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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

Bevel up

2015年02月23日 | 仕事


BC CDCがスポンサーで2007年に作ったドキュメンタリービデオ。後ろに映るバスやポリスカー、救急車が旧式型だが写っている人たちは変わらない。今もこの界隈は薬物依存、ホームレスのハブとなっている。

そこで働くストリートナース達の活動を収めたビデオ。薬物依存はバンクーバーだけではなく北米どこでも起こっていることで、規模の大小はあっても私が住んでいる、働いている地域でも似たようなことが起こっている。だから私のポジションが作られた。

このビデオはハームリダクションの啓蒙でもある。最悪の中であってももっと最悪なケースを避ける活動。清潔な注射器や吸入に必要なパイプを渡す。先週参加した研修の参加者の1/3 ぐらいがハームリダクションに反対の姿勢を示していた。この分野で働く者であってもハームリダクションの目的が理解できていない。それ程社会の抵抗が強い、これが現状なのだ。

刑罰を厳しくすることが解決ではない。WHOもそう提言している。

ビデオの中で脳梗塞を起こした母親と妊娠中の娘(二人とも薬物依存症) をストリートナースがケアをして後日訪問している。ケア前と後の母親の顔色、表情の違いに注目してもらいたい。人間らしさと言うろうそくの火が今にも消えてしまいそうなほど弱かったのに、感染症が治り、住む家も見つかった後の強いろうそくの光を。
病院へ行きたくないと言う母親に見合ったケアを提供したナース。このナースがいなければコンテナの後ろで、この母親はそのまま死んでいたと思う。

クズにような人間?人間の命に値段や価値をつけることは許されない。税金の無駄遣い?そんな事を思う人も少なくないはず。他人事、自分のそばにはそんな人はいない。しかしこうなってしまう落とし穴は沢山存在する。もしこのビデオに写っている人があなたの子供だったら、親だったら、兄弟だったら、、、あなたの思いは同じですか?

ビデオは45分こちらから

こちらは予告編で2分ちょっと。予告編はこちらから

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Bevel Up - Drugs, Users and Outreach Nursing by ONFB, National Film Board of Canada


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