日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 大那

2017-06-01 23:07:49 | 晩酌
新酒とひやおろしに比べれば、中途半端さが否めない春の酒ですが、昨季非常に秀逸だった品の一つに、新橋の朧酒店が特注した「大那」のRACINESがあります。今季も一般向けの小売りがあるとの話を聞きつけ、早速一本押さえました。
何が秀逸だったかといえば、樽酒を彷彿させる独特の含み香でした。ところが今季、その含み香は一切なくなり、「直汲み無濾過生原酒」の触れ込み通りの、豊かな旨味と酸が前面に押し出されました。もちろんこれはこれで悪くないものの、一癖ある味わいを期待していた自分にとっては、万人受けする路線に回帰したかのような今季の酒には、意表を突かれたというのが率直なところです。
印象が一変した理由として考えられるのは、そもそも設計が変わったということですが、時期の違いによるところもあるのかもしれません。初めて登場した昨年は、春先に予約を募って販売し、残った分を一般向けに小売りするという形だったため、こちらが手に入れたのは夏場に入ってからでした。その頃まで寝かせることで熟成が進み、特有の香りが立ってきたという可能性はあるでしょう。ただし、既に四合瓶を半分消費し、夏まで残りをとっておくのも現実的ではありません。真相のほどについては、販売元にそれとなくたずねてみようかと思っています。

★大那 純米吟醸 RACINES
菊の里酒造(栃木県大田原市)
原料米 那須産五百万石
精米歩合 55%
アルコール分 17度以上18度未満
東京都港区 朧酒店にて購入

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