日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

無理な新橋かけないわ - 身知らず

2016-11-17 20:50:39 | 居酒屋
活動の本格化に伴い平日は呑み屋から足が遠のき、最後に呑んで帰ったのは二月以上も前のことです。今週末には九州への遠征も迫り、平日にまで呑み屋へ行く必然性を感じていないのが実情ではあります。ただしこの時期に行っておきたい店が一つだけありました。その「身知らず」を一年ぶりに再訪します。
常々申している通り、一人酒場で呑むという愉しみに目覚めたのは新橋へ通い始めてからであり、その新橋で初めて入ったこの店は、自身にとって原点というべき店の一つです。平日に呑んで帰るという習慣が廃れてからというもの、この店にも挨拶がてら年に一度訪ねるのがせいぜいとなりましたが、屋号の由来となった身知らず柿の季節には、決まって思い出すのがこの店です。

皮肉なことに、自分が遠ざかった頃から店が繁盛し始めて、今やTVや雑誌にもしばしば紹介される有名店となりました。今夜も会津出身らしき常連客が、二つあるテーブルをつなげて宴会に興じています。九時を過ぎると同じく会津出身の二人組が暖簾をくぐり、さらには宴会客の仲間が後から合流して、店内はカウンター、テーブルとも満席の大盛況。唯一のよそ者となった自分はカウンターの片隅で孤立状態です。
しかし、不思議なことに喧しさや肩身の狭さを感じることはありませんでした。常連客で賑わう店内こそ、この店本来の姿のような気がしたとでも申しましょうか。客が自分だけという昔日の店内を、懐かしく思うのもまた人情ではありますが、古くから知る店が繁盛店となったことを、むしろ喜びたいというのが偽らざる心境であります。

身知らず
東京都港区新橋4-11-6 植木ビル1F
03-5473-9540
1700PM-2300PM
土日祝日定休

会津中将二合
お通し(しらたき煮物)
会津馬刺しもも
棒鱈煮付
くじら汁

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