美月葉月

言の葉 ゆらり

別れ話。

2011-02-02 19:04:38 | 美月葉月

 

二度も 別れ話をした女と
結婚の約束をしたと
言うの
私と からだを 重ね合った
その 数時間後に

そういう きみは
でも
泣いてはいない。

だけど

あんなに輝いていた
きみの両翼は
かわいそうなくらいに 傷ついていて
痛々しかった

自分の言いなりになって
キャノンの一眼にしたからじゃない?
なんて言っても
慰めにはならないだろうか。

私は怒りが こみ上げてくる

なんで きみは 怒らない
それなら と・・・

鋭い爪を
“X-メン” のように ぐいっと
伸ばしてやろう

すると
その鋭い攻撃的な爪に
ひとすじの涙が ぽとりと 落ちる。

思いっきり 泣いていいのよ

ううん 嬉しくて 泣いているの
私より いっぱい 怒ってくれて
それで 嬉しくて 泣いている

私は言う

さ “ババ抜き” は 上がれたし
宝石店へ行こう
私の担当が 手ぐすね引いて
待っているわ

大きく翼を広げ 葱を 背負って 飛び立つと
すぐ後ろに

鍋を 背負いなから 羽ばたく
きみの
翼の音が 聞こえた。