日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

明かり煌めく仙台へ - 栄屋本店

2017-12-24 16:17:50 | B級グルメ
文翔館に思った以上の見応えがあり、結局四時前の列車には間に合いませんでした。歩いて駅へ戻っても、次の列車までには時間があります。この空き時間を埋めるのにお誂え向きの品がありました。かねて噂に聞いていた冷しラーメンです。月並みながら、元祖の栄屋本店を訪ねます。
予報に反して薄ら寒い一日、ここまで数分歩いただけでも身体の芯が冷えてきました。中華そば、さもなければ鳥中華で温まりたくなるのは人情ながら、それではこの店を訪ねた意義が半減します。初志を貫徹して注文したのは冷しラーメン810円也。運ばれてきた丼を一目見て思ったのは、同じく山形を発祥とする肉そばとの共通性です。スープを一口すすってみて、その予感は確信に変わりました。肉そばのつゆに比べて甘しょっぱく、わずかに胡麻油の風味が漂うのがこちらの特徴といったところでしょうか。
このスープにしてもそうなのですが、老若男女を問わずに受け入れられそうな、分かりやすくはっきりした味です。チャーシュー、メンマ、ネギ、蒲鉾に焼海苔を乗せるところは中華そばの典型ですが、そのチャーシューには歯ごたえがあり、なおかつスープと同様濃いめに味付けされていて、盛岡冷麺の元祖である食道園の味付け肉を彷彿とさせます。これは、冷たいものに味わいを感じさせるための工夫でしょう。胡瓜ともやしを使うところは、冷やし中華に着想を得たのでしょうか。中華そば、冷麺、冷やし中華のよいところを採り入れて、いずれとも異なる唯一無二の味わいに昇華されているのは、見事というほかありません。時折無性にいただきたくなる中毒性を持っていそうな一杯でした。

栄屋本店
山形市本町2-3-21
023-623-0766
1130AM-2000PM(10/1-翌年3/18 -1930PM)
水曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)

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