中国四国縦断ツアー 2012二日目

最後はお好み焼きで長い一日を締めくくります。広島といわれて何を連想するかは人それぞれながら、お好み焼きと答える人が少なからずいるのは想像に難くありません。よって往年の自分も、広島で呑むといえば第一にお好み焼きの店であり、居酒屋はあらかた腹が満ちた後で行く場所という位置づけでした。つまり、仙台における牛タン、居酒屋の関係と同じです。この関係が逆転したのは、お好み焼きは呑んだ後に行くものだと「なわない」の店長に教えられてからでした。実際のところ、ペース配分としてはお好み焼きを後にした方が理にかなっています。その土地ならではのものをあえて後回しにするという店では、広島の居酒屋とお好み焼き屋の関係は、博多の居酒屋と屋台の関係に似ています。
さて、無数にあるお好み焼き屋の中から本日選んだのは、新規開拓となる「八紘」です。当店のお好み焼きの特徴を、きわめて月並みな言葉で表現するなら、「スパイシーでクリスピー」ということになるでしょう。注文を受けてから茹で上げたそばを鉄板に薄く広げて、堅焼きそばかと思うほどカリッと焦げ目をつけ、それに胡椒をたっぷり振りかけるという焼き方が独特です。ソースは一塗りするだけで、そのまま食してもよし、物足りない向きには自らソースをかけてもよしという供し方になっています。そのままの状態では胡椒の風味が引き立ち、ソースをかけると旨味と辛味が増して、一粒で二度おいしいという仕掛けがなされているのは秀逸です。

★八紘
広島市中区薬研堀5-18 パールビル1F
082-242-4330
1730PM-100AM(LO)日曜定休
そば肉卵＋ネギかけ950円