日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

房総半島縦断ツアー 2013二日目

2013-10-27 17:47:39 | B級グルメ
駅一つ分だけ北上して竹岡にやって来ました。近年とみに噂の竹岡ラーメンをいただきます。

竹岡といえば、古くから無人化されて特急も止まらない、内房線の中でも有数の寂れた駅というのが自身の印象です。ところがこの竹岡が、今ではラーメンで知られていると聞きました。正確には、昔から当地で作られてきたラーメンが、今のご時世もあり口コミで広まったというのが実態のようです。
小耳に挟んだところによると、乾麺を使うことと、スープを作らずチャーシューのカエシだけで調味することの二点が特徴だそうです。このような調理法からして、伊那のローメンなどと同様、おいしさよりも物珍しさを楽しむものだろうというのが事前の見立てでした。そして、この予想はある程度まで的中し、あとはよい方向に裏切られました。

まず特筆すべきは見た目でしょう。それも、予想以上のおいしそうな見た目です。ただしそれは、正統派の中華そばが持つ美しさとは正反対の、いかにも食べ応えのありそうな無骨さとでもいうべきものです。龍をあしらった小ぶりなラーメン丼は正統派だとしても、その丼に濃い色のスープをあふれんばかりに満たし、見るからに味の濃そうな厚切りのバラチャーシューを五枚乗せてメンマを添えた盛り付けは、かなりの迫力に満ちています。普通のラーメンでこれなのですから、これでチャーシューメンの大盛など頼んだらどうなるのでしょうか。
乾麺は見事なまでに予想通りで、少なくとも味、食感、喉越しなどを楽しむものではありません。しかし、焦がした玉葱で風味をつけたスープは、本当にカエシしか使っていないのかと思うほど味わい深く、チャーシューも見た目通りに濃い味でやわらかく煮込まれてこれまた秀逸です。

加えて賞賛に値するのは、昨今のブームに踊らされることなく、古くから地元で愛されてきた店の雰囲気をそのまま残していることです。とかくこの手のご当地ものというと、ひとたび話題になるやいなや雨後の筍のごとくに類似店が乱立し、本家は本家でよそから来た一見客が列をなして、雰囲気が損なわれてしまうことが多いような気がします。しかしここでは目立った看板も幟もなく、角地に面した三角形の狭い敷地で細々と営まれており、ラーメンを基本に50円増の大盛、100円増のチャーシュー、刻んだ玉葱を使った50円の薬味以外は何もないという潔い品書きにも好感が持てます。
店内は小上がり二つと六人座れる相席のテーブル二つというささやかさで、大人数は二階の座敷に通されます。引きも切らずにお客が現れながらも、あからさまなよそ者がほとんどいないことからして、常連客に愛された正真正銘の人気店なのでしょう。決して広くはない厨房では、頭巾をかぶった四人のおばちゃんがきびきび動き、歯切れのいい接客も気持ちのよいものがあります。そんな雰囲気を含めて、人気のほども宜なるかな納得できる名店でした。

梅乃家
富津市竹岡401
0439-67-0920
1000AM-1900PM(売切御免)月一回不定休
ラーメン700円

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