5月30日『銭江晩報』特集より
山のような宿題とテスト漬けの子ども達の負担を何故軽減できないのか。
新聞の特集です。
杭州の元校長たちの語る教育現場の現状と限界について、色々と考えさせられました。
拙訳ですが、ご興味のある方はどうぞ。
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学軍小学校元校長・楊一青、杭州高級中学元校長・葛錦発、杭州第二中学元校長・徐承楠。かつて杭州で教育改革の風雲児と言われた名物校長達に学生の負担軽減について取材した。
「学生負担軽減」は毎年叫ばれているのに、なぜ実現できないのか
教育関係者にとっては「学生の負担軽減」は昔からある話題だが、毎年入学してくる生徒の保護者達にとっては最も現実的かつ切実に解決の望まれている大問題である。
「毎年毎年『負担軽減』が叫ばれているのに、なぜ実現できないのか」。
杭州で30年以上の教育経験を持つ元校長たちに取材した。
『学生負担軽減』は50年前から提起されてきた‐学軍小学校元校長・楊一青
1961年から45年間学軍小学校に勤務し、20年以上校長を務めた楊一青は、「負担軽減」についてこう語る。
「実は負担軽減は決して最近の問題ではなく、50年前からずっと言われてきた問題なのです。」
中国で学生の学習負担軽減が提起され始めたのは1964年だった。当時、毛沢東主席もこの問題を非常に重視し、学生の負担を軽減するように指示が出された。
楊一青は今でも当時の毛沢東の学生負担軽減に関する言葉を覚えている。
「今の学校の課程は多すぎて、学生の負担はあまりにも大きい。講義の方法は適切さを欠き、試験の方法はまるで学生を敵のように扱い、抜き打ちで行われている。学生の学習量の3分の1を減らし、睡眠時間を保証するべきだ…」
この数十年、楊一青は浙江省での大規模な学習負担軽減運動を何度も経験してきた。
最も印象に残っているのは、1996年11月、省教育委員会が中・小学生の授業・宿題の負担の軽減について学校活動の総量、宿題の総量、試験科目と回数の制限について具体的な規定を出したことだ。
2000年、「徐立事件」(中学生が母親を刺し殺した事件。背景に増え続ける勉強と進学のプレッシャーがあったと言われている)が起こった後、省では学生の負担軽減についての専門研究、道徳教育の研修なども行われ、社会各界でこの問題についての論議が巻き起こった。楊一青は当時を振り返って「あの頃は学生の負担軽減がとても重視され、あらゆる措置が取られた。例えば学生の鞄の重さを制限したり、省内各地に密かに調査員を派遣して週末に授業が行われていないかどうか調べ、行われていれば新聞に公表し、批判された。」と言う。
確かに効果はあった。しかし長続きせず、世間の関心が薄れてゆくとともにこのような措置も続かなくなり、学生の負担は再び増え始めた。
その後も浙江省では何度も「負担軽減令」が出され、進学校の校長たちに「負担軽減責任状」へのサインを強制したりもしたが、あらゆる方法を尽くしても学生の負担は大して変っていない。
今の学生の負担は重いのかどうか?楊一青は「それを判断するのは難しい。ある数学の問題を解くのに、10分しかかからない学生もいれば、1時間かかる学生もいるからだ。」と言う。
「子どもには差があるので、一人一人に合った教育、個性化教育をしなければならないが義務教育の段階では一クラスの人数が多すぎて、なかなか難しい。」
それでは学生の負担は減らせるのか?楊一青は「負担軽減に関する措置を一過性で終わらせず、続けることができ、それが当たり前の規定にならない限り、学生の負担を減らすことはできない。」と言う。
「進学のプレッシャーが先生、学生の負担を増やし、高校・大学入試が今のままでは学生の負担は減らせない。これは私の考えだが、高校入試を無くして中高一貫教育にできないものか。それだけでも中学生の負担は少しは減るはずだ。」
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出典:減負年年喊,為啥就是減不動
http://news.xinhuanet.com/2013-05/30/c_115961538.htm
山のような宿題とテスト漬けの子ども達の負担を何故軽減できないのか。
