日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北陸縦断花見の旅 - あぐり

2018-04-01 22:47:31 | 居酒屋
「菊一」のおでんに思った以上の食べ応えがあり、五品であらかた腹が満ちました。茶飯で締めくくれば、昨夜に続き一軒限りにとどめることもできそうでした。しかし今夜はもう一軒という心情が勝りました。宿へと戻る道すがら、「あぐり」で長かった一日を締めくくります。

人嫌いの自分にしては珍しく、この店では接客の青年、お姉さんとの一期一会を綴ってきました。学生とは思えないほど軽妙で堂に入った客あしらいが心地よく、しかもそれぞれ個性があって、訪ねる度に何かが必ず起きるからです。もちろん今回も例外ではありません。
カウンターに立っていたのは金沢大の学生という細身の青年でした。聞けば、かつて主力となっていた美大生はいずれも去り、今では金沢大と美容系の専門学校が二大勢力なのだそうです。ただし、草創期を支えた美大生のことは、今なお語り草だと聞かされました。初めて訪ねたとき世話になった青年が、自身愛用している機材のメーカーに入り、同僚引き連れて宴会をしたという話も。先月再会したお姉さんにしてもそうですが、やはり皆只者ではなかったということでしょう。

一期一会のことばかり綴ってきましたが、本日の品書きは秀逸でした。春らしいものを組み合わせるところに一工夫があり、白海老と春菊のかき揚げ、ホタルイカとふきのとうの釜飯などの文字を眺めているだけでも楽しくなってきます。その中から選んだホタルイカと春キャベツの塩昆布和えは、茹でたホタルイカと春キャベツに塩昆布を添え、出汁を満たした一品でした。
それらに加えて目に付いたのはうるいと茗荷の文字です。昨晩「源左エ門」の品書きに水茄子があったのを見て、さすがに早すぎだろうと思いました。しかし、今日の汗ばむ陽気を考えれば、これらの品が出てきてもおかしくはありません。まだ雪が降る二月下旬の出発を振り返り、旅の長さをしみじみ実感する一幕です。

町屋ダイニング あぐり
金沢市長町1-6-11
076-255-0770
1700PM-2300PM(LO)
月曜定休

萬歳楽・宗玄
突き出し(春菊白和え)
ホタルイカと春キャベツの塩昆布和え

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