日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

反撃の狼煙

2021-05-27 20:47:14 | 旅日記
一連の騒動が表面化した頃は、疑心暗鬼になった人々が責任を擦り合う様子に心底辟易させられました。あれから一年、お門違いな政策は見直されるどころか卑劣さを増しています。しかし、人々は良識を取り戻しつつあるようです。いわれのない攻撃に晒され続けた飲食業の立場から、反撃の狼煙がついに上がりました。
風の便りに聞いたのが、「獺祭」の蔵元による意見広告が全国紙に掲載されたという話です。この意見がいたく感服させられるものでした。名だたる論客らの発言を引用しつつ、飲食業を地域経済の担い手と位置付け、その存立基盤を危うくしている無理無体な政策を批判するのがおおよその趣旨です。無闇に批判をするのではなく、客観的な事実に基づき理路整然と提言をする論調からも、蔵元の意思を尊重しつつ、有識者の意見も踏まえて慎重に練り上げられた過程がありあり窺われました。
お門違いな政策が一段と卑劣さを増すに至って思うのは、もはや感染防止策などではなく、弱い者いじめと化していることです。騒動の根源にある「古い生活様式」を死守したい勢力が、矛先を飲食店に向けさせて、国民が加担せざるを得なくなるように仕向けているということもできます。庇った者まで標的にされかねない風潮も顧みず、一石を投じた英断に対しては、敬服するほかありません。
飲食店を守ることも日本の「いのち」を守ること、という表題は、まさに至言と思います。命命と喚く連中ほど、自分の命が何に支えられているのかを全く分かっていないからです。自分自身の健康体は、日頃飲み食いするものによって構成され、それは取りも直さず食材から命をいただくことでもあります。自然の恵みに対する感謝を蔑ろにして、「命」のためなら食材をいくら廃棄しようとも構わないとでも言わんばかりの政策は、たとえ感染防止のためであっても言語道断です。志ある人々による提言が、潮流を変える契機となることを願ってやみません。
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