招聘(zhaopin)2

うちの部署が新人を募集するのは、実に4年ぶり。

この4年の間に当時採用に関わった部署の上司は退職し、当時のHR（人事部）のスタッフも移動しているので、以前の経験を知る者は誰もいない…。
採用に関して、以前はどちらかと言えばHRが主体となって動き、面接もHRスタッフと採用予定部署の上司の2人で行っていたのだが、
今年は会社全体として大量採用を行う方針で、HRスタッフの数が足りないせいなのか、
今回の採用についてはすべてうちの部署の主管2人にお任せします、というお達しが来た。

慌てたのが主管2人。
2人共これまで採用に関わったことは一度もなく、当然人事関連に関しては全くのシロウトである。
とりあえず求人媒体を通じて募集記事を出すまではHRがやってくれたが、
その後の試験＆面接についてはすべて自分達で段取りしなくてはならない。

とりあえず応募者の日本語能力を見るための日本語試験は必要だろう、ということで、その試験問題は私が作り、面接時には私が少しだけ同席して会話能力も見ることになった。

一応ここまでは協力したが、あくまでも採用に関する権限は私にはない。
いつもヒマしてる主管の仕事だし、別に二人に任せておけばいい、と思っているのだが、
それがもう、信じられないほど段取りが悪いのだ。

どうやら募集広告を載せたときに、本当に何も考えていなかったらしい。
パラパラと送られてくる履歴書を一枚一枚その都度見て、
書類審査（と言っても主管の印象次第で、別に会議を開いて決定するワケではない）の後、個別に面接日を連絡。
当然面接日はバラバラで、採用か不採用かを検討（と言っても主管の印象次第で（以下略））している間に、また新たに履歴書が…。の繰り返し。

応募者は一応日本語能力検定2級以上が条件、となっているものの、
私の見るところ、学歴も職歴も日本語能力もホントに千差万別。
驚くべきことに、募集広告には給与その他の条件については「面談」としか書いていなかったらしく、
高学歴＆日本留学歴＆日系企業勤務経験の3拍子揃ったようなスゴイ人もいれば、
日本語1年くらい勉強して、ギリギリ2級合格しました、という専門学校生もいるのだが、希望給与には当然、天と地ほどの差がある。

私としては日本や日本人をもっと理解している（であろう）留学経験者や、さらに日本の商習慣まで理解している（であろう）日系企業勤務経験者が来てくれない限り、うちの部署の発展は望めないだろう、と思うのだが、

主管2人は履歴書を見ただけでびびってしまい、
「こんな優秀な人はうちには要らないよね。希望給与も高いし…。」と書類審査の時点で次々と却下。
自分達より優秀な部下は使いにくいし、第一そんな優秀な人を呼んだら自分達の地位が脅かされるかも知れない、というのがホンネなのだろう、きっと。

結局面接まで進んだ人の中に、日本留学経験者は一人もいなかった。
それでも日本に行った事はないが、日系企業勤務経験者は結構いて、皆日本語のレベルは書くのも話すのもかなり高い。
中には日系企業で教育されたのか、立ち居振る舞いや話し方まで日本人っぽい人もいて、そういう人は面接に来るのでもキチンとした服装＆お化粧もしてやって来るし、受け答えもしっかりしている。
片や面接する側のうちの主管たちは、当たり前なのだがどこからどう見たって中国人だし、大学生みたいな服装でノーメイク。質問も思いつきの範囲を出ていないし…
ハタから見ていると、一体どちらが面接を受けているのかわからない状態である。

主管達は一人面接してはどうしようと迷い、また一人面接してはさらに迷っている様子。
その間も新しい応募者から履歴書が送られてくるし、
以前に面接した人からは「結果が来ないんですけど、まだですか？」と問い合わせはくるしで、まるで収拾がついてない。

それでも何とか決断して、採用を決めた人に通知したらしいのだが、
今度は上の方から急にお達しがきて、二次面接をすると言う。
「お任せします」と言っておきながら、やっぱり信用できないらしい…。
しかもその二次面接の日程も、内容も未定だというのだ。

少なくとも最初に募集要項を作る段階で
1.具体的にどんな人材がほしいのか
2.具体的にどんな仕事をしてほしいのか、
3.こちらが提供可能な給与と待遇は具体的にどのくらいなのか、
をはっきり提示し、
履歴書提出期限、面接日を決めて一斉面接すればそれで済んだことである。

その3点すべて、採用する側の主管たちでさえはっきりわかってない状態で、
とにかく人数を増やせ、という命令だけで採用しようとするから、こんなことになるのである
それでもわからないなりに、主管2人は面接まではちゃんと仕事したのに、
最後になって横ヤリを入れる、上層部…

お前ら、いったいぜんたい、ナニがしたいんじゃ～～～！！？？

こんなことじゃ、わざわざ遠くから会社を休んで面接に来てくれた、応募者達に真剣申し訳ない

しかも、恐ろしい話を小耳にはさんでしまった。
うちの会社の計画では、今年、ナント全社で1500人もの大量採用を行う予定だそうである…。
その1500人の採用の実態が、ちの部署の採用の実態と差不多（ほとんど変わらん）
だとしたら、恐ろしいコストのムダ使いである。

さらに、恐ろしい話も小耳にはさんでしまった。
ナント日本人を採用する計画も、出ているそうである。
そ、その場合の採用責任者は、主管？？それとも…？？（怖くて聞けない）

上記1～3の条件すべて不明な上、
日本人が中国で働くための労働ビザも　保険も　年金も「何ですか、ソレ？」状態で
上海や北京じゃなく、杭州の中国企業に飛び込んでくれる日本人を探せって……

正直、カンベンしてくれ～～～！！