トレース)が起きてしまった。もう出てくることはないと思います」と言い切った。

 また、同じく佐野氏がデザインした名古屋市の東山動植物園のシンボルマークが、中米コスタリカの国立博物館のマークに似ているとの指摘があった。

 恵子氏は「比較している、元の(デザインをした)方から『私のとあなたの似てますね』というような問い合わせはない。こちらとしても模倣したという認識は全くない」と“パクリ”ではないことを強調した。


旦那が旦那なら嫁も嫁? 昨今の事態も、佐野氏が置かれている状況も、よく呑み込めていないのか理解していないのか、まるで臆面の無い態度に、解って言っているのだとしたら猛々しいとしか言わざるを得ない。既にもう自棄になっているのだろうか。

相前後して、
「名古屋の東山動植物園マークも類似の指摘 佐野氏デザインで調査」(産経ニュース 8月18日)

>2020年東京五輪の公式エンブレム制作者、佐野研二郎氏(43)がデザインした東山動植物園(名古屋市)のシンボルマークが、中米コスタリカの国立博物館のマークに似ているとの指摘があり、同園がマークを提案した企業に事実関係の調査を依頼したことが18日、分かった。

>今月、植物の顔がコスタリカの国立博物館のマークと似ていると外部から指摘があった。博物館のマークは水色で、中心から広がった6本の線の先に小さな円が付き、全体が大きな円で囲まれている。回転させると同園の植物の顔にほぼ重なる。

>同園は両者が似ているかどうか判断できないとした上で「事実関係を早急に確認してもらいたい」としている。



左:コスタリカ国立博物館のロゴ 右:佐野氏デザインの東山動植物園ロゴ


上述、東スポの記事にもある通りだが、
「佐野研二郎氏「東山動植物園」ロゴマークの模倣否定」(スポーツ報知 8月18日)

>2020年東京五輪公式エンブレムの制作者佐野研二郎氏(43)がデザインした東山動植物園(名古屋市)のシンボルマークが、中米コスタリカの国立博物館のマークと類似していると指摘された問題で、佐野氏の事務所の広報担当者が18日、京都市内で共同通信などの取材に応じ、マークの模倣を否定した。


「広報担当者」とは佐野氏の奥さんのことだろう。
だが、口先で否定したところで、果たして真実はまだわからない。
で、一方で気になるのが、佐野氏出席による京都市内での講演会。
なるほど、ご本人、お元気そうで何よりではあるが(笑)、今、この渦中において何が行なわれたのか。

それがこれ。
「京都dddギャラリー」


↑クリックで拡大

■講演 1
日時:2015年8月18日(火) 14:00-16:00
出演:永井一正、木田安彦、山下裕二、佐野研二郎
会場:京都国立近代美術館 1F ホワイエ
   〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町
共催:京都国立近代美術館
入場無料、要予約、定員150名

世界最大規模の総合印刷会社である、大日本印刷㈱(DNP)主催によるものだ。
150人を前にして何の話をしたのか、あるいは何も喋らなかったのか、残念ながら私の手元にはまだその情報が無い。


そして今日更に、

「市が佐野氏デザインのロゴ調査 建設中の「おおたBITO」」(上毛新聞ニュース 8月18日)

>東武太田駅北口に建設中の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴについて、2020年東京五輪公式エンブレムをデザインした佐野研二郎氏が担当していたことから、市はロゴに模倣などの問題がないか調査する。ロゴはアルファベットの「BITO」を使ってデザインされており、模倣などの可能性は低いが、「念のため」に調査する。調査は外部の弁理士ら専門家に委託する…

太田市HP ⇒「おおたBITO 太田市美術館・図書館施設概要について」

そして、半日もしないうちに、
「【多摩美大の誇り】盗用教授・佐野研二郎がデザインした太田市美術館・図書館ロゴの盗用元が判明」(8月18日)


佐野研二郎デザイン


Logo for Dot Textile design firm
All works c Josh Divine 2013.


改めてNet民のその機動力に驚くが、これもちょっと言い逃れができないレベルだろうか。


やれやれ、さてさて、叩けばまだまだ埃が出る状態ということか。まったく留まるところを知らない。
それにしても、予め決まっていたこととは言え、先の京都の講演会でしゃあしゃあと出てくるあたり、些かその神経を疑わざるを得ないが、ならば堂々と会見を開くなり、本人の口からきちんと説明して、態度をはっきりと示してはどうだろう。
物事、放置するのが一番の悪化の原因になる。大人なら解りそうなものである。

さて、一体いつがピリオドなのか。この調子なら、収まるどころか、すったもんだはこの先もまだまだ続きそうだ。




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