いったい午前2時57分になにが起こったのだろうか?
「12ページの詩集」に収録されている「ガラスの腕時計」という曲には午前2時57分で止まってしまった時計が登場する。午前2時57分といえば、午前3時3分前で、年寄りならもう2時間くらいで起きだしてくるような夜更け過ぎである。
う~む。二人はいっしょに暮していて、そのうち彼がぐれはじめて、なかなかまっすぐ帰ってこなくなり、その日もバーかなにかで飲んだくれていて、もうじき夜も明けるような午前3時ころ酔っぱらって帰ってくる。彼女はずっと起きて彼を待っていた。帰ってきたとたん口げんかになって彼は家を出ていってしまった....もう彼は二度と帰ってこなかった、というような状況だろうか....
この曲でも二人がうまくいかなくなった原因は不明だ。ただ「あの人の心を変えた いじわるな季節の流れ」としか語られていない。もしかしたら彼は彼女にあきたか、なんか嫌気がさしてほかの女に手を出していたかもしれない。口げんかはそんな痴話げんかなのかもしれない。修羅場?? と妄想はどんどんふくらんでしまう。
とにかくこの曲では、そのときから時間が止まってしまった女性の心理が歌われている。彼女はもしかしたら彼からもらったかもしれない腕時計に小石をぶつけて壊してしまう。腕時計のガラスはひび割れ、針が止まってしまった。短針と長針の二つの針は、彼と自分のようで、止まってしまった二つの針はもう二度と重なりあわないことを思い知る。腕時計はなにかの象徴かもしれない。
女性はかつてのように「自分のこんなところが悪かったんだわ。あんなところが悪かったんだわ」とただ反省するようなことはなく、かといって彼のどこが悪いといって恨むようなこともない。ただ時間がたち、彼が心変わりした。悪いのはいじわるな季節である。
この作品では、萩田光雄が作曲と編曲の両方をてがけていて、そんなところで「12ページの詩集」に収録されたようだ。松本隆が「12ページの詩集」を「一回休み」と評していたが、12曲のうち5曲の作詞を担当しているので、この曲の作曲と「カーテン」の編曲しかしていない筒美京平のほうが「一回休み」状態だ。
1番の「小石ぶつけたぁ~」のところで太田裕美の長~く伸ばした声を聴くことができる。はかってみたら、1分3秒あたりから1分17秒あたりまでで、その間およそ14秒間くらい。とてもきれいな声だ。2番の「悲しみを繕い止めているぅ~」のあとには「あなたは黒い歯車 わたしは白い歯車 噛み合わないままに 月日が空廻り」という語りがあって、1曲で2回楽しめる(笑)。
よく聴いてみると、舌たらずっぽい歌い方あり、ある人いわく「風邪声」っぽい歌い方(私いわく鼻をつまんだ歌い方)あり、きれいな伸ばした歌い方ありで、けっこうこの曲はこのころの太田裕美の声と歌い方が詰まっている。
ところで歌詞カードには「悲しみを繕いとめている」とあるのだが、そのまま読めば「つくろいとめている」なのだが、聴いてみると「くいとめている」としか聴こえない。そんな読み方あったっけ? あて字? あて字だとするとなんかへんなあて字のような気がしてならない。
作詞:松本隆 作曲・編曲:萩田光雄
あの日から動かない
腕時計があるの
はかなげに淋しげに
時間が止まってる
あの人の心を変えた
いじわるな季節の流れ
何故かしらとても憎くて ああ
文字盤に小石ぶつけた
(略)
「12ページの詩集」に収録されている「ガラスの腕時計」という曲には午前2時57分で止まってしまった時計が登場する。午前2時57分といえば、午前3時3分前で、年寄りならもう2時間くらいで起きだしてくるような夜更け過ぎである。
う~む。二人はいっしょに暮していて、そのうち彼がぐれはじめて、なかなかまっすぐ帰ってこなくなり、その日もバーかなにかで飲んだくれていて、もうじき夜も明けるような午前3時ころ酔っぱらって帰ってくる。彼女はずっと起きて彼を待っていた。帰ってきたとたん口げんかになって彼は家を出ていってしまった....もう彼は二度と帰ってこなかった、というような状況だろうか....
この曲でも二人がうまくいかなくなった原因は不明だ。ただ「あの人の心を変えた いじわるな季節の流れ」としか語られていない。もしかしたら彼は彼女にあきたか、なんか嫌気がさしてほかの女に手を出していたかもしれない。口げんかはそんな痴話げんかなのかもしれない。修羅場?? と妄想はどんどんふくらんでしまう。
とにかくこの曲では、そのときから時間が止まってしまった女性の心理が歌われている。彼女はもしかしたら彼からもらったかもしれない腕時計に小石をぶつけて壊してしまう。腕時計のガラスはひび割れ、針が止まってしまった。短針と長針の二つの針は、彼と自分のようで、止まってしまった二つの針はもう二度と重なりあわないことを思い知る。腕時計はなにかの象徴かもしれない。
女性はかつてのように「自分のこんなところが悪かったんだわ。あんなところが悪かったんだわ」とただ反省するようなことはなく、かといって彼のどこが悪いといって恨むようなこともない。ただ時間がたち、彼が心変わりした。悪いのはいじわるな季節である。
この作品では、萩田光雄が作曲と編曲の両方をてがけていて、そんなところで「12ページの詩集」に収録されたようだ。松本隆が「12ページの詩集」を「一回休み」と評していたが、12曲のうち5曲の作詞を担当しているので、この曲の作曲と「カーテン」の編曲しかしていない筒美京平のほうが「一回休み」状態だ。
1番の「小石ぶつけたぁ~」のところで太田裕美の長~く伸ばした声を聴くことができる。はかってみたら、1分3秒あたりから1分17秒あたりまでで、その間およそ14秒間くらい。とてもきれいな声だ。2番の「悲しみを繕い止めているぅ~」のあとには「あなたは黒い歯車 わたしは白い歯車 噛み合わないままに 月日が空廻り」という語りがあって、1曲で2回楽しめる(笑)。
よく聴いてみると、舌たらずっぽい歌い方あり、ある人いわく「風邪声」っぽい歌い方(私いわく鼻をつまんだ歌い方)あり、きれいな伸ばした歌い方ありで、けっこうこの曲はこのころの太田裕美の声と歌い方が詰まっている。
ところで歌詞カードには「悲しみを繕いとめている」とあるのだが、そのまま読めば「つくろいとめている」なのだが、聴いてみると「くいとめている」としか聴こえない。そんな読み方あったっけ? あて字? あて字だとするとなんかへんなあて字のような気がしてならない。
作詞:松本隆 作曲・編曲:萩田光雄
あの日から動かない
腕時計があるの
はかなげに淋しