日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

居酒屋聖地巡礼 2013二日目

2013-10-20 20:03:05 | 居酒屋
記念撮影などをするうちに、ただでさえ少ない持ち時間の少なからぬ割合を消費し、残り時間は正味30分となりました。通常ならば一軒限りに絞っても厳しい時間ながら、串カツで軽く一杯引っかけるには必要にして十分です。これが今回新世界を選んだ理由でもありました。

串カツなどどこへ行っても同じかというとさにあらず。まず、古参と新参の間には明確な違いがあります。ここで古参、新参というのは、店舗が古い、新しいということではなく、文字通りこの界隈で昔から営業してきたかどうかということです。
古くからの店というのは、店舗自体はこぎれいでも、本場の専門店にふさわしい年季を放っているものです。これに対して新参の店は、全国どこの繁華街へ行ってもありそうな、ごくありふれた店構えをしています。このように顕著な違いが出るのは、関東でいうなら浅草のホッピー通りにも似た特有の雰囲気が新世界にはあるからで、現代の画一的な店舗は明らかに浮いてしまうわけです。そうだとすれば、新世界では老舗を選ぶのが当然の成り行きというものでしょう。こうして選んだのは、通天閣の下で「串かつの本家」の看板を掲げる「近江屋本店」です。

老若男女が行列をなす「八重勝」「てんぐ」「だるま」の御三家を敬遠したというより、以前食した当店独特の串カツが忘れられなかったとでも申しましょうか。その独特さは、細かいパン粉で作った衣の食感に尽きます。細かいパン粉といえば福井のカツ丼ですが、からりと揚がった福井の薄い衣と違い、小麦粉をたっぷり使った厚い衣は、もちもちした食感を特徴とします。端的にいうなら、アメリカンドッグのようなものだと思ってもらえばよいでしょう。
今回五年ぶりに食すると、衣は当時の印象よりも厚くもっちりしたものに感じられ、何よりソースが甘く、具材というよりソースの甘さと衣の食感を味わっているかのようです。万人受けする「八重勝」に対し、賛否両論分かれそうな味です。しかし、今回は新世界特有の雰囲気を楽しむのが目的なのですから、むしろこの方がよいのです。きれいに磨かれた清潔な店内も、どて焼きすら置かない串カツ一筋の潔さもよく、最後を飾るにふさわしい一軒でした。

近江屋本店
大阪市浪速区恵美須東2-3-18
06-6641-7412
1200PM-2030PM(LO)木曜定休

生ビール×2
串揚げ盛り合わせ

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