日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新緑萌える東北へ 2019続編 - 蛇足

2019-05-18 18:36:23 | 東北
その後再び弘南線の電車を撮り、日没前の電車をもって切り上げました。最後の列車が走り去るのを見届けたとき、ついに終わったという実感がそこはかとなく押し寄せてきました。
ある程度覚悟していたこととはいえ、お世辞にも有終の美とは言い難い結末でした。雲はますます厚くなり、六時を過ぎたところで西日が雲に紛れて消えました。その後は曇り空同然となり、日が沈む様子は見届けられずに終わりました。先週末、あるいは昨日で終わりにすれば、まさしく有終の美を飾れたものを、なまじ引き延ばしたことの報いといってもよいでしょう。今日の前半まではよかったものの、最後の最後は蛇足だったと認めざるを得ません。
こうなると、もう一晩という考えも、俄に頭をもたげてくるところではあります。弘前までまっすぐ走れば30分です。暗い中を盛岡まで延々行くより、戻りたくなってくるのが人情というものでしょう。明日の予報は再び晴です。もう一晩滞在すれば、青空の下で別れを告げ、有終の美を飾れるかもしれません。しかし、仮にそうしたところできりがありません。明日また昼頃まで電車を撮り、それから挨拶などとと称してあちらこちらへ寄った後、ようやく出るということになれば、元の木阿弥だからです。
そのような心境に達したのは、春から初夏にかけての津軽を、心ゆくまで満喫できたという実感があるからに他なりません。最後の最後こそ画竜点睛を欠いたものの、直前まではあながち悪くなかったという事情もあります。高架橋の手前の田圃に、今日から薄く水が張られ、鈍い夕日がそれに映って、昨日とは全く違う眺めでした。あの光景を見届けられただけでも、最後まで粘った甲斐はあったということです。少しばかりの心残りと、心からの充実感を胸に帰ります。
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