日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2018(6)

2018-07-06 22:33:00 | 野球
北海道の地区代表が決まったところで今年の支部予選を振り返っておきましょう。各地区のチーム数と代表枠の数を調べ、地区別、あるいは南北両大会の格差を調べるという、単なる数字遊びではありますが、それだけでも意外な事実が浮かび上がってくるものです。今年も例外ではありませんでした。

今季最大の変化といえば、名寄と小樽の代表枠が減らされ、それぞれ十勝と札幌に回されたことです。これにより、チーム数と代表枠の比率は次のようになりました。

空知 14:2=7.00
旭川 19:4=4.75
名寄 9:1=9.00
北見 12:2=6.00
十勝 19:4=4.75
釧根 16:3=5.33
全体 89:16=5.56

函館 19:3=6.33
室蘭 20:3=6.67
札幌 57:9=6.33
小樽 10:1=10.00
全体 106:16=6.63

比較のため、前年の状況を示すと次の通りです。

釧根 16:3=5.33
名寄 8:2=4.00
旭川 23:4=5.75
空知 14:2=7.00
北見 13:2=6.50
十勝 20:3=6.67
平均 94:16=5.88

室蘭 22:3=7.33
函館 21:3=7.00
小樽 9:2=4.50
札幌 58:8=7.25
平均 110:16=6.88

元々2だった代表枠が一つ減るということは、単純に考えれば倍率が2倍になることを意味します。しかも、衰退の一途をたどっていた名寄と小樽で、今年に限りチーム数が増えるというまさかの事態が起こりました。これにより、両地区が一転して激戦区となったわけです。中でも北照を倒さなければ本大会に進めない小樽の過酷さが際立っています。どの地区もチーム数を減らす中、唯一奮闘してきた旭川で、一挙に4チーム減っているのも見逃しがたい事実です。

この結果から分かるのは、かねてから明らかだった支部予選制度の行き詰まりに加え、南北両大会の維持にも限界が見えてきたということです。一挙に逆転した名寄、小樽と他地区の格差もさることながら、20チームで3枠の室蘭に対し、それより少ないチーム数で4枠ある旭川、十勝の何が違うのかという素朴な疑問もあります。
そもそも、北海道が2代表制となったのは昭和30年代の半ば、つまり石炭産業の最も華やかなりし時代です。その後札幌への一極集中が加速していき、今や全道の人口の四割近くを占めるに至って、二大会に分割する理由は事実上失われたともいえます。長距離移動という北海道特有の問題についても、道路網が整備された今となっては、札幌と旭川で決定的な違いがあるようには思えません。
加えて、チーム数の激減により、道外の激戦区との格差が顕在化してきました。南北合わせたチーム数はついに200を切って195となり、186ある東西愛知、南北神奈川と比べてもほぼ変わりません。二大会に分割する理由は数の上でも失われているわけです。北北海道代表が今世紀に入ってから3勝しかしていないという事実も見逃せません。南北海道代表は4度の決勝進出と2度の制覇を果たしたものの、それを除けば2勝です。一都道府県につき一代表以上という現行制度を堅持するにしても、全国制覇を狙える強豪が競い合う神奈川、愛知、大阪が1代表のところ、北海道から2代表を選ぶのが公平なのかという疑問があります。

このような発想に基づき、全道を一大会に統合し、旭川と十勝の代表枠を一つ減らして名寄、小樽に再配分すると次のような結果になります。

空知 14:2=7.00
旭川 19:3=6.33
名寄 9:2=4.50
北見 12:2=6.00
十勝 19:3=6.33
釧根 16:3=5.33
函館 19:3=6.33
室蘭 20:3=6.67
札幌 57:9=6.33
小樽 10:2=5.00
全体 195:32=6.09

名寄と小樽の倍率が再び下がり、空知がやや高いという不公平は残るものの、少なくとも今季ほどの格差は生じず、南と北の格差も解消されます。代表枠を0.5に分割し「支部間プレーオフ」を導入すれば、格差は一層縮小されるでしょう。今は突飛もない話のように思えても、数年後には現実味を帯びていそうな気がします。

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