日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

冬枯れの京都を行く - 小鍋屋いさきち

2015-12-13 01:31:38 | 居酒屋
教祖の新刊を紹介したとき、この中から一軒、二軒訪ねてみるのもよさそうだと申しました。中でもとりわけ注目していたのが「小鍋屋いさきち」です。これまでほとんど足を運んでこなかった、しかし今夜の宿には近い祇園にあって、小鍋で温まって締めくくれるばかりか、三時まで開いているという条件まで揃った以上、今回立ち寄らない手はありません。散々飲み食いしたはずが、つい欲張って四軒目に突入となりました。
場所は先斗町の裏路地並みに入り組んだ、人がどうにかすれ違える程度の狭い小路で、他の店がことごとく明かりを落とした中、この店の行灯だけが灯っていました。格子戸からのぞいた店内に先客の姿はなし。ただでさえ一見客には取り付きにくい小路の店に、先客もない深夜にいきなり飛び込むことにはいささか躊躇しながらも、意を決して暖簾をくぐると、店主が一人で営業していました。
店内はカウンター一本に小上がり二卓、小さな経木の品書きが、カウンターの正面の左右に並んでいます。主役の小鍋はもちろん一品料理も豊富で、これなら一軒目でも使えそうです。突き出しのおからは独特のフルーティーな味わいをしており、主役の小鍋も期待通り。やはり教祖の推す店に間違いはありません。
惜しむらくは、四軒はさすがに欲張り過ぎたか、酔いが相当回ってしまい、この店の本当のよさを理解するには程遠い状態だったことです。特段粗相を働いたつもりはないものの、素面の店主には見苦しかった可能性もあるでしょう。どうやらここは再訪する必要がありそうです。寒さが肌身に沁みる夜、もう一度訪ねてみたいと思う一軒でした。

小鍋屋いさきち
京都市東山区祇園花見小路新橋西入巽小路上ル
075-531-8803
1800PM-300AM

酒二合
突き出し
九条葱と鶏

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