木炭譚 -Small is beautiful and useful-

環境文化の実践ブログです。大量生産大量消費大規模流通では得られない時間、空間、人間の3つの「間」を大切にした実践日記。

農地土壌の保水性

2013-10-13 09:18:15 | 目で見る木炭
10月13日
仮に現時点を気乾状態とすると容積300cc当たりの保水量は、川砂100cc、黒土175cc、広葉樹炭120cc、スギ炭150ccとなります。容積当たりでは空隙の部分も含まれますので重量当たりの保水量に換算すると、100g当たりの保水量は、川砂22g、黒土73g、広葉樹炭105g、スギ炭500gです。


気乾状態の300ccに水を100cc加えた試料を52日間、室内で自然乾燥させたデータから各試料の嵩比重を求めました。各試料300ccの気乾状態での重さは、川砂460g、黒土240g、広葉樹炭115g、スギ炭30gでした。嵩比重は、川砂1.53、黒土0.80、広葉樹炭0.38、すぎ炭0.10になります。


今後も、まだ気乾状態に達していない可能性もあり、また、外気の湿度などとの関連が顕われるかも知れませんので継続して重量の測定をします。

9月24日
気乾状態を目指して1ケ月の期間が経ちました。川砂は2週間で既に気乾状態になっていますが、黒土、広葉樹炭、スギ炭の重量はまだ漸減中です。最初の2週間は、それぞれの試料粒子の表面に付着して保水されていた水は毛管水として地面まで上昇して蒸発していましたが、その後は、試料粒子の穴などに入りこんだ水が出てきていると考えられます。ポーラスな試料程、これから後の保水量は多いと思います。


下のグラフは気乾状態の各試料300ccに100ccの水を加えたものの重量の減少推移です。川砂300ccの保水能力は上のグラフを参照すると丁度100cc程度だったようです。


9月12日
8月24日に測定した排水時含水重量から20日が経ちました。日々に測定している重量変化を下のグラフに示します。2週間程度で直線的な重量の低減は終わったようです。これから試料別の変化が期待できそうです。縦軸は試料重量「g」横軸は経過日数です。



次に気乾状態の各試料に同一量の水を加えた試料の重量低減の様子を以下のグラフに示します。同様に2週間程度の均一な重量減は終わっているようです。



8月26日 当日のデータを実験結果に追加
8月25日 当日のデータを実験結果に追加

8月24日
ペットボトルの底に孔を開けた容器に試料(川砂、黒土、広葉樹炭、スギ炭)を300ccずつ入れ、12時間程度水に浸して置き、水から出して5分後の重量を排水時含水重量としました。以下の重量は容器重量25gを差し引いた値です。なお、試料の土壌厚は5cmです。重力水が落ち切った後も気乾状態になるまで重量変化を測定した後で考察をするつもりです。試料は室内で管理します。
【重力水保持の実験】
       川砂     黒土  広葉樹炭   スギ炭 
含水重量
8月24日06時20分
排水時  495g    355g    225g   185g
10分後 490g    350g    220g   180g
20分後 490g    350g    220g   180g
30分後 490g    350g    220g   180g
1時間後 485g    345g    215g   180g
4時間後 485g    345g    215g   180g
8時間後 480g    345g    215g   175g
8月25日 475g    340g    205g   165g
8月26日 470g    330g    200g   160g



8月23日
「スギ炭の物理性」でスギ炭は団粒土壌の様に保水性も排水性も高いことが判りました。農地土壌にとって「排水性が高い」とは雨が降った時に土壌の気相を埋める水が速やかに重力で排水され、根が呼吸するのに妨げにならないことだと思います。一方で「保水性が高い」とはどういうことなのでしょうか。降雨量から重力水排水される水量を差し引いた、毛管水として農地表面から蒸発するか植物の根が吸収して気孔から蒸散する水量の合計が保水量だと考えると、根から水は植物に吸収されるが、毛管水による農地表面への上昇は抑える能力の高い土壌が「保水性が高い」と言えそうです。また、重力排水を数日にわたり抑える能力も保水力と言えそうですが、この実験は後日、併行して始めます。
 早速実験です。気乾の川砂、黒土、広葉樹炭、スギ炭の4種類の試料、それぞれ300ccです。その気乾試料にそれぞれ100gの水を入れました。容器には排水孔はありませんので日々の蒸発だけで重量が減っていくはずです。「保水性の高い」試料はその減り方が遅いはずです。降雨の影響が無い様に試料を室内で管理します。容器の重量50gを差し引いた重量で示しています(8月24日変更)。それぞれの試料が気乾重量に戻るまで測定を続ける予定です。

【毛管水保持の実験】
        川砂    黒土  広葉樹炭   スギ炭
気乾重量  460g   240g    95g    30g 
含水重量
8月22日  560g   340g   195g   130g
8月23日  550g   335g   190g   130g
8月24日  545g   330g   185g   125g
8月25日  540g   325g   180g   120g
8月26日  535g   320g   175g   115g
  
気乾状態の試料
      川砂          黒土         広葉樹炭          スギ炭
 
100cc含水試料(8月22日)

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