月刊「プレジデント」に、毎号、心療内科医の姫野友美さんのコラムが掲載されています。姫野さんには「女はなぜ突然怒り出すのか?」など男女の心理の違いなどに関する多くの著作があり、今月(2013.7.2)の寄稿も大変興味深いものでした。
今回のお題は、「パートナーから昔のことをネチネチ言われる…」そんな男性へのアドバイスです。なぜ女性は根に持つのか。それは、嫌な思いをした記憶を忘れては困るからだと姫野さんは言います。
女性は自分と自分の子どもの身を守ることを第一に考えるので、同じ危害を2度と受けないよう嫌な記憶を脳に留めおき忘れないようにするのだとか。女性の脳は、不快でネガティブな感情をとらえると大脳皮質でその感情を言語化し、長期記憶として蓄えます。一方、男性は感情を短期的記憶を処理する扁桃体で取り扱うのですぐに忘れてしまうのだそうです。
姫野さんは、パートナーに昔のことで責められ、困っている男性達にこうアドバイスしています。「しゃべりたいだけ、しゃべらせなさい。そして、つらかったね、僕も悪かったと共感してあげなさい」と。
とにかく相手の言葉を受け入れ、共感してあげる。これが女性との対話の第一歩なのだそうです。女性が昔のことで責め立ててきても下手な反論は火に油。例え忘れていたとしても「そういうこともあったね。申し訳なかった。」と認めるしかないということです。
なんと理不尽な…と思われる諸兄も多いとは思いますが、姫野さん曰く「女性のほうも、過去のことをいまさらどうしろとは思っていない。はっきり言うと、『言いたいだけ』。いまの怒りの気持ちをわかってほしいのです。」ということなのだそうです。
「「共感」だけしたって何の解決策にもならんだろう!」と息巻いてもほとんど意味がありません。ここで重要なのは、「受容」と「共感」(そして「忍耐」でしょうか(笑))。
まずはその気持ちを、①しっかり受け止め、②共感する。そのうえで、③支持し、④保証し、⑤説得する…という段階を踏むのだそうです。
「確かに君の言うとおりで、怒るのは当然だ」と支持し、「もうそういうことが起きないように、こうするよ」と保証・説得するということ。間違っても、「逆ギレ」してはいけません。仕事の取引先だと思ってひたすら話を聞く。そして、解決できるように努力する姿勢を見せ続ける…これが基本なのだそうです。
まさに仕事と同じです。勉強になりますね。
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