くたくたルンゲクッタ

過ぎていく時間と思い出忘備録

キカラスウリの花

2016-08-30 | 日記
キカラスウリ ウリ科カラスウリ属

夜10時ころ駐車場の近くのフェンスに何やら白いものが見えたので、ライトで照らすと夜に咲いたつる性植物の花だった。


よくこの辺でよく見かけるカラスウリかなと降りて近づいて観察。カラスウリの葉は毛が多くてザラザラしているのに対して、この葉は光沢がある。どうもこれはカラスウリではなくてキカラスウリのようだ。


花弁の先が細く長く伸びていて、月夜に照らされれば白く浮き上がり、とても美しいに違いない。


こんな身近にキカラスウリが自生していたとは意外だった。観察できた花はみな雄花。キカラスウリは雌雄異株のつる性の多年草で、日本固有種。花粉の媒介はカラスウリと同様に薄暮性のスズメガの類によって行われる。塊根は栝楼根(カロコン)という生薬で、解熱、止渇、消腫などの作用があり、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡清肝湯などの漢方方剤に使われる。また澱粉をとって天瓜粉をつくり、あせもにも用いたらしい。


キカラスウリの花はカラスウリにとても似ているが花冠の裂片の先がカラスウリよりも広い。その先のレース状の部分はカラスウリの方が長く広がる。

カラスウリの花

これはカラスウリの花。花冠がはっきりと5裂していて端正。

タマアジサイとウワミズザクラ

2016-08-27 | 日記
魚津水族館のドチザメの水槽で今春2匹のサメが誕生した。この水槽には雌しか飼育していないのにどうして子共ができたのか?米バージニア州の水族館で飼育されていたカマストガリザメも2008年雄と交尾せずに妊娠しDNA検査から単為生殖で子供を産んだことが確認されている。生殖母細胞(染色体数2n)は減数分裂により生殖細胞(n)になるからその生殖細胞同士が合体して発生を始めたのだろうか?雌が雄と出会わない場合の種の救済メカニズムかもしれない。哺乳類でも単為生殖があればすごい事。

タマアジサイ Hydrangea involucrata アジサイ科アジサイ属

山道ではタマアジサイがあちこちで咲いている。葉は大きくて長さ10–20cmくらいあり、楕円形で先がとがっている。縁は細かい鋸歯状になり、葉の表面、裏面ともざらつく。




水辺にも咲いていた。


淡紫色の小さな両性花の周りに花弁4枚の白色の装飾花が縁どり、爽やかで美しい。


つぼみは小さな卵のようで開花すれば包んでいた苞は脱落する。


ウワミズザクラ Prunus grayana バラ科サクラ属



渓流沿いに赤から黒に変わっていく小さな果実をたくさんつけたウワミズザクラを見つけた。


ウワミズザクラの花は葉の展開後に開花する。5月ころ、新枝の先からのびた長さ8-15cmの総状花序に多数密集して咲いていたはずの白い花はさぞかし美しかったことだろう。


よく似たものにイヌザクラがある。イヌザクラは花序の下に葉がなく、果期に萼片が残ることでウワミズザクラと区別できる。黒く熟した果実を一つ取って食べてみた。ちょうどサクランボと同じ味で甘く美味しかった。

ツマグロヒョウモン交尾中

2016-08-23 | 日記
ツマグロヒョウモン タテハチョウ科

キヌタソウを観察しているところへ交尾中のツマグロヒョウモンがやってきて、近くの木製の台の上にとまった。


左が雄、右が雌。


雌の表翅は濃い紫がとても美しく前翅裏の赤い色とコントラストが素晴らしい。


近づいて写真を撮ろうとしたら飛び立って近くの草むらにとまった。


翅の裏側の模様はとても美しい。

キヌタソウ

2016-08-23 | 日記
昨日は台風が房総半島を直撃し京葉線、外房線、内房線など一部止まったらしい。昨夜小さな会合で講演を頼まれていたが、タクシーを呼んでもなかなかつかまらなくて遅刻した。今年はお盆頃から天気が悪い日が続いている。もうこのまま夏は過ぎていくのかなあ。なんか寂しい気もする。

キヌタソウ(砧草) Galium kinuta アカネ科ヤエムグラ属

林道を歩いていると、草むらに小さな花をつけた高さ膝丈ほどの植物が群生していた。


葉は4輪生しているのが最大の特徴。しかも葉柄はない。葉が4輪生しているのでアカネと同じ仲間だろうと見当をつけてネット検索するとアカネ科キヌタソウのようだ。


葉は長さ3-5㎝の卵状披針形。3脈が目立ち葉先が長く尖る。


これは葉の裏。


花は茎頂に集散花序を多数つける。


花冠は直径約2-3㎜ととても小さい。


花は白色で4裂している。裂片の先が細く尖る。雄しべ4個が確認出来る。柄のついた果実の形が砧に似ていることからキヌタソウと言うらしい。果実も小さいし砧も見たことがないから納得しようがないなあ。

マタタビとサルナシ

2016-08-20 | 日記
8/18の夜は日付が変わった頃からバドミントン女子ダブルス決勝が行われた。日本は高橋、松友組がデンマークの組と戦い、接戦をものにして高橋、松友組が金メダルを獲得した。3セット目に16対19と追い込まれた時のテレビに映し出された松友の表情は土壇場に立たされた者というより試合に集中した普段どおりの顔に見えた。どうしてあんなに平静でいられるのだろう?あの度胸が勝利を呼んだとしか思えない。一昨日は大逆転の興奮でなかなか寝付けず未だに睡眠不足が続いている。

マタタビ マタタビ科マタタビ属



郊外の山道を歩いていると葉の一部が白くなっているつる性植物をあちこちで見かけた。マタタビのようだ。ウィキペディアによれば、マタタビの花をつけるつるの先端部の葉は、花期に白化し、送粉昆虫を誘引するサインとなるらしい。


近づいてマタタビの枝の下をのぞいてみると何やらコブ状の果実のようなものがいくつもぶら下がっている。マタタビの果実はキウイに似ているはず。これは一体何だろう?