新聞の特集です。
杭州の元校長たちの語る教育現場の現状と限界について、色々と考えさせられました。
拙訳ですが、ご興味のある方はどうぞ。
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学軍小学校元校長・楊一青、杭州高級中学元校長・葛錦発、杭州第二中学元校長・徐承楠。かつて杭州で教育改革の風雲児と言われた名物校長達に学生の負担軽減について取材した。
「学生負担軽減」は毎年叫ばれているのに、なぜ実現できないのか
教育関係者にとっては「学生の負担軽減」は昔からある話題だが、毎年入学してくる生徒の保護者達にとっては最も現実的かつ切実に解決の望まれている大問題である。
「毎年毎年『負担軽減』が叫ばれているのに、なぜ実現できないのか」。
杭州で30年以上の教育経験を持つ元校長たちに取材した。
『学生負担軽減』は50年前から提起されてきた‐学軍小学校元校長・楊一青
1961年から45年間学軍小学校に勤務し、20年以上校長を務めた楊一青は、「負担軽減」についてこう語る。
「実は負担軽減は決して最近の問題ではなく、50年前からずっと言われてきた問題なのです。」
中国で学生の学習負担軽減が提起され始めたのは1964年だった。当時、毛沢東主席もこの問題を非常に重視し、学生の負担を軽減するように指示が出された。
楊一青は今でも当時の毛沢東の学生負担軽減に関する言葉を覚えている。
「今の学校の課程は多すぎて、学生の負担はあまりにも大きい。講義の方法は適切さを欠き、試験の方法はまるで学生を敵のように扱い、抜き打ちで行われている。学生の学習量の3分の1を減らし、睡眠時間を保証するべきだ…」
この数十年、楊一青は浙江省での大規模な学習負担軽減運動を何度も経験してきた。
最も印象に残っているのは、1996年11月、省教育委員会が中・小学生の授業・宿題の負担の軽減について学校活動の総量、宿題の総量、試験科目と回数の制限について具体的な規定を出したことだ。
2000年、「徐立事件」(中学生が母親を刺し殺した事件。背景に増え続ける勉強と進学のプレッシャーがあったと言われている)が起こった後、省では学生の負担軽減についての専門研究、道徳教育の研修なども行われ、社会各界でこの問題についての論議が巻き起こった。楊一青は当時を振り返って「あの頃は学生の負担軽減がとても重視され、あらゆる措置が取られた。例えば学生の鞄の重さを制限したり、省内各地に密かに調査員を派遣して週末に授業が行われていないかどうか調べ、行われていれば新聞に公表し、批判された。」と言う。
確かに効果はあった。しかし長続きせず、世間の関心が薄れてゆくとともにこのような措置も続かなくなり、学生の負担は再び増え始めた。
その後も浙江省では何度も「負担軽減令」が出され、進学校の校長たちに「負担軽減責任状」へのサインを強制したりもしたが、あらゆる方法を尽くしても学生の負担は大して変っていない。
今の学生の負担は重いのかどうか?楊一青は「それを判断するのは難しい。ある数学の問題を解くのに、10分しかかからない学生もいれば、1時間かかる学生もいるからだ。」と言う。
「子どもには差があるので、一人一人に合った教育、個性化教育をしなければならないが義務教育の段階では一クラスの人数が多すぎて、なかなか難しい。」
それでは学生の負担は減らせるのか?楊一青は「負担軽減に関する措置を一過性で終わらせず、続けることができ、それが当たり前の規定にならない限り、学生の負担を減らすことはできない。」と言う。
「進学のプレッシャーが先生、学生の負担を増やし、高校・大学入試が今のままでは学生の負担は減らせない。これは私の考えだが、高校入試を無くして中高一貫教育にできないものか。それだけでも中学生の負担は少しは減るはずだ。」
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出典:減負年年喊,為啥就是減不動
http://news.xinhuanet.com/2013-05/30/c_115961538.htm
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