日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く - 秩父別駅

2015-09-24 12:56:46 | 北海道
再び留萌本線沿線を上ります。只今秩父別に着いたところです。
去年ここを訪ねたときは、日没間際で既に日が陰っており、一応押さえたという程度の画しか撮れませんでした。そして昨日も全く同じ展開に終わりました。しかし、峠下と並んで木造駅舎がそのまま残る数少ない駅の一つだけに、是非とも明るいうちに訪ねておきたかった次第です。峠下と同様北海道らしい木造駅舎で、なおかつ十分な引きがとれ、背後の樹木との対比もよく、絵になる駅舎だと改めて思います。
今回再訪して驚いたのは、駅舎の羽目板と腰板が張り替えられていたことです。それも樹脂製の安い建材などではなく、羽目板については無塗装の天然木です。屋根とホーム側の壁はそのままになっており、真新しい羽目板と風雪で痛んだ屋根との組み合わせは、一見すると釣り合いません。しかし、玄関脇とホームの柱は色とりどりの鉢植えで飾られ、昔からのものであろうホーム上のベンチもきれいに塗り直されていて、できる範囲で精一杯のことをしたのだろうと推察されます。
古びたものの味わいを求める趣味的な観点からすれば、ややくたびれていた改装前の方が本来ならばありがたいのです。しかし、沿線を三日かけて訪ね歩き、駅も車両も荒れ放題の状況を目の当たりにして、JR北海道の疲弊ぶりを痛感していただけに、一駅だけでもきれいに修復されたことが、むしろ喜ばしく思えてきました。先行き不透明な留萌本線ではありますが、面目を一新した駅舎が大切に使われて行くことを願って止みません。

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