はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

相親:3

2014-04-14 15:47:22 | 中国人相方&親戚
週末、久しぶりに紹興の二姐の家へ。

久しぶりにイーファンと遊んでもらって大喜びのユキは別にして。
家の中はまるでお通夜のような雰囲気。

明日、Aさんの実家を皆で訪問する件について、「どうしても行きたくない」というミンミンと二姐の間で
激しい口論になった。
「皆がこの縁談を心配してくれて、こうして杭州からも来てもらったのに、いつまで甘えたこと言ってるの!」という二姐に、
「明日私が行ったら、もうこれで結婚することになってしまうのが怖い。」というミンミン。
この見合いの件で、二姐と何度も口論になっていて、母娘関係に相当ヒビが入ってしまっているらしい。

相手がどうの、と言うより、そもそも結婚自体に対する考え方に問題があるのでは?と思っていた私。
二姐が席を外した時に、率直に今結婚したくないのでは?と聞いてみると、その通りだった。

大学を卒業して3年目、周囲の友達の中にはそろそろ結婚する人もいるけれど、
自分としてはまだ仕事もしたいし、自由に旅行や遊びにも行きたいし、一度は諦めた大学院への進学もまだ諦めていないと言う。
「結婚したって、すぐに子供ができなければまだそれなりに自由だよ。」と言っても、
田舎では結婚=夫の家族との同居が前提なので、そんな自由は無くなってしまうと言う。
「結婚だけが人生じゃないし」「最悪一生独身でも構わないし」というミンミンの考えは、二姐には到底理解できないだろうと思う。

しかも!実はミンミンのこうした考えに少なからず影響を与えているのが、このガイジン嫁だということが判明!
確かに、20代は結婚なんてそっちのけで仕事に大学院に留学、旅行に追っかけに(!?)明け暮れていたのは
ガイジンの中でもアウトローなこの私だが…。
ミンミンは「外国人のおばさん(ミンミンにはこう呼ばれてしまう)でも中国をあちこち旅行できるんだから、私だって色んな所に行ってみたい!」と言う。

ううう、これはかなり難しいなあ…(涙)。

その間に相方はAさんに電話をかけて、それとなくあちらの状況に探りを入れてみる。
あちらはそれこそ、明日息子の結婚が決まる!とばかりに気合を入れて準備をしているのかも知れない。

聞けば、あちらの家はAさんの祖母(相方父の姉)、両親のほか、近くに住むAさんの姉とその娘の6人が出席予定とか。
近くに住むAさんの姉の娘(小学5年生)は、Aさんの母親が育てているも同然で、食事はいつも姉夫婦とその娘も一緒らしい。
もしAさんと結婚すれば、ミンミンは実質8人家族の嫁として同居しなければいけないのだろうか…。
彼女がブルーになる気持ちもわかる気がする。

正直Aさんと結婚する気が全くないのなら、相手にも失礼だしはっきり断った方がいいのだが、
ミンミンにはそこまでの決意はないらしい。
しかし「今年中に結婚」というのはどうしても受け入れられない。
彼女が一つ心配しているのが、Aさんが本当に彼女を気に入っているのか、それとも婚期を逃すのを恐れて誰でもいいから早く結婚したいだけなのか、そこが読めないことだと言う。

最初は「もう結婚した方がいい」だの「親の気持ちも考えて」だの言っていた相方だが、
Aさんに電話して探りを入れたり、ミンミンと私の会話を聞いて考えが変わってきた。

「この件でお母さんに私の考えを聞いてほしくても、すぐ怒られて話にならない。」
「この見合いがダメになって何を言われても辛くないけど、お母さんとの関係が壊れてしまったのが一番つらい。」と涙ぐむミンミンを見ると、何とかしなければと思ったらしい。

明日行くのか行かないのか、ミンミンの祖母(相方母の姉)と二姐、ミンミンと相方の4人で夜遅くまで激論が続き、
「どうしても行きたくない」というミンミンの気持ちを汲んで、結局ミンミンは行かず、相方と私、ユキ、二姐の4人でAさんの家を訪問することになった。

「もしAさんが今年中にどうしても結婚したいなら、申し訳ないが他の人を探してほしい。」というのがミンミンの主張。
こ、これを伝えに行ったら、先方は怒る、もしくはがっかりするだろうなぁ…と思ったが、
結婚は人生の一大事。
こうなったら「待てない」中国人の皆様に、「待って」頂くしかない。

翌日、4人でAさんの家を訪問して、ミンミンの意向を伝えた。
Aさんのご両親はやはりショックだったのか、固まってしまった様子。

ガイジン嫁は失礼かも知れないが、そこはガイジンでオバハンだからもう失礼と思われてもいいや、と腹をくくって、
Aさんをつかまえてトンデモナイことをこっそり聞いてみた。

「今ミンミンが結論を出せないなら、彼女と別れて別の人を探そうとか思わない?」と聞いてみたら、
Aさんは「それはないです。まだ知り合って2ヶ月も経ってないし、自分はもう少しちゃんとお付き合いしたいと思ってます。」という頼もしい答えが。
「でもご両親はすごく焦ってらっしゃるから、先延ばしにすることを良く思ってないでしょ?」と聞いてみると、
「両親の気持ちはわかります。でも最終的には僕の幸せのためになるなら、両親もきっとわかってくれると思います。」と話してくれた。
少なくとも、Aさんはミンミンことをかなり気に入っている様子。
ちょっと大人しくて消極的な感じが気になるけど、ここはAさんにご両親を説得してもらうしかなさそう。

