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デパートで迷子★そのまま大人

毎日のいろんなこと。

HOTCAKE ROMANCE~プロローグ

2007-04-28 10:27:01 | 連載小説
(プロローグ)

これは小さな国の小さなお話で信じるも信じないもキミ次第なのです。

昔々、ヨーロッパの片隅にプーランという山に囲まれた小さな国がありました。
人口10万人にも満たない小さな国で周りの大きな国もその存在に気付いていませんでした。

もちろん存在が知られていない国なので外交はありませんが、
土壌が豊かで農作物に恵まれていました。

また、人口が少ないことや貧富の差があまりないこともあって、
犯罪のほとんどない平和な国でもありました。

このお話はプーランという国に住んでいる普通の男の子と女の子のお話なのです。

表紙と目次「HOTCAKE ROMANCE」

2007-04-27 04:39:56 | 連載小説


(プロローグ)
第1章「モーニングコーヒー」
第2章「Memory~青春の光」
第3章「Do it! Now」
第4章「恋のダンスサイト」
第5章「シャボン玉」
第6章「ここにいるぜぇ!」
第7章「THE マンパワー!!!」
第8章「Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~」
第9章「ふるさと」
(エピローグ)



「私はミルフィーユ」のあとがきにかえて

2007-03-15 06:24:31 | 連載小説
ちょいと短かったけど昨日で完結したお菓子小説第4弾「私はミルフィーユ」
最後まで読んでくれた人、ありがとうございます。

この「私はミルフィーユ」はどうでもいいんだけどもオチに悩みました。

最初考えたオチは主人公の浮気相手はミルフィーユは形が大事で崩れたり形が悪いのは食べる気がしないのに対して、
主人公の旦那は形がどうあれ味は変わらないのだから関係ないと思っていて、
主人公が浮気相手と別れた後に旦那が形の崩れたミルフィーユを食べている姿を見て泣くというオチ。

これでも良い気がするがなんとなくお菓子小説第3弾のオチと似ている気がしてやめた。

まぁそんなこんなで次回のお菓子小説第5弾のお題は「ホットケーキ」です。
(まだ全然どんな話にするか考えていないけど)

表紙と目次「私はミルフィーユ」

2007-03-14 07:11:31 | 連載小説


 (プロローグ~女は女で居続けたい!) 

 1章「女は用心深い!」 
 2章「女は演じる!」 
 3章「女は忙しいのだ!」 
 4章「女は甘いものが好きなのだ!」 
 5章「男はいつだってずるい!」 
 6章「女も疲れるのだ・・・・・」 

 (エピローグ~女も癒されたい!) 

私はミルフィーユ★エピローグ~女も癒されたい!

2007-03-14 07:05:04 | 連載小説
(エピローグ~女も癒されたい!)

いつもと変わらない朝。
前の日にどんな出来事があっても誰にも平等に朝はやってくる。

子供を幼稚園に送り出して、
私はソファに座りぼんやりとテレビを観ている。

<なんだか疲れてるなぁ・・・・・癒されたいなぁ・・・・・>

テレビの中では芸能人のどうでもいい恋愛を重大ニュースのように
老け顔のコメンテーターが伝えている。

私は視線を窓の外に向ける。

晴れている、雲一つない青空。

私は立ち上がって薄手のジャケットを着て外に出た。

柔らかい日差しが私を包む。

私はゆっくりと駅に向かって歩き出す。

隣町の駅ビルのケーキを買いに行こう。
雑誌か何かに載っていたやつ。

私はそのケーキを買って慎重に慎重に家に持って帰る様子を想像していた。

悩むのはその後だっていいはずだ。

私はミルフィーユ★6章-女も疲れるのだ・・・・・

2007-03-14 07:02:34 | 連載小説
6章「女も疲れるのだ・・・・・」

今日は疲れた。

子供を幼稚園に送り出して、サーターアンダギーを作って、彼と別れて、
夕食を作って、片づけをして・・・・・

さすがに今日は早く寝ることにした。

旦那はまだ一人で居間でビールを飲んでいるのだろうか?

疲れてはいるがなかなか寝付けない。

私は彼が好きで付き合ってたんじゃなくて、
私が女でいたいために付き合ってたんだろうか?

それはすごくむなしいことなんじゃないだろうか?

けど、女を失うことはもっとむなしいんじゃないだろうか?

そもそも女って何なんだろう?

私は何か間違っているのだろうか?

ちょっとだけ涙がこぼれそうになった。

私はミルフィーユ★5章-男はいつだってずるい!

2007-03-13 06:54:48 | 連載小説
5章「男はいつだってずるい!」

私と彼はカフェを出て、今ラブホテルにいる。

平日のこの時間だと広い部屋でも料金も安いので、
私はいつも一番広い部屋を選ぶ。

結局どんなに広い部屋でもどんなに内装が綺麗でも、
することは一緒なんだがやはり気分が大事だ。

それこそミルフィーユの何層にも折り重なってるパイ生地と同じで、
あれがたいして味に影響しているとは思えないが、
あるのとないのでは何かが違う。

私と彼はコトが終わり、
いつものように彼は煙草を吸い、
私はベットの上の方にある部屋の照明のリモコンをいじっている。

一つも窓がない不自然な部屋に灯りを点けたり消したり。

「ねぇ、早苗・・・」

彼が煙草を消して私に話しかける。

「なぁに?」

私はリモコンをベットの上に戻して彼の方を見た。

「なんつうか、言いにくいんだけど・・・・・」

「だから、なぁに?」

「もう別れないか?」

私は彼の思わぬ別れの言葉に驚くよりも、
なぜラブホテルでコトが終わってから言うのかということと、
なぜ疑問形で別れを言うのかということに腹を立てて黙ってしまった。

「うーん、実は好きな人ができて・・・・・」

私の怒りはピークに達した。

「わかったから、出てって!」

彼はまだ何か言いたそうだったが、
着替えて「ごめんね」と小さな声で言ってラブホテルの部屋を出て行った。

私の2年くらいの「女」でいる時間は終わった。
悲しさとか悔しさもないし、虚脱感もない。

ただ一つだけ強く思うこと、
男はいつだってずるい!

私はベットの中で彼の忘れていった煙草を吸っていた。

久しぶりに吸う煙草はやけに苦い。

私はミルフィーユ★4章-女は甘いものが好きなのだ!

2007-03-12 04:55:06 | 連載小説
4章「女は甘いものが好きなのだ!」

毎週火曜日に会う彼とはいつもどこかのカフェで待ち合わせて軽く食事を済ませ、
ホテルに行くというのがここ何年もの流れだ。

私が着くと彼はエスプレッソを飲みながら煙草を吸っていた。

「待った?」

「いいや、そうでもないよ」

私は彼と向かい側に座りメニューを手に取る。

「何にする?」

「いや、俺は今日お腹空いてないからコーヒーだけでいいや」

「じゃあ私はケーキセットにする」

彼と他愛もない会話をしている間にコーヒーとたくさんのケーキが運ばれてきた。
私は迷うことなく、たくさんのケーキの中からミルフィーユを選んだ。

「早苗はミルフィーユ好きだよなぁ」

「うん。形も綺麗だよね」

「確かにそうだけど、この繊細な形が崩れたらこれ食べる気がしないよなぁ」

「まぁそうかもね」

「そういえば知ってる?」

「え?」

「ミルフィーユって正確にはミルフイユって言うんだよ。ミルが『千』フイユが『葉っぱ』」

「ってことは『千枚の葉っぱ』ってこと?」

「うん。何層にも折り重なってるパイ生地を焼くと葉っぱが重なったようになるからなんだって」

「へぇ~、そうなんだ」

私は彼の話を聞きながらミルフィーユにフォークを刺して食べ始める。

「でもって、普通ミルフィーユって言うけど実は『一千人の娘』って意味らしいよ」

彼は煙草を何本も吸いながらミルフィーユについてのウンチクを語っている。
私は適当に相づちを打ちながらミルフィーユを食べる。

どうして男の人はこんなにウンチクが好きなのだろう?

私はミルフィーユの繊細な形を何度も確かめるように眺めながら、
ゆっくりとミルフィーユを食べている。

私は甘くて繊細な形のこのミルフィーユになりたい。

私はミルフィーユ★3章-女は忙しいのだ!

2007-03-11 17:05:02 | 連載小説
3章「女は忙しいのだ!」

私は子供を幼稚園に送り出してから帰り道に朝早くからやっているスーパーに寄って、
大急ぎでサーターアンダギーを作っている。

しかしながら上手くできた。
昔から私は何でも無難にこなす方だった。

出来上がったサーターアンダギーを見ていると、
華やかさがないところがなんだか旦那に似ているなぁと思う。

昔は違ったのにな。

私は急いで着替えて鏡の前に立ちバーバリーのフレグランスを多めにつける。
フレグランスを多めにつけるのは好きじゃないが何となく彼に生活臭を感じ取られそうで嫌なのだ。

彼は私が結婚していて子供が2人いるのも知っている。

それでも自分ではわからない生活臭を感じ取られるのが今でも怖い。

私は家の電話を自分の携帯電話に転送できるようにセットして家を出た。

今日は忙しいな。
というか女は忙しいのだ!

私はミルフィーユ★2章-女は演じる!

2007-03-10 07:44:10 | 連載小説
2章「女は演じる!」

地方への出張が多い旦那だが最近は毎日会社勤務だ。
1年に何回かこういう時期がある。

別に新婚でもないので「嬉しい」とかっていう感情はないが、
子供達にはやはり嬉しいことだろう。

私としては「彼」と毎週火曜日に会うことになっているので、
ちょっとやっかいだ。

そして、今日がその火曜日。

昨夜の話の流れでサーターアンダギーも作らなくてはならなくなってしまった。

ときどき思うのだが「演じる」ことに長けている分、
余計なことまでやらなくてはいけなくなるときが多い気がする。

昨夜もそうだ。

思い出してみる。

まず、旦那が仕事でサーターアンダギーを調べなきゃいけないということを聞いたときに、
私は「サーターアンダギー?NHKの朝ドラでやってたやつでしょ。」と言った。

もちろん私はNHKの朝の連ドラなんて観ていないが、
あれを観ていると言った方がちゃんと家にいる主婦らしくて良いだろうと思い言ってみただけだ。

そこまではまぁ良いだろう。その後だ。

「あれって家でも割と簡単に作れるはずだよ、明日作ってみようかなぁ」と私は言った。

料理も上手で好奇心旺盛な妻という役を演じすぎた。
しかも私は言った後に明日が火曜日だと気付いてしまったのだ。

別に旦那がそれを望んでいるわけではないのもわかるのだが、
生活に溶け込んだふりをするあまりに過度に演じすぎてしまう。