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東京五輪:今度は音楽・拡大する盗作疑惑

2015-08-13 19:16:42 | 東京五輪2020
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東京五輪のエンブレムデザインの盗作・盗用疑惑問題が世間を騒がせているが、それに端を発し、五輪エンブレムをデザインした佐野研二郎氏の、他の作品における、いわゆる「パクリ」問題が拡大を見せ、まさに今、Net上はその話題でたけなわである。

一方、その陰に隠れてあまり話題には上がってこないが、エンブレムに留まらず、ここ2~3日前から今度は「東京五輪エンブレム紹介テーマ曲」についての盗作・盗用疑惑が持ち上がってきている。

まずは以下の楽曲を聴き比べていただきたい。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 エンブレム紹介 (2分20秒版)


Jonathan Boulet - Youre A Animal(2010/12/07)



いかがだろうか。

上の「東京五輪エンブレム紹介テーマ曲」を作曲したのは五十嵐文武氏。
五十嵐氏はその名を「Eager Lush(イーガー・ラッシュ)」あるいはローマ字の「Fumitake Igarashi」として広告業界をはじめ、有名ミュージシャンと共に活躍するアメリカ在住のアーティストである。
「Eager Lush」(Wikipedia)
「Fumitake Igarashi」(ホームページ/作品集等)

五十嵐氏は、NTT、NEC、トヨタ、日産、コカコーラ、ソニー、イエローハット等のCM音楽を担当。彼のクライアントは、「博報堂」より、主に「電通」系である。
「株式会社電通」といえば、「博報堂」と双璧を成す日本最大の広告代理店だ。

下の楽曲「You're a Animal(あなたは動物)」はオーストラリア・シドニー出身のミュージシャン、ジョナサン・ボーレット氏(2010年時、21歳)によるもの。
ギルロイ・カソリック大学卒、スケート・ボードの達人?
(当該曲のYouTubeでの公開日は2010年となっているが、2012年に再リリース?)
「JONATHAN BOULET」(ディスクユニオン)


さて、ここでも少し腑に落ちないことが・・・。
当の五十嵐氏、アメーバブログでブログを書いていたのだが、8月3日に「2020東京オリンピックエンブレム紹介の音楽を担当させて頂きました。」という記事を上げ、その後記事は「アメンバー限定記事」となり、更にその後ブログを退会したようで、現在ブログのURLは残っていない。
※アメンバー限定記事:ブログの執筆者が登録許可認定した読者のみ閲覧できる記事。



アメブロ当該記事のキャッシュ


もっとも、音楽の世界での「盗用・盗作騒ぎ」は日常茶飯事のようにある。特にアレンジ云々言えば切りがなく、逆に、世の中似たようなものばかりである。
聞くところによれば、○音の内○音が一致すればとか、○小節が同じ音階であれば盗作と認定するというようなこともあるらしいのだが、果たしてこの場合はどうなのだろうか。
聴く限りでは、まぁ全体の印象はそっくりである。

《ソース》
「【速報】五輪エンブレム紹介動画にもパクリ疑惑 音楽が海外の曲と酷似」(アルファルファモザイク 8月10日)
「【パクリンピック】東京五輪エンブレム紹介テーマソングも”盗作”か【動画】」(気ままに備忘録 and TIPS 8月11日)


2020年の東京五輪。
新国立競技場の問題にはじまって、エンブレムの酷似問題、ついてのデザイナーの「パクリ疑惑」問題。そして音楽・・・と、どうにも暗澹たるものがある。最初からこれでは先が思い遣られ、実に幸先が悪い。

もっとも、オリンピックほどの大事業はもとより政治色が強く、更に近年、商業主義、プロ化に移行してからはまさに政治、企業共に利権の巣窟となっている。
国民の祭典、世界のスポーツの祭典とは名ばかりで、その裏で癒着、談合、出来レースは当たり前、大物政治家・大手建設業界・大手企業・大手広告業界はズブズブで、それぞれの思惑が蠢き、そもそもここに「健全」という言葉は存在しない。

だが、そうした中でも出来るだけ国民の意に沿った大会にしてもらいたいものだと、そう願うばかりである。

 * * * * *

余談だが、パクリ問題ついでにこれ。

China's 2022 Winter Olympics Official Song FULL 2015/08/04


Let It Go Chinese Mandarin Version 随它吧



上は2022年・中国冬季オリンピックのテーマ曲。
そしてご存知、ディズニー映画「アナと雪の女王」の挿入曲「Let It Go」。(敢えて中国語バージョンで)

中国のパクリは最早“お家芸”であり、今更誰も驚きはしないが、改めてこの“徹底ぶり”には呆れるというより、頭が下がる思いである。(笑)

 * * * * *

さて、東京五輪においても「いずこも同じ」としてしまうのか、せめて東京五輪はそれこそ『パクリンピック』の汚名を着せられぬよう、国の責任においてしっかりと管理・運営してほしいものだ。
それが出来ぬというなら、グダグダを続けるより、いっそのこと全て白紙撤回しオリンピックそのものを辞退したらどうだろう。そのほうが余程国民のためになると、そう思う。



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