王様の耳はロバの耳

たったひとりの叫びでも、そのうち風にのって広がれば・・・

安保法案:支持率持ち直すも法案反対

2015-08-25 12:03:23 | 戦争法案
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昨日、内閣と安保法案に関するテレビ朝日の世論調査が発表になった。

「安保法案、6割超が「今国会こだわるな」 世論調査」(ANNニュース 8月24日)



>安保関連法案について、「今の国会にこだわらず、時間を掛けて審議すべきだ」と考える人が3分の2近くにまで増えたことがANNの世論調査で分かりました。

>調査は22日と23日の2日間、行われました。安保関連法案について、「反対」と答えた人は55%と前回の調査から横ばいで、「今の国会にこだわらず、時間を掛けて審議するべきだ」と答えた人は64%と前回より7ポイント増えました。また、安倍総理大臣が14日に発表した戦後70年談話については、「評価する」と答えた人と「評価しない」「分からない」などとした人がそれぞれ3割以上と意見が分かれました。一方、下落傾向が続いていた安倍内閣の支持率は42.4%と前回より6.3ポイント上昇しました。



ここでもまた内閣の支持率が持ち直した。先日の共同通信社、FNN(フジテレビ)の調査と同様の結果である。
だが、これだけ横暴を重ね、なお国会で追及されているのにも関わらず、不支持率は頭打ちなのだろうか。
政党支持率でも、自民党が45%まで上がり、民主党が減らしている。



一方、「戦争法案」に関しては、
・説明不足:76% ・反対:55% ・違憲だと思う:52% ・時間をかけて審議すべき:64%
と、法案反対は概ね半数から2/3に及んでいる。



調査詳細 ⇒「報道STATION・ANN世論調査」


次いで、朝日新聞の調査も発表された。

「安倍談話、「評価」40% 朝日新聞世論調査」(朝日新聞 8月25日)

>朝日新聞社が22、23日に実施した全国世論調査(電話)によると、安倍晋三首相が発表した戦後70年談話を「評価する」は40%で、「評価しない」の31%を上回った。「その他・答えない」も29%に上り、判断がつかない人も多かったようだ。内閣支持率は38%(7月18、19日の緊急調査は37%)で横ばい、不支持率は41%(同46%)でやや下がった。

>戦後70年談話は、内閣支持層の70%、自民支持層の67%が「評価する」と答えたが、無党派層では27%、民主支持層は23%にとどまった。

>談話で、日本が先の大戦での行いに「痛切な反省と心からのおわび」を繰り返し表明してきたことに触れて、「歴代内閣の立場は、今後も揺るぎない」と表明したことについては、「適切だった」が54%に上り、「適切ではなかった」の20%を大きく上回った。


 * * * * *

安倍内閣、自民党支持率は流動的であるが、「戦争法案」反対の波は衰えを知らず、ますます活気を呈している。


毎日新聞より

「安保法案:黙っていたら採決される…全国64カ所一斉デモ」(毎日新聞 8月23日)

>参院で審議中の安全保障関連法案に反対している市民や学生らが23日、全国各地で一斉に抗議活動を行った。主催団体の一つで学生たちがつくる「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs=シールズ)によると、この日は東京都心や仙台、京都、福岡など全国64カ所で抗議が繰り広げられ、このうち20カ所以上ではシールズなど若者らの団体が関与。同法案への抗議活動としては過去最大規模という。

>都内では午後5時ごろから港区の青山公園に、学生や高校生を含む幅広い年代の約6500人(主催者発表)が集まり、デモ行進した。


8.23 東京:若者たちがデモや集会 安保法案反対訴え (NHK・毎日新聞)



「「SEALDs」6500人デモ 大人は指をくわえて見ている場合か」(日刊ゲンダイ 8月24日)

>「安倍はヤメロ!」――安保関連法案に反対する学生グループ「SEALDs」が呼びかけた「全国若者一斉行動」が23日、各地で行われた。

>デモや集会があったのは、北海道、仙台、京都、福岡、沖縄など全国64カ所。都心では、約6500人が港区・青山公園から表参道を経由し、渋谷に向かってデモ行進を行った。

>いまや、安保法案反対のデモや集会は完全に若者主導である。この日のデモ行進も若者が率先して先導し、「憲法守れ」「戦争反対」と音楽に合わせながら大声を張り上げた。“勝手知ったる”はずの「労働組合」のノボリはほとんど目につかず、中高年の参加者はまばら。常に若者に押されっぱなしで、学生たちと反対の声を競い合うような相乗効果は感じられない。ひたすら若者の叫び声だけが、夕暮れの繁華街にこだましているようにも見えた。