相方も長い時間、Aさんの父親(相方従兄にあたる)と二姐と話し込んでいた。
「お見合いも結婚も本来すごくおめでたくて嬉しい事のハズなのに、こんな風に周囲が期限を決めて本人たちを追い詰めるのはおかしい。
紹介までは周囲がお膳立てしたんだし、二人とももう子供じゃないんだから、あとは二人に任せて自然に決めるしかないじゃないか。」
「都会暮らしを経験した今の若い人に古い世代の価値観を押し付けたって、まさか無理やり捕まえて婚姻届にサインさせるわけにもいかないんだし、かえって逆効果だ。」みたいなことを話してくれたらしい。
二姐も少し考え直してくれたようだった。

一応は和やかな雰囲気で訪問は終わり、私たちは杭州に帰ったのだけど、さてAさん側はどう思ったのかな…と心配していると、
その夜ミンミンから電話があって、Aさんはその夜も彼女の家を訪ねてきたらしい。
具体的な話はなかったけど、あの話を聞いてすぐに来てくれた、ということは、お付き合いを続けたいという意思表示だと思うので、とりあえずホッとしたのだった。
二姐とミンミンもようやく冷静になって話ができたようで、良かった良かった。

ミンミンとAさんが今後どうなるのかは二人が決めることだけど、
とりあえず外野は少し辛抱して、何も言わずに見守ってあげてほしい、と思っている。

…これが中国人には一番難しいことなのだろうけど(タメ息)。

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3 コメント

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Unknown (のぶ in 上海)
2014-04-15 00:41:48
相方くん、冷静になってきたようでひとまず、よかった。

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改めて読み直して (のぶ in 上海)
2014-04-15 11:58:51
どっかのコメントにも分りましたが、今回の見合いトピックの人物相関図がようやく分りました。

もともと仲人だったお父さんが福州にいて、代理で当事者でない相方くんとガイジン嫁が行った訳ですが、これが一番良かったんだと思います。

相方くんにとっては男方と女方の両方の血が流れているので、一番、中立になれるので。これがお父さんだったら確実に男方の主張を言っていたでしょう。
相方さんは男方と女方と双方の話をじっくり聞いて疲れたかと思いますが、役割をきちんと果たしたのではないでしょうか。
お疲れさまです。

ミンミンちゃんは相手に対して話がはずまないし、ときめきもしないと言うものの、相手が自分のことをどう思っているのか分らないという不安と完全に断る勇気もない、ってところから、どこかでこのチャンスを失うと結婚できないかもしれないと思っているのでしょう。
これがあるから、世の中の人は結婚していくのかもしれません。

田舎の皆さんの結婚観やせっかちさに驚く面はありますが、一方で長年、中国に住んでいて納得できるところがあります。

というのは、中国の女性の定年は55歳というのが大きいと思います。一部の化学薬品を扱う工場で働く女性は50歳定年なんだそうです。
中国では女性も家計の責任を負うのでこれは大きいでしょう。
そこから逆算すると確かに25歳くらいで結婚した方が丁度いいのかもしれません。そして、自分が定年する頃に子どもが結婚して孫ができたら、まだ体力も気力もある50代のうちに孫の面倒を見るのが一番いいのだそうです。(ちなみに50歳代の孫守コールデンタイム節は私の日本の実母が言ったことなのですが。)
確かに今回のミンミンのケースは田舎とあって迷信の力もあって「今年中に出産しないと!」と非常にせっかちになっていますが、彼らなりに筋は通っているんだなと。

もっとも私がこのような視点を持てるようになったのは、それなりに自分も年齢を重ねたのと、55歳で定年した方とランチする機会があったので、比較的身近に感じるようになったのかもしれません。

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Unknown (はとぽっぽ)
2014-04-16 13:28:18
>のぶさん

結婚を家や世間体のためと考えるか、自分のためと考えるか…中国の若い世代も揺れ動いている気がします。
外国の映画を見たり小説を読んだりして欧米流の個人主義な考え方にも共感できる一方で、現実を見ると親世代の価値観を真っ向から否定できないから、苦しんでいるのだと思います。同じようなことはかつて日本にもあって、今も残っているとは思いますが。

中国では子育ては祖父母がする、というのが根底にあって、子育ての負担が全部母親にかからない分楽な面もありますが、その一方で義妹のように子育てに関して母親の意見が通らなかったり、ミンミンのように結婚出産を急かされたり、というマイナス面があると思います。

Aさんのお母さんは二姐より10歳近く年上で、もう60歳近いので孫を見るなら早く、というのは絶対考えていると思います。勤め人ではなかったので、定年は関係ないですが、田舎では50歳そこそこで孫持(孫育て中)の人がいっぱいいるので…。そして孫育てするにはある程度体力も気力も若い方がいいのも事実です。そこまで考えたらもう、結婚も出産も夫婦二人だけの問題とは言えないのが辛いところですね。

ミンミンとAさんはまだ続いています。2人がどういう選択をするにせよ、とりあえず外野はできるだけそっとしてあげてほしいと思っています。
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