日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

離島で過ごすクリスマス 五日目

2011-12-27 11:40:59 | 九州
折尾駅に着きました。八幡の中心といえば、区役所や繁華街のあるお隣の黒崎駅かというとさにあらず。少なくとも駅としての格は折尾の方がはるかに上です。九州を貫く大動脈である鹿児島本線と、かつて石炭列車で栄えた筑豊本線が交わるこの駅は、門司や鳥栖に次ぐ九州屈指のジャンクションでもあります。築百年近い二階建ての風格ある木造駅舎に筑豊本線のホームが接して、カーブを描いた鹿児島本線のホームが立体交差で重なり、煉瓦アーチの通路がそれらを結ぶという構造は、全国のどこを探しても見当たらないこの駅特有のもので、心ゆくまで眺めるならば、一時間あっても足りません。駅舎はもとより駅全体の構造までが秀逸という点では、門司港、鳥栖と並ぶ九州の御三家といえるのがこの駅だと思います。
ただし、十年一日のごとく変わらぬ門司港と鳥栖に対して、こちらの先行きは不透明です。なんでも鹿児島本線と筑豊本線を高架にして同じ高さに据え付けるという壮大な構想があるらしく、仮に実現すれば、駅舎はもとよりこの唯一無二の駅の造りも全くの別物に変わり果ててしまうということになります。折からの不景気で頓挫気味なのが愛好者にとっては幸いとはいえ、今の姿を拝める機会はそう何度とないのかもしれません。この駅が跡形もなくなってしまうとはにわかに信じがたい話ですが…

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