【「ガンディー獄中からの手紙」中島岳志、NHK100分de名著、2017.2.】
「パリ協定の温室効果ガス80%削減」に向けても示唆に富む主張が満載でした。「よいものはカタツムリのように進む」と題する章で著者は、「・・・アヒンサーとつながった倫理的経済というものが生まれてこなくてはならない。そのためにスワデーシーが重要なのだというのがガンディーの主張」としています。アヒンサーとは「愛」、スワデーシーとは「土地の製品を買うべきとの主張」のようです。「インドは綿花をイギリスに輸出しながら、それを加工した布製品を大量にイギリスから輸入していました。・・・この構造を変えるために、多くの独立運動家たちは「インドでも機械化を進め、イギリス製品に対抗できる高付加価値商品を大量生産できるようにしよう」つまり市場原理で「富の流出」に対抗しようというビジョンを描いたわけです。ところが、ガンディーはこれを否定します。そんなことをやって何になる、同じ市場経済の論理で動くのなら、インドがまたもう一つのイギリスになるだけではないか」。「スワデーシーの信奉者は注意深く自分をとりまく状況に目を配り、たとえ外国製品より品質が劣り、あるいは値段が高くとも、土地の製品を優先することで、できうるかぎり隣人たちを援助することになるでしょう」。さらに、スワデーシーにの根本にはもう一つ、村落社会に対する非常に強い評価と、都市社会に対する懐疑的な念があります。余剰をどんどんつくって欲望あを高めていくのではなく、必要なものを必要なだけ自分たちだけの手で生産する。そうした社会のありか方を、ガンディーは非常に重要だと考えていました。」
「パリ協定の温室効果ガス80%削減」に向けても示唆に富む主張が満載でした。「よいものはカタツムリのように進む」と題する章で著者は、「・・・アヒンサーとつながった倫理的経済というものが生まれてこなくてはならない。そのためにスワデーシーが重要なのだというのがガンディーの主張」としています。アヒンサーとは「愛」、スワデーシーとは「土地の製品を買うべきとの主張」のようです。「インドは綿花をイギリスに輸出しながら、それを加工した布製品を大量にイギリスから輸入していました。・・・この構造を変えるために、多くの独立運動家たちは「インドでも機械化を進め、イギリス製品に対抗できる高付加価値商品を大量生産できるようにしよう」つまり市場原理で「富の流出」に対抗しようというビジョンを描いたわけです。ところが、ガンディーはこれを否定します。そんなことをやって何になる、同じ市場経済の論理で動くのなら、インドがまたもう一つのイギリスになるだけではないか」。「スワデーシーの信奉者は注意深く自分をとりまく状況に目を配り、たとえ外国製品より品質が劣り、あるいは値段が高くとも、土地の製品を優先することで、できうるかぎり隣人たちを援助することになるでしょう」。さらに、スワデーシーにの根本にはもう一つ、村落社会に対する非常に強い評価と、都市社会に対する懐疑的な念があります。余剰をどんどんつくって欲望あを高めていくのではなく、必要なものを必要なだけ自分たちだけの手で生産する。そうした社会のありか方を、ガンディーは非常に重要だと考えていました。」