>「そろそろ、組合の組織力を発揮しなければいけません。例えば、安保反対の一斉ストライキを示唆するだけで、安倍政権には大きなプレッシャーになります。ただでさえ、今は中国の景気減速で株価が低調です。そこへ、ストの情報が流れれば、さらなる株価の押し下げ要因になりかねない。安倍政権の支持率は株価頼みです。決して無視することはできないでしょう」(高千穂大准教授の五野井郁夫氏)

>安保法案の国会審議は佳境に差し掛かりつつある。労組は若者だけに反対行動を任せてばかりでいいのか。今こそ、重い腰を上げ、安倍政権に大打撃を与える出番ではないか。



日刊ゲンダイより


すっかり若者デモの旗頭になった「SEALDs」であるが、右へ倣えと、東京都の教職員が立ち上がって「TOLDs」、40~50代を中心とした「MIDDLEs」、東京巣鴨の「OLDs」などが名乗りを上げている。
「一緒にやれば?」との声もあるが、例えば「SEALDs」の集会やデモには、もちろん年齢の垣根を超えて多数の人が集まる。いわゆる「メルクマール」として一方での住み分けであり、モチベーションを促す意味ではそれぞれが一役も二役も買っているということだ。

「安保法案:私たち教員「TOLDs」も反対です…声明発表」(毎日新聞 8月20日)

>参院で審議されている安全保障関連法案を巡り、東京都内の現役教職員らでつくるグループ「TOLDs(トールズ)」のメンバーが20日、都庁で記者会見し、「法案を日本国憲法の精神から認めません」とする反対声明を発表した。法案が7月に衆院で強行採決されたことなどを批判し、過去の戦争を学ぶことなどを通じて「これからも教室に平和の種を蒔(ま)いていく」と決意表明している。

>グループ名は「東京のリベラルでデモクラティックな先生たち」を意味し、国会周辺で同法案への抗議行動を続ける学生団体「SEALDs(シールズ)」に共鳴して名付けたという。3人の都立高教諭が呼びかけ人となって今月13日からブログ(www.tolds20150815.blogspot.jp)で賛同者を募り、19日現在で全国の教員や元教員ら571人が賛同している。

>呼びかけ人の一人、都立野津田高校の岡田明教諭(53)は「いてもたってもいられなくて、何か声をあげようと動き出した」と話した。



「安保法案:中高年も黙ってない 「ミドルズ」結成」(毎日新聞 8月22日)

>全国の40〜50代の「中年」を中心にした男女が、安全保障関連法案に反対する団体「MIDDLEs(ミドルズ)」を結成し、22日に国会前で初めての抗議集会を開いた。 

>学生団体「SEALDs(シールズ)」が法案への抗議行動を続ける中、「親世代も黙っていられない」と千葉県野田市の行政書士、岩脇宜広さん(56)らがインターネット上で呼びかけ、賛同した20人をメンバーに、7月に活動を始めた。

>これまで「法案が可決されれば二度と平和国家に戻れない」との声明を発表するなど、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で活動の輪を広げた。初集会には同世代の大学教授らも招き、呼びかけで集まった約300人(主催者発表)が「戦争反対」「集団的自衛権いらない」と声を上げた。

>メンバーで兵庫県尼崎市の会社員、森村さやかさん(55)は「仕事や家庭があって意見を言いにくい世代だからこそ、動き出せば大きな力になる」と意気込みを示した。



毎日新聞より


そんな中、「産経新聞」がSEALsのメンバーを名指しする記事を上げた。
表立ってSEALsやメンバーをあからさまに批判する内容ではないが、見ようによっては辛辣な揶揄とも取れ、あるいは痛罵を暗に咎めるものとなっている。

「首相に「バカか、お前は」 連合主催集会でシールズメンバー 安保法案反対の具体論語らず 「首相はクーデター」「病院に行って辞めた方がいい」」(産経ニュース 8月23日)

>安全保障関連法案反対のデモ活動を行う学生団体「SEALDs(シールズ)」の中核メンバーである奥田愛基氏が23日、連合が主催した国会前の反安保関連法案集会に参加し、安倍晋三首相について「バカか、お前は」などと訴え、退陣を迫った。奥田氏は安保関連法案のどの部分が反対かは一切語らなかった一方、週刊誌や民主党議員らの発言を元にしたとみられる情報で「首相は早く病院に行って辞めた方がいい」「どうでもいいなら総理をやめろ」などと批判した。


彼らが「安倍はやめろ!」「ふざけんな!」と罵倒し連呼し、批判のシュプレヒコールを上げるのは今に始まったことではない。それを今わざわざ、敢えて公人ではない一般個人の名を挙げてこのような記事にするのは何故か。
つまり、政府側、法案の賛成・推進側にしてみれば、いよいよ彼らが目障りで疎ましいことこの上なく、憂鬱で小癪な存在となっているのにほかならないからだろう。なかんずく、脅威ですらあるはずだ。

