日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

居酒屋聖地巡礼 2013二日目

2013-10-20 16:04:25 | 居酒屋
昼から呑める名酒場との出会いがあったとはいえ、やはり和歌山へ来たならここへ寄るしかありません。「千里十里」を一年ぶりに再訪します。

一直線に伸びたカウンターと、力強い筆致で書かれたおびただしい数の経木、それに日替わりの黒板という眺めは、毎度のことながら見るだに心躍るものがあります。一軒目で魚介に一切手を出さなかったのは、魚にかけてはここが一番だと分かっていたからです。
いの一番に注文した刺身は、鰹、鰺、ツバス、ホウボウ、赤イカの五種でした。つまを最小限に抑えながらも、わさびと生姜、それに柚子胡椒と魚卵で彩りを添えるのが当店流。そして何より、どれもぴかぴかに光っていて見るからに上物です。ツバスというのは初耳ながら、ハマチの一回り小さいものをこう呼ぶのだそうで、突き出しの鯛の子煮付けともども関西の食文化がありありと感じられます。

何度か通って気付くよさがあるのは、この店についても同様です。今回気付いたのは、店を差配する人々の顔ぶれがほとんど変わらず、しかもその大半が家族だということです。カウンターの一番手前に立つ帽子を被った人物がおそらく店主、その隣で包丁をさばくのが跡取りでしょう。前回主に接客してくれた中程の人物は女将、カウンターの奥手を立ち回るのが若女将で、残る二人は手伝いのおばちゃんといったところでしょうか。店主より細身の、しかし年配も顔つきもよく似た兄弟と思しき人物の姿がなく、こちらは遅い時間のお出ましとなるのでしょう。奥の座敷を含めればそこそこの大店にもかかわらず、家族中心で差配されているのが、創業昭和35年という老舗ならではです。

二軒目だけに、控えめにせざるを得ないのが惜しまれるものの、本日おすすめのワカサギと、ご当地名物の雀寿司がいただけたので特に不足はありません。次回は十分な腹ごなしをしてからこの店に乗り込みたいものです。

千里十里
和歌山市元寺町1-70
073-433-4480
平日 1630PM-2330PM
日曜 1500PM-2230PM
祝日除く月曜定休

さいかの里
突き出し(鯛の子煮付け)
五種盛り刺身
わかさぎ天ぷら
鯛雀ずし
いわし団子汁

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