日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

活動回顧録 2017 - 灼熱の八月

2018-02-20 22:49:02 | 旅日記
列島が梅雨入りする六月から、残暑厳しき八月まで活動を休止し、九月から再開するのが長年の習慣でした。しかし近年変化が起きています。甲子園の巡礼が定着しつつある中、前年山の日が制定された効果により、八月に二度の活動機会ができたからです。さらに一回北陸を旅して、前年に続き三度も活動するという結果でした。

・北陸信越縦断ツアー 2017(8/11-13 3日間)
北陸新幹線の開業を前に、足繁く現地に通った時期がありました。直前の一年だけでも何回足を運んだか分かりません。その北陸新幹線の開業後、北信越の交通体系が見るも無惨に分断されると、今度は一転して縁遠くなってしまいました。しかし、去年は俄に北陸詣でが復活しました。1月、2月の汽車旅に続き、山の日の三連休から富山を二回、福井を一回訪ね、さらに9月は新潟から日本海側を縦断しました。10月に訪ねた若狭も含めれば、実に七度も北陸を旅したわけです。
1月と2月についていえば、交通体系がさらに分断されるであろう数年後を見据えての汽車旅が目的です。山の日の三連休についていえば、三日で行き来するのに適度な距離であることが決め手でした。その後訪ねた福井についていえば、最後の力走を見せる北陸特急の記録が目的であり、富山についても地鉄電車の記録にキャンプという目的がありました。9月から10月にかけては、北海道か近畿へと南下、西進していく長旅の一部でした。
このように、何度も訪ねたのには相応の理由があり、単なる気まぐれではありませんでした。ただし、8月についていえば、上記の通り三日で行くには丁度よかったという事情が大きく、必ずしも積極的な理由まではありませんでした。山の日の新設により連休ができたことで、無為にやり過ごすのがもったいないという心理が働き、与えられた日数で行くならどこかと考えた結果、北陸が浮上してきたに過ぎません。
松本、高山、富山の順に訪ね歩いて、それぞれよさはあったのです。しかし、混み合うお盆の時期に行くべき必然性があったかといえば、そうとまでは言い切れないというのが率直なところではあります。そのように思うのは、飛び石の四連休だった前年と異なり、去年は暦通りの三連休だったせいでもあるのでしょう。四日以上の休みは年に何度もあるものではなく、価値もその分増すのに対し、三連休は土日に休みを一日足せば実現できます。ならば人出が少なく、気候もよい時期を選んだ方がよいというものでしょう。飛び石で四連休、五連休になる年については積極的に活用すべき一方、そうでなければ大人しくやり過ごすのも一案というのが、制定後の二夏を経験した上での結論です。

・灼熱の近畿を行く 2017(8/18-21 4日間)
甲子園の巡礼にかこつけて、去年も残暑厳しい西日本に足を運びました。ただし、元々そうしようと考えていたわけではありません。選抜の開催期間に巡礼したのも、選手権を見送らざるを得ない可能性を踏まえてのことでした。
見送りに傾いていたのは、去年の日程と暦がうまく噛み合わなかったからです。混雑必至の土日及び終盤戦を避け、月曜か金曜のいずれかを休んで観戦するという前提で考えると、最も好適なのが序盤の月曜であり、実際過去二回についてはそうしました。ところが、去年はその月曜に開会式が設定されてしまいました。しかも、その週の金曜と翌週の月曜はお盆に重なり、直後の金曜は最も混み合う準々決勝に重なるという日程でした。その結果、見送りもやむなしとの判断に一度は傾いたわけです。しかしいざ蓋を開けると、雨による中止で日程が二日遅れ、お盆明けの金曜に機会を得るという顛末でした。
今になって振り返ると、四日という日程以上に盛り沢山の活動でした。奈良、大阪、和歌山、京都、名古屋の五都市にまたがるはしご酒に加え、和歌山電鐵の面白さを再発見し、プレミアムカー導入初日の京阪電車を撮り、名古屋では「リニア・鉄道館」を訪ねるなど、いわゆる「鉄分」濃いめの活動でもありました。
そして何より甲子園です。四試合中二試合が延長戦という熱戦の中でも、とりわけ圧倒されたのが第3試合です。明豊が3点差をつけて迎えた9回表、2死から凡打で試合終了と誰もが思ったその瞬間、二塁手の手前で打球が大きく跳ねて走者が生還。さらに連打が飛び出して、神村学園が同点に追いついたのです。12回表には2死満塁からのスクイズという奇策が飛び出し、それが守りの乱れを誘って、塁上の走者が全員生還。奇蹟の大逆転かと思われたのも束の間、その裏に明豊が2死から4点奪って、逆転サヨナラ勝ちという結末でした。押し出し四球という幕切れからしても、明豊が奮起したというより、勝ちを焦った神村学園が浮き足立ったのかもしれません。わずかな凹み、小石で打球が跳ね、そこから劇画のような展開に一変したという点で、甲子園に棲む魔物とやらを目の当たりにしたような気分でした。

・豊穣の福井を行く(8/26-27 2日間)
同じ地域にありながら、一ヶ所だけ遠く感じる県がいくつかあります。東北なら秋田、四国なら高知、九州なら宮崎といったところが代表格です。北陸でいうなら福井がこれに相当します。それだけに、一泊二日で行くのはかなり覚悟が要ることでした。往路は木曽路を下っていったところで日が傾き、そこからひたすら走って九時過ぎに福井へ到着。現地での実質的な活動は、翌日の一日限りということになりました。八月にしては比較的過ごしやすい秋晴れに恵まれ、終日無駄なく使い切れたのは幸いでしたが、福井を九時過ぎに出発し、三時台の後半に帰着という復路の移動は、覚悟していたこととはいえ厳しいものがありました。
実質一日しかない現地での活動のために、往復千km以上も走るのは、効率面でもよろしくありません。それを承知で強行したのは、「2017年問題」の影響により休みのやり繰りが厳しかったという事情にもよります。そのような事情がなければ最低三日はかけたいところでした。休みを使う前提で、この週の福井と、翌週の富山に分かれた活動を一本化し、移動の負担を減らして滞在時間を延ばすというのが、今季描いている構想です。

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