走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

医療の未来

2017年05月31日 | 仕事
最近ツイッターのアカウントで日本のNP学生さんと絡むようになってずっと書き続けてきたシリーズもの。今日が最終回。 何を一番言いたいかと言うと、新職種NPを含む看護師活動の拡大に欠かせないものは3本柱。 看護師の水準を保つ団体 (免許発行に関わるから、看護協会) 看護師の教育を担い研究を通して看護の可能性を探求する団体 (大学と大学院) 看護師の声を政治に反映でき、他と交渉できる団体 (看護連盟 . . . 本文を読む

心肺蘇生を拒否する意思表明

2017年05月30日 | 仕事
新患さんは50代の女性。彼女はDNR Do Not Resuscitate 心肺蘇生を拒否する意思表明 をサインしてくれる医師を探していた。長年のアルコール依存。昔のように飲めなくなったが辞めたいとは思わない。いい人生だったし、悔いもないから好きなことをして(お酒を飲むこと) 死にたいだけ。お金があればスイスに行って自殺幇助で今すぐ命を断ちたいほど、と言う。 黄疸はないが腹部が張っていて腹水がた . . . 本文を読む

分業業務

2017年05月29日 | 仕事
昨日の続き。タスクシェアとは業務分業。 私がカナダで正看護師として働き出した16年前に驚いたこの業務分業について書きます。 日本では医師がしていたことが他の部門で行われていること 1) 画像診断の解読: 放射線科がリポートにする 2) 画像が必要な医療技術 (腹腔/胸腔穿刺/ドレーン留置、ポータキャスやPICCラインなど中心静脈ルートの設置など): 放射線科 3)気管挿管、人口呼吸器の設定/ . . . 本文を読む

タスクシェアリング

2017年05月28日 | 仕事
カナダのBC州でNP誕生の構想が練られていた時、医師とのタスクシェア(業務分業)をして医師の負担を減らし、医師不足をスローダウンさせる事が主の目的でした。 シンプルで複雑でない患者をNPが診療し、難しい患者は医師のままで。大学院の教育課程もそれに合わせて作られました。プライマリーケアの基本を2年でぎゅーっと圧縮して学ぶ。複雑な患者を診ないので医師のように卒後の研修期間2年もなく社会に出ます(実習 . . . 本文を読む

りんごとオレンジ

2017年05月27日 | 仕事
日本でNPとして活躍されている方や只今勉強中の方。正看護師とNPの違い、医師とNPの違いを聞かれた時、明確に返答できますか? これも学生の時、ドリルのように叩き込まれました。 全員大学院以上の学歴があり、資格試験に合格している新しいプロフェッショナル。アメリカでは長い歴史のある職業。名前にナースとついていても正看護師とは違う種類の仕事。診断も処方も検査結果も読んで診断につなげる事が出来る。ほぼ . . . 本文を読む