日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く - 金華駅

2015-09-26 14:11:18 | 北海道
本日の真打、金華駅が満を持しての登場です。自身にとって初見ではないながらも、一昔前仲間との活動に便乗して訪ねたにすぎません。当時はデジタルカメラなどなく、フィルムカメラについても一世代前の機材でした。そのような事情もあり、廃止前最後の秋に是非とも再訪しておきたかった次第です。
蒸機時代に名を馳せた常紋越えの入口にあり、利用客の減少により間もなく廃止になろうとしている駅です。自身としても山奥の駅という印象を抱いていました。ところが、距離的には留辺蘂の市街から遠く離れているわけでもなく、市街が尽きてざっと3km少々走った程度の場所でした。駅周辺には廃屋が目立つものの、現に生活している家屋もあり、全くの無人だった峠下に比べれば、こちらの方がまだ生活臭は感じられます。白滝と違って列車本数が極端に少ないわけでもなく、これで本当に廃止なのかというのが率直なところです。しかし事実は事実なのですがorz
道中で木造駅舎を訪ねるたびに、「北海道らしい」という常套句を繰り返し用いてきました。それでは何が北海道らしいのかといえば、まず大げさな玄関、ファサード、庇などがあまりないという点が挙げられます。この駅も例外ではありません。そのようなもので駅舎を飾ると、除雪が面倒になるからなのでしょうか。厳しい冬を耐え抜くための知恵とでもいうべきものが、一見するとてらいのない木造駅舎に現れています。
寄り道がたたり、不十分な条件でどうにか押さえる程度に終わった昨日の白滝周辺に対し、今日はここまで時間を消費したことが結果として吉と出ました。駅舎を順光の状態で記録することができたからです。背後から三本突き出た樹木が色づいていたり、既に落葉していたりといった様子も、最後の秋を終えようとするこの時期の季節感をよく表しています。余すことなく記録できたのは幸いでした。

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