日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ(7)

2008-07-13 18:32:16 | 野球
始めた時はシリーズ化など思いもつかなかったこの企画も、気がつけば丸一週間分になってしまいました。今日の楽しみは「良地名にハァハァ」です。

私にとっての高校野球の楽しみとは、炎天下で泥だらけになって白球を追いかける球児たちのひたむきな姿や、それが織りなす汗と涙の人間ドラマ…などではなく、新聞に載るたった一行の試合結果だというのは、繰り返し申し上げている通りです。中でも自分が旅した土地の名前を見つけてその土地に思いを馳せるというのが、旅鴉にとっての楽しみの原点になります。そのような意味では、美しい響きの地名を紙面の片隅に見つけ出したときは、普段にもまして人知れぬ歓びを感じるものです。

そのような地名が多いのは、なんといっても京都です。昨日の試合結果にも、「舞鶴」、「嵯峨野」、「紫野」、「綾部」など、ゆかしき地名が続々と出てきます。
京都の地名の素晴らしいところは、響きだけでなく字面までもが秀逸なところです。なにしろ難読地名からして全く違います。出場校の中からピックアップしても、鴨沂(おうき)、乙訓(おとくに)、朱雀(すざく)、莵道(とどう)など、ただ読みにくいだけでなく字面にも響きにも由緒正しさが感じられます。京都の地名には、現代人がひねり出した新興住宅地の陳腐な名前など到底及びもつかないような先人の美意識が込められています。そんな地名を紙面の片隅に見つけてほくそ笑むのは、「伝統校にほくそ笑む」という楽しみにも相通ずる、ヲタ、もとい大人ならではの楽しみといえるのではないでしょうか。

夏の地方大会もこの土日で一つのピークを迎え、昨日は52大会445試合、今日は53大会472試合が戦われました。自分にとっては、様々なカードを見られる今が一番楽しい時期になります。
アイヌ語に漢字を当てた北海道の地名も、京都とは違った意味での趣があるものですが、既に地区代表が決定した今となっては、小さな町の名もなき高校は全て消え失せてしまいました。これから予選が進むにつれて、趣のある地名は次々と姿を消し、聞いたことのあるような校名ばかりで埋め尽くされることになるのでしょう。そうなると、私にとっての高校野球は甲子園を待たずして終幕を迎えることになります。

あなたも高校野球のもう一つの楽しみ方が分かってきた頃ですかね(ニヤリ)

★京都大会2回戦(7/12)
桃山8-4同志社
京都外大西8-1東舞鶴
洛陽工0-10京都学園
北稜5-1久御山
京都国際8-1南陽
嵯峨野7-8堀川
京都両陽2-4東山
紫野15-4京産大付
洛星6-5綾部

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