日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 鏡沼海浜公園

2016-09-29 17:42:10 | 北海道
秋の日は釣瓶落としという通り、この時期にもなると一日二分の割合で日の入りが早まっていきます。今日の夕日もたちまち沈み、天塩の町に着いたときには今にも夕日が沈もうとするところでした。このまま留萌方面の国道に入れば、しばらくは微妙に内陸側を走る線形となります。夕景を眺めるなら道道106号線に入るしかありません。そう判断して国道との交差点を通過し、海岸に突き当たったところで北に進路を変えると、今まさに水平線の彼方へ夕日が沈もうとしていました。もうここで止まるしかないという状況で海岸に出ると、そこがたまたま公園でした。その鏡沼海浜公園で日没を見届け、只今茜色に染まった空を眺めています。

最後まで雲が出ていた昨日から一転、今日は時間が経てば経つほど西の空が晴れて、ついには雲一つなくなりました。彼方には山頂まで一点の曇りもない利尻富士の影が浮かび、西の空はこれぞ北海道の真骨頂というべき鮮やかな夕焼けに染まっています。
こうなるとにわかに聞こえてくるのが、このまま道道を稚内まで走りたいという悪魔のささやきです。この夕焼けと利尻富士を眺めつつ走れる機会が、残りの人生で何度訪れるかと考えると、それをむざむざ見送るのはあまりに惜しいものがあります。彼方に連なる沿道の風車が、こちらへ走ってこいとでもいっているかのようです。
もっとも、雲こそ多かったとはいえ、昨日走って雰囲気だけは分かったという実感もあります。一昨日も暗い中とはいえ走っており、既に同じ道を一往復半しているわけです。さらにもう一往復して、明日以降の日程がますます詰まっていくよりも、この夕景を花道にして去るのが有終の美のようにも思われ、何とも決めがたいところではあります。こうして迷っているうちに暗くなれば、もはや稚内に戻る理由はなくなるわけです。戻るなら即決しなければなりません。それができなければ未練を残して去ることになります。結果やいかに…

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