枝を一本ちぎって明るいところで観察。


白斑のようになった葉の裏は白くない。


これは果実ではなくて蕾にマタタビミタマバエまたはマタタビアブラムシが寄生して虫こぶになったもののようだ。漢方では木天蓼(もくてんりょう)とよばれ生薬として用いられるらしい。


サルナシ マタタビ科マタタビ属



山道の駐車場で上を見上げると小さな果実をいくつもつけたつる性植物が目に入った。マタタビに似ているが、葉が白くならず、葉柄が赤い。葉の鋸歯もマタタビよりも鋭い。すぐにサルナシだろうと思った。




指で割ってみた。まだ未熟でちょっと舐めてみると酸っぱい。指が紫色なのは、サルナシの果実を割る前にハナイカダの果実を潰してその色素がついてしまったため。

マルミノヤマゴボウ

2016-08-18 | 日記
AXNミステリーチャンネルで海外ドラマ「トップ・オブ・ザ・レイク~消えた少女~」(1~7話)を一気に見た。まず舞台は一体どこだろうとずっとわからなかった。ニュージーランドの山あいの町と後で知ってあれだけの素晴らしい自然が残っているのも納得。レイプ事件、殺人、近親相姦、カルト集団、麻薬などが全部盛り込まれたドラマ。


郊外のスギ林の林縁でしかも日当たりのあまりよくない斜面に赤い色が点々と見えた。近寄って見ると何らかの植物の花のようだ。

マルミノヤマゴボウ Phytolacca japonica ヤマゴボウ科



こんな山の中で鮮やかな赤紫色の花など見たこともない。ちょうどクサギの果実の赤紫色の萼と同じ色だった。


写真だけとって後でネット検索してマルミノヤマゴボウの可能性が高いとわかった。これは花ではなく果実のとれたあとの萼片の集合だった。


マルミノヤマゴボウは多年草で関東地方以西の山の木陰に生える。花は直立した総状花序で果実は球形のままで分果しない。荒地などでよく見かけるヨウシュヤマゴボウは花序が下垂するので区別は簡単。




まるで花のように見えるので騙されてしまった。ほとんどの果実は落ちてしまっている。花弁のように見えるのが萼片で5枚ある。その内側にあるのは雄しべの名残。右の方に横を向いた果実が一つ残っている。


中国原産のヤマゴボウも山里に生える多年草で日本在来種のマルミノヤマゴボウと似ているが心皮は8個に離生し果実は分果となる点が鑑別点らしい。写真左上に小さな果実が残っているが果実は離生していないように見えるから、マルミノヤマゴボウだろう。


葉の裏。

アサザ、ガガブタ、ハナガガブタ

2016-08-02 | 日記
BBCドラマ “An Inspector Calls” 『夜の来訪者』(2015)をAXNミステリーで見た。
20世紀初頭、貴族であり資本階級でもある一家に一人の警部が夜訪れ、貧しい労働者階級の若い女性エヴァ・スミスが自殺したことを告げる。そしてその原因としてその家庭のすべての人が関わりを持っていたことを明らかにしていくというストーリー。警部の最後に残した次の言葉が最も印象的だった。

「このことだけは心に刻んでおいてください。一人のエヴァ・スミスは、この世を去りました。しかし、何千万、何百万という無数のエヴァ・スミスや、ジョン・スミスのような男女が、わたしたちのもとに残されています。かれらの生活、かれらの希望や不安、かれらの苦しみや幸福になるチャンスは、すべて、わたしたちの生活や、わたしたちが考えたり、言ったり、おこなったりすることと絡みあっているのです。わたしたちは、一人で生きているのではありません。わたしたちは、共同体の一員なのです。わたしたちは、おたがいに対して責任があるのです。そして、みなさんに申し上げますが、もしも、人間がその教訓を学ぼうとしないなら、かれらは、火に焼かれ、血を流し、苦しみもだえながら、それを学ぶときがくるでしょう。」


市立公園に大きな水亀の中で育てられている浮葉性植物のコーナーがある。地味なのであまり見る人もいないが、小さな花が咲いているようなので覗いてみた。

アサザ ミツガシワ科アサザ属

アサザと名札がついていた。アサザは湖沼やため池などにみられる水草。浮葉性植物で地下茎をのばして生長する。スイレンに似た切れ込みのある浮葉をつけ、若葉は食用にされることもあるらしい。


黄色い花が美しい。


横から見てみよう。


ガガブタ ミツガシワ科アサザ属

アサザの隣の水亀には白い花のガガブタ。




水面から出た花には5弁があり、その白い花弁の周辺は細かく裂けている。一面に毛が生えたようで、ガガイモの花を連想した。名前も似ているからひょっとして語源は共通かも。


ハナガガブタ ミツガシワ科アサザ属

隣の水亀には白い花のハナガガブタ。


ガガブタと似ているけれど花弁は伸びて毛の生えたようにみえるガガブタとは明らかに異なる。


ハナガガブタはアメリカ(フロリダ)が原産地。日本に生育する在来種はアサザ、ガガブタ、ヒメシロアサザの3種のみらしい。


葉をひっくり返してみた。