日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2021番外編 - 油川温泉

2021-05-02 18:46:01 | 温泉
国道7号線に入るや眩しい西日が射してきました。いつの間にやら上空が晴れていたのです。低い空には依然として分厚い雲が立ち込めており、岩木山は裾野を残して雲の中です。弘前を後にするとき、いつまでも見送るように佇んでいる岩木山が視界に入ると、津軽への名残惜しさがなおさら募ってきます。その再現はならない代わりに、夕日がこちらを見送っているかのようでした。そのまま下って峠を越えるという経過です。本日も投宿の前に一風呂浴びていきます。立ち寄るのは油川温泉です。
弘前方面から向かう場合、昨日走った県道に7号線から分岐して野木和公園を素通りし、海岸までそのまま走った地点にあります。昨日訪ねた喜龍温泉を、銭湯風と評しましたが、こちらは油川の市街にある紛うかたなき銭湯です。国道の旧道沿いに佇む看板建築は一見すると安普請ながら、木製の下駄箱を含めかなりの年代物でしょう。磨りガラスの引き戸を潜るとまず前室があり、左右に分かれた入口から脱衣場に入るという玄関の造りは、岩見沢の五月湯を彷彿とさせる一方で、突き当たりの壁際に浴槽を置いた造りは関東風です。ただし天井は蒲鉾型で、脱衣場と浴場の要所に細かいタイルが使われるなど、小洒落た設えが印象に残ります。コンビーフの缶詰を丸い盆に乗せ、そのまま裏返したような形の番台が独特です。
仕切り壁から滝のように流れ落ちる源泉は平凡ながら、銭湯の真髄はお湯よりも雰囲気、あるいは生活臭を味わうことにあるというのが持論です。雰囲気に関する限り、道中で訪ねたどの温泉にも引けを取らない一軒でした。

★油川温泉
青森市油川大浜102
017-788-3008
1300PM-2100PM(日曜 1200PM- )
入浴料400円
泉質 単純温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)
泉温 25.2度
pH 8.34
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