記事では、「安保関連法案のどの部分が反対かは一切語らなかった」や、「約6分間のあいさつで、奥田氏から安保関連法案そのものに触れた発言はなかった。」、「安保関連法案のどの部分が憲法違反なのかについては最後まで一切語らなかった。」などと繰り返し、SEALDsの彼らがさも根拠なく批判しているかのように強く印象付けるあたり、賛成派やネトウヨを扇動するに及んで、格好の材料に仕立て上げたかったのだろう。
また、団体を攻撃するより個人を攻撃したほうが相手にとってダメージが大きいということも承知の上のことのようだ。まずは卑劣なやり方である。

もとより、仮に、奥田氏がスピーチで語らなかったとしても、彼らは「戦争法案」の何たるか、憲法や立憲主義の何たるかをわきまえた上で、ゆえに反対運動をしているのであって、そもそもそれが出発点なのだ。今更何をか言わんやである。
一場面を切り取って事実を曲げ、それが全てであるかのような報道は報道とは言わず、公平性を欠く偏向そのものである。

【#本当に止める】6分でわかる安保法制(SEALDs 2015.07.14)


 * * * * *

お話し変って、

「安倍首相、9月の訪中見送り 安保法案審議など考慮」(朝日新聞 8月24日)

>安倍晋三首相は、中国が9月3日に北京で行う「抗日戦争勝利70周年」の記念行事の前後に検討していた中国訪問を見送る意向を固めた。政権幹部が明らかにした。

>政権が今国会での成立を期す安全保障関連法案の参院審議が山場を迎えることなどを考慮し、判断したものと見られる。ただ、中国との関係強化は重視しており、今後の国際会議などの場を利用するなどして、引き続き首脳会談の開催を模索していく考えだ。

>中国は首相を、軍事パレードなど記念行事に招待していた。しかし日本政府は、記念行事への出席は国内の反発が予想されることから、その前後に訪中し、習近平国家主席との首脳会談を検討していた。



「安倍首相訪中見送り 官房長官が正式表明 「抗日でないものを望んでいた」」(産経ニュース 8月24日)

>菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、安倍晋三首相が9月上旬に検討していた中国訪問を見送ることに関し「訪中する予定はない」と正式に表明した。

>中国政府は来月3日の「抗日戦争勝利記念日」の行事に合わせて訪中を要請していたが、菅氏は3日を避けて訪中する意向もないことを明言した。

>訪中を見送った理由について、菅氏は「国会の状況を踏まえた」と述べた一方、「(首相は)抗日でないものを望んでいた」とも発言。「中国側からさまざまな説明を受けていたが、首相出席を前提にした調整は一切行っていない」と強調した。

>菅氏は今後の日中関係について、「引き続き国際会議などを利用し、首脳同士が率直に話し合う機会を設け、両国関係のさらなる発展に向けて取り組みたい」と述べ、関係改善に取り組む考えを示した。



案の定であるが、まぁ無理もないことだろう。
「国会の状況」だの何だの理由はともかく、あの『70年談話』で、どの面下げてというところだ。まして、安倍としては「抗日戦争勝利70周年」記念行事などにおめおめと出かけていく訳には行くまい。

それはともかく、ここに来て、安倍の体調が思わしくないのはどうやら噂だけではないようである。
それを押して、あくまでも「戦争法案」に固執し続けるその執念たるや、むしろ見上げたものである。


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【速報】

「韓国と北朝鮮が合意、軍事衝突は回避」(TBSニュース 8月25日 07:09)

>一触即発の緊張状態が続くなかで行われていた韓国と北朝鮮の会談は、午前1時前に合意し、軍事衝突という事態は回避されました。

>板門店(パンムンジョム)で、連日、夜を徹して行われていた南北の高官級の会談は、4日目に入った午前1時前に合意に達しました。

>「(北朝鮮は)地雷爆発で南側の軍人が負傷したことに、遺憾の意を表明した」(韓国 金寛鎮国家安全保障室長)

>発表された合意文書によりますと焦点だった地雷爆発事件について北朝鮮が遺憾の意を表明。前線に宣言していた「準戦時状態」を解除します。これに伴い、韓国側は拡声器で北朝鮮の体制批判をする宣伝放送を中止するというものです。ただ、地雷を仕掛けたのが、北朝鮮かどうかはあいまいなままで、それぞれのメンツを保つ玉虫色の決着といえそうです。



まずは話し合いが鉄則。元々同じ国の民族だ。何よりである。この先、更に一歩一歩だろう。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-08-25 18:41:30
安保法制反対派の人って、いてもたってもいられないとか、行動しなきゃと思って来たとか言うよね。とても頭悪そうな反応丸出しで、戦争法案と言うレッテル貼った野党などの宣伝に乗せられてますぅーって感じ。 
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