日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

明かり煌めく仙台へ 2020 - 鳥玄

2020-12-28 17:35:18 | 居酒屋
先を急がず会津にとどまることにしたのは、慌ただしい移動を避けるためだと先ほど述べました。しかし、それだけなら戻ってくる必然性はなかったともいえます。米沢へ駒を進めておくのも一案だったからです。決め手の一つとなったのは、「籠太」の年内最終営業日に駆け込めることでした。それと並んで大きかったのが、久々に「鳥玄」へ行けるということです。「麦とろ」「籠太」と両立させつつ訪ねるには、少なくとも連泊するしかありません。それも、定休の日曜を避けてです。看板が非常に早いため、七時台には暖簾をくぐれるという条件も加わります。その条件がことごとく揃った今回、今しかできない方を選ぶという行動基準に照らし、連泊を決断したというのが真相です。
屋号の通り焼鳥の店です。郷土料理、季節料理が各種揃っているわけではなく、品書きはいつも変わりません。酒は栄川一本槍で、会津の地酒を楽しみたい向きにはおすすめしがたい一軒です。しかし、それらの点を補って余りある価値を当店は持っています。一言でいうなら庭園のような、隅々まで計算された美しさです。少なくとも店舗に限れば、デザイナーに丸投げしてもそれなりのものはできるでしょう。しかし、店の佇まいから店内の設え、調度、什器、酒器に食器、さらには店主の所作に至るまで、何もかもが感嘆するほど美しいのはここだけです。
先月会津を訪ねたとき、その所以の一端を知る出来事がありました。日曜の昼に店先を通りがかったところ、店主自ら樹木の手入れをしているところだったのです。店主自ら選び抜き、入念な手入れを続けているからこそ、この美しさが保たれているということでしょうか。この人あっての当店と、再認識した次第です。

鳥玄
会津若松市栄町4-46
0242-24-9663
1700PM-2100PM(売切御免)
日祝日定休

榮川二合
茄子漬け
かぶら漬け
酒粕
かしら
鳥もも
つくね
蒸し餃子
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