本日の晩酌 - 泉川

天邪鬼な性分故、希少品であればあるほどあえて素通りしたくなります。十四代など一度も呑んだことはなく、飛露喜についても近年では呑み屋で一杯いただければ十分という考えになってきました。かような主義に悖るものはありながら、つい手に取ってしまったのが泉川です。先日会津を訪ねたところ、異例ともいえる大量入荷に遭遇し、買えという思し召しと受け止めたのでした。
澱絡みにもかかわらず、全く沈殿しないのが独特です。香りは適度、味わいは槽口の新酒そのものであり、これは荒削りということでもあります。しかし、温めに燗をつけると角が取れて甘さが引き立ち、自分にとってはお誂え向きの塩梅となります。ひとまず二合いただいてから、残りを四合瓶に小分けしたため、それぞれ間を空けてから試してみてもよさそうです。

★泉川 純米吟醸ふな口本生
廣木酒造本店(福島県会津坂下町)
精米歩合 55%
アルコール分 16度
福島県会津坂下町 五ノ井酒店にて購入