日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

明かり煌めく仙台へ - おのちゃん

2017-12-24 20:07:03 | 居酒屋
時報の前に照明が一旦消え、再びつくというのがページェントのお約束です。八時のそれを眺めたところで切り上げました。早々と切り上げたのは、先ほど牛タンを四枚で済ませたことと関係しています。浮いた余力で「おのちゃん」に飛び込みました。

仙台からの帰り際に愛用してきたこの店が、日曜定休となったのは去年のことです。定禅寺通の欅並木を一望するカウンターは、ページェントの時期にはこの上ない特等席となるだけに、去年のページェントは真打ちを欠いたかのようでした。しかし、半ばあきらめつつも定禅寺通を歩いていると、二階にある店の明かりがついています。もしやと思い国分町通の入口を確かめると、果たして看板と品書きが出ていました。しめた、臨時営業かと喜び勇んだのも束の間、ここで寝耳に水の知らせが。店長の顔写真を掲げ、選挙のポスター風に仕立てた張り紙に、店長、助手が今月限りで系列店に異動するとの告知がなされていたのです。
通い始めて十年近く、その間一貫して世話になってきた店長の異動となると只事ではありません。ページェントに回す時間を切り詰めてでも、最後に顔を出すしかなかろうという状況になりました。しかし太助を出てからのぞいたところ、半分開いた扉越しに、先客であらかた埋まったカウンターが見えて一旦敬遠。八時を回ったところで覚悟を決めて飛び込むという、奇しくも昨夜と同じ展開の末、カウンターの中程に唯一残った空席に収まるという結果です。

店先の告知では、この店に十年在籍したとありました。自分が初めて訪ねたのはblogを開設した直後であり、店長の着任から退任までを、曲がりなりにも見届けてきたことになります。
昨日で一旦店じまいしたBETTAKOにしてもそうですが、同じ酒場も十年通うと様変わりします。この店の場合、助手は何度か代替わりし、品書きも初期と今では大きく異なり、途中で一度改装されるという出来事もありました。今回ついに店長も代わり、変わらないのは窓の外の欅並木だけです。最近組んでいた助手の姿が今日はなく、新顔の青年が代わりに入っていましたが、小野寺の名札からして、屋号の由来でもある創業者の跡取りなのでしょう。創業の地たる当店を、独り立ちした若主人に引き継ぎ、現店長は系列店の梃入れに回るといったところなのでしょうか。新店長に引き継がれるこの店が、どう変わるのかが楽しみではあります。
しかし何といっても、長年世話になった店長に感謝したいというのが第一です。日曜に開いていたのは聖夜だったからなのかもしれません。他の週なら交代することを知らずに、挨拶もできないまま終わっていた可能性が少なからずあります。この週に重なったのは結果として幸運だったといってよいでしょう。新天地での再会を約束して辞去しました。

居酒屋おのちゃん
仙台市青葉区国分町2-14-25 仙台リッチホテル2F
022-267-1909
1800PM-300AM
日祝日定休

七水・恵那山・田酒
お通し(蒸し鶏とくらげの和え物)
仙台セリ鍋

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