日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国四国縦断ツアー2013

2013-09-14 14:07:57 | 居酒屋
再びバスに揺られて京都駅に戻りました。鳥取行の列車が出るまでは小一時間、実質的な持ち時間は30分そこそこです。ならば「第一旭」に並ぶ双璧「新福菜館」のラーメンで中〆とするのが最も順当でしょう。しかし、京都駅前にはかねてから着目していた店がもう一軒ありました。時間が押すのを承知の上で、今回はその店の暖簾をくぐります。立ち寄るのは「飯田屋惣平」です。

駅のロータリーからスクランブル交差点を渡った反対側に建つ、周囲のオフィスビルと同化した建物の一階にある白のれんは、遠目には和菓子屋か何かのようにも見えます。しかし、店先の品書きからして朝から居酒屋使いのできる食事処といった気配を察し、いつかここで呑む機会をうかがっていた次第です。
店内は向かい合わせに六人掛けられるテーブルが五つ、赤く塗られた相席の大きなテーブルが一つ、あとはへの字に折れ曲がったカウンターという造りです。そのカウンターの上と壁面には経木が並び、雑然とした「たつみ」とは対照的な整然とした美しさがあります。
時間も限られる中、すぐに出てくることと関西らしさの二点を基準にして、小芋の含め煮とはもの天ぷらを注文。小芋にまぶしたおろしたての柚子皮の風味がよく、残った出汁まで飲み干したくなる上品な味付けは期待通りで、これならはもの天ぷらも推して知るべし。時間さえあれば、酒一本と肴一品を追加し、あとは丼物か麺類で〆めたいところでした。

唯一惜しかったのは、店内があまりに静かだったことです。一人静かに呑むのを宗とする人間でありながら、昼時を過ぎ先客の去った人気のない店内には、いささかの違和感を覚えます。どうやら適度な賑わいも酒場の楽しみのうちなのかもしれません。店の造りと肴にかけてはこちらが勝っても、酒場としての楽しみという点では「たつみ」に軍配を挙げたくなるのですから、人間とは勝手なものだと思います。
しかし、駅至近、店の造りもこざっぱりして気持ちよく、関西風の肴が揃ってどれも良心価格というのはありがたいものです。三条四条の呑み屋街まで往復する時間がないときには、ここで一杯引っかけてから「第一旭」か「新福菜館」のラーメンで締めくくるのがよさそうです。

飯田屋惣平
京都市下京区塩小路通烏丸東入ル東塩小路町717-3
075-371-7297
1000AM-2300PM(LO)

日出盛
小芋含煮
はも天ぷら

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