日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2016 - 下沼駅

2016-09-28 16:05:03 | 北海道
思ったほどには回復しない本日の天候ですが、要所で晴れてくれるのは助かります。西向きの下沼駅に着いたところで再び日が射してきました。
国道とは防雪林と線路を挟んだ反対側の立地も、ひび割れた塗装が痛々しい貨車駅舎もすっかり見慣れた光景となってきました。駅前には牧草地が広がっていて、農家が何軒か散らばってはいるものの、その農家の人々が利用することは基本的になさそうです。
このようにいうといわゆる秘境駅のようですが、駅舎の正面とホーム側、さらには駅名標の前に花壇があります。牧場、農家の多い土地柄にちなんで、駅舎の正面には牛の絵をあしらった扁額が掲げられ、さらにはカボチャの置物が鎮座。待合室には箒、ちりとり、ブラシにじょうろなど一通りの用具が整然と並んでおり、塵一つなく掃き清められているのはもちろんです。木製の長いベンチには手製の座布団が並べられて、中央には小学校のお下がりであろう小さな机があって、そこに駅ノートが置かれていました。背後には鉄道華やかなりし頃、利尻富士を背景にしてこの駅を俯瞰した写真の額が飾られ、さらには周辺の観光案内、青春18きっぷの古いポスターが掲げられ、季節外れのクリスマスの装飾もあります。一見忘れ去られたかのような駅が続く沿線ですが、どこへ行っても地元の人々により大切にされているのは喜ばしいことです。

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