くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

クサギ

2018-09-01 | 日記
『破戒』(島崎藤村著)を読んだ。100年以上前の小説なのに何の違和感もなく後半は一気に読んでしまった。いつ暴かれるかもしれない秘密をもって生きていく不安、そして一方でその秘密を暴露して強く生きていきたいでもそれが容易にはできないという苦悩が描かれている。忘れないうちにあらずじを書いておこう。
明治後期、主人公・瀬川丑松は(、調里)であることを隠しながら信州飯山町の小学校教員をしていた。父からは決して素性を明かしてはならない、一旦この戒めを忘れたら社会から捨てられたと思えと繰り返し言われていた。根津村の父が牛の角に刺されて亡くなった後、丑松を疎んじている校長、同僚の勝野文平、そして代議士を目指す高柳利三郎により丑松の出生が暴露されそうになったとき、丑松の苦悩は極限に達した。貧困のため蓮華寺に預けられていたお志保に対する愛も丑松は伝えることはできない。丑松の尊敬する社会思想運動家、猪子連太郎が暗殺されたのを機に丑松は父の戒めを破る決意をし自らがであることを遂に告白した。前途の途切れた丑松ではあったが親友の土屋銀之助らに助けられる。

クサギ シソ科(クマツヅラ科)クサギ属

林縁の道端でクサギが白い花をたくさんつけていた。




花はいい香りがする。花びらは萼から長く突き出してその先で開いている。萼の赤と花弁の白がコントラストをなしていて美しい。


クサギの花は雄性先熟で開花初日は雄しべは完全に展開するが雌しべの展開は不完全、2日目になると雄しべはしおれ、雌しべは柱頭が2つに裂開して受粉可能な状態になる。

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