木炭譚 -Small is beautiful and useful-

環境文化の実践ブログです。大量生産大量消費大規模流通では得られない時間、空間、人間の3つの「間」を大切にした実践日記。

農地の土壌改良

2014-03-16 23:23:53 | 目で見る木炭
【保水性と排水性の改良】
3月16日 試料1と試料5は畑土100%、試料4はスギ炭100%です。また、試料の体積と気乾状態の重量測定から試料2は畑土55%+スギ炭45%、試料3は畑土65%+スギ炭35%でした(いづれも重量%)。以下に体積当たりの保水量と重量当たりの保水量をグラフに示します。

体積当たりの保水量はスギ炭45%の試料が0.59cc/ccで最も大きくなりました。畑土のみでは0.50cc/ccですので保水力がスギ炭を混合することで18%増加したことになります。また重量当たりの保水量はスギ炭100%の試料が5.18cc/gで畑土100%試料の0.48cc/gの10.8倍の保水力になっています。


3月3日 スギ炭のみの試料も重量の減少が止まりました。そろそろ今までのデータを整理します。


2月21日、2月14日 スギ炭のみの重量はまだ減りつつあります。2月7日 今しばらく測定を続けてからまとめます。1月29日 畑土のみの試料は気乾状態にほぼ達しているようですが、スギ炭とスギ炭を加えた試料はまだ重量が減っています。


今回の実験も最終段階に入ったようですので、各試料の容積を測定しました。方法は、各試料と同じ容器に目視で各試料と同量と思われる水を満たしてその重量を測定し、容器の重量を引くことで求めました。
試料1(畑土のみ1):475cc、試料2(畑土+スギ炭60g):505cc、試料3(畑土+スギ炭30g):515cc、試料4(スギ炭のみ):570cc、試料5(畑土のみ2):505cc。


1月22日、1月16日、1月8日 「畑土のみ」の2つの試料の重さの減りが鈍ってきています。


12月31日、12月25日 まだ総ての試料の重さが直線的に減っています。試料の色も乾いた色になってきていますので、そろそろ減り方が少なくなっていくと思います。

12月20日、12月14日、12月10日、12月6日、12月2日、11月28日、11月25日、11月22日、11月20日
保水量と保水時間の実験データを取り始めました。一日で約5gずつ試料重量が減っています。排水実験の試料5(畑土のみ)は8時現在135ccを排水しました。21日に排水が終わったので保水量実験のデータに加えます。

試料5の表面がヒビ割れてきました。排水実験の再現性を確認する実験の前も試料1は表面にヒビ割れが入っていたので、そこが水みちになり、排水性が良くなったと考えられます。試料3の2回目のデータも同様なのでこれら2試料の「排水性の改良」実験データは除外したうえで排水性の改良実験の最終データにします。まとめは「保水性の改良」実験が終わって畑土の気乾重量が判ったあとで行います。


11月17日
排水実験の結果です。排水量が1回目に比べて良くなった「畑土のみ(試料1その2)」は水がなくなった表面の状態を見ると縦に亀裂が入っていました。再現性の実験試料としては相応しくなかったようです。逆に、畑土の排水性を良くするために、スギ炭を均一に混ぜるよりも、深さ方向に作為的に柱状の水みちを形成するように施用するのが有効なのかな?とも思います。畑の耕運をした後に簡単に施用できるならですが。これからは保水量を測定するために気乾状態になるまでの重量測定を継続して実施します。


11月16日
1回目の実験結果と今回のデータを合わせてグラフにしました。縦軸は排水量(cc)、横軸は排水経過時間(hr)です。「畑土のみ」の排水性がスギ炭を施用したことで改良されていることが確認できました。



【再現性について】試料2の2回目の実験の前に試料上部に若干スギ炭が浮いてきていたので均一にするために撹拌しましたので1回目の実験と同じ条件です。また、畑土のみの試料1(その1)と試料5も同じ条件の試料です。これらはほぼ同じデータが得られたので再現性が確認されました。また、試料1:畑土のみ(その1)と試料3:畑土+スギ炭30gの試料については、1回目実験終了時のものをそのまま(その2)として使用しています。これらのデータはいずれも2回目のデータが排水性が良い結果になっています。この原因として排水実験を重ねるうちに、(1)何らかの「水みち」が形成されている、(2)細かい粒子が排水孔から流出した、可能性があると考えています。

保水性のデータを今日から取り始めます。ただひたすら試料の重量を数十日間計り続けます。排水のまだ終わっていない試料については、排水実験を始める前に測定した試料重量と試料の上部に溜まっている水の重量の合計値になります。(16日6:00値、正味重量)
試料1:910g(上部に水溜まりアリ)
試料2:670g(上部に水溜まりアリ)
試料3:690g
試料4:380g
試料5:865g(上部に水溜まりアリ)

11月15日
排水性改良の2回目の実験を10時から始めました。「畑土のみ」の試料を1検体増やしました。また、実験開始前の重量を測定しました。あわせて、2、4時間経過後の排水量(括弧内は前回値)を記します。
試料1:畑土のみ(従前の試料)⇒775g、0、5cc(0、5)
試料2:畑土+スギ炭60g(従前の試料)⇒680g、25、45cc(30、50)
試料3:畑土+スギ炭30g(従前の試料)⇒720g、50、90cc(40、65)
試料4:スギ炭のみ(従前の試料)⇒415g、225cc(225)
試料5:畑土のみ(新たな試料)⇒805g、0、0cc
 

11月13日
そろそろ排水が直線的ではなくなって、寝てきています。畑土の表面に水たまりが少しある程度の状態です。


11月12日
「畑土のみ」排水の経過報告です。スギ炭で土壌改良した畑土の排水性には遠く及びませんが、「カメの歩み」で排水を続けています。ガンバレ!ゴールは近い!あと少し。水は1日で5cc程度は蒸発(本ブログ「農地土壌の保水性」を参照してください。)しているはずですので200cc程度の排水量になって、試料の表面に溜まっている水がなくなったらデータ取りを終了します。その後、現在新たに準備している「畑土のみ」試料も含めてすべての試料で再現性の実験をして、その後、そのまま保水性のデータ取りに入る予定です。




11月10日
1回目の排水試験終了から32時間経ちました。「畑土のみ」の試料の排水量は実験開始から56時間で80ccです(写真の左端)。(11日18時現在84時間経過して125ccです。)別に再度の実験で14時間経過して「畑土+スギ炭30g」は175cc、「畑土+スギ炭60g」は200ccを排水しました。1回目実験の排水量の170cc、195ccとほぼ同じです。「畑土のみ」の再現性実験のための試料は水に浸して現在準備中です。


11月9日
1回目の排水実験が終わりました。引き続き再現性を確かめる実験を準備します。


11月8日
排水の実験を始めました。2時間ピッチでトータルの排水量を測定していきます。16時間、水を切った4種類の試料にそれぞれ225ccの水を注ぎました。「スギ炭のみ」の試料は数分で225ccの水を排水し終わりました。なお、各試料容量はいづれも560ccを目標に調整してあります。


2時間経過しました。「畑土のみ」の試料は5cc程度の排水量ですが、「畑土+30gスギ炭」は30cc、「畑土+60gスギ炭」では40ccを排水しました。


14時間が経過しました。ここまでのデータをグラフにしました。横軸は経過時間(hrs)縦軸は排水量(cc)です。スギ炭を入れた効果は歴然としているようです。スギ炭を入れた試料からの排水量が注水量の225ccに達したら、再現性を確認するために同じ実験をします。ただし、「畑土のみ」の試料が225ccを排水し終わるには3日間程度かかりそうなので、同じ畑土で別の試料の準備をしています。畑土にスギ炭を入れると、(1)畑土の粒子とスギ炭の粒子の間の僅かな空間を重力水が流れる?(2)スギ炭の内部に入りこんだ水が上部の水圧で下部に押し出されてくる?


11月6日
プレ実験の2回目です。試料は、従来のものに「畑土+スギ炭60g」を加えた4試料です。実験開始から4時間が経過した写真です。「保水性」の実験は50日程度かかりますが、「排水性」の実験も数日×数回が必要のようです。4時間経過時点でスギ炭を入れた効果は明確に顕われているようです。写真の左から、「畑土のみ」「畑土+30gスギ炭」「畑土+60gスギ炭」「スギ炭のみ」です。
実験開始10分後


実験開始4時間後


11月2日
実験手順を決めるための排水性能のプレ実験をしました。それぞれの試料に水を250cc注いで経過時間と排水量を調べました。容器の排水孔は目詰まりしているといけないので楊枝の先で孔を確保しました。結果は7時40分に注水して、スギ炭のみの試料は数分で200ccを排水しましたが、16時00分までの8時間20分の間に、スギ炭を30g入れた黒土は50cc、黒土のみの試料は25ccの排水量でした。スギ炭を入れたことによる排水性改良効果は認められたとはいえ、実験データーの数を確保するのは大変です。そこで急遽、スギ炭を倍の60g入れた試料(写真右端)の準備を始めました。本ブログ「農地土壌の排水性」での実験では、実際の畑土ではなく、園芸店で購入した黒土を試料にしていたので排水性能は高く、数十分のオーダーで排水できていたのですが、実際の畑土とは相当違っているようです。実験手順はさらにプレ実験をしてから決めます。


10月30日
実験の準備で試料を水に浸けて8日経ちます。写真の円筒状のガラス容器の水に浸したスギ炭の大部分は沈みましたが、まだ粒の大きいスギ炭は浮き袋も大きいので沈みません。まだまだデータ取りは始められません。


10月28日
試料の容量を調整しました。「畑土&スギ炭」の容量に「畑土のみ」「スギ炭のみ」の容量をあわせました。それぞれの容量は560ccです。それぞれの試料に水を浸みこませるために水に浸けていますが、一度水から上げて「畑土&スギ炭」の容量に他の2試料の量を加減しました。各試料は調整後にまた水浸けです。


  

各試料を入れた容器の底面は、写真のような孔が、各41個あいています。


10月25日
試料は、水に浸して放置しています。水田に施用する場合は、スギ炭は軽いので黒土と混ぜても分離して水面に浮いてしまうのではないか?という心配もありますが、大丈夫です。スギ炭の粒の内部まで水が浸みこめば浮くことはありません。写真の左側は、乾燥したスギ炭と黒土を混ぜ、水を加えてさらに撹拌した後の様子ですが、確かにスギ炭が水に浮いてきています。しかし、写真の右側は、湿ったスギ炭と黒土を混ぜましたのでスギ炭が水に浮くことはありません。水田の場合は田植えの前に代掻きをしますので、その時に施用すればスギ炭は水を吸って作土と分離することはありません。ちなみに、スギ炭の嵩比重は気乾状態で0.1程度ですが、理科年表によれば、木炭の真比重は1.4です。実験試料として黒土に混ぜたスギ炭は施用重量を明確にするために気乾状態のものです。写真の左側の水に浮いている乾いたスギ炭の中に水が浸みこんで水に沈んでからさらに1週間程度たってから実験を始めます。


10月22日
 木炭には、保水性と排水性の改良効果の他にも微生物生息環境の向上、酸性土壌の緩和、ミネラル成分の供給、地球温暖化防止効果などがあると言われています。今回は、木炭の中でも広葉樹炭に比べて一層ポーラスな、また、モミガラ炭が粉状なのに比べて粒状である「スギ炭」の保水性と排水性に関する土壌改良効果を簡単な実験で確認したいと思います。と言っても時間だけは2ケ月程度かかります。
 試料は3種類です。先ず、①畑土(クロボク土)、②スギ炭30g(気乾状態)を加えた畑土、③スギ炭です。それぞれの容積は約500ccです。また、畑土とスギ炭の重量は実験が終了した時点で気乾重量として測定するので、その時点で畑土重量の何%の重量のスギ炭を加えてかが判りますが、おおよそ畑土は400g、スギ炭は50g程度と予想しています。そうすると試料2は、気乾状態のスギ炭を30g施用していますので、重量で5~10%のスギ炭を土壌改良資材として施用したことになります。なお、土壌改良資材として畑土に加えたスギ炭は、このブログのなかの「農地土壌の保水性」の実験で使用したものです。50日をかけて気乾状態にしています。
 実験を始めるにあたり、各試料を水に浸して内部の空隙が充分に埋まるまで2週間程度写真の状態で放置します。写真は左から「畑土のみ」、「畑土+スギ炭」、「スギ炭のみ」です。スギ炭単独の試料はポーラスなので粒の中に水が浸みこむまでは粒が浮き袋になり、浮いています。それぞれの容器の底の部分には排水のための小さな孔があいています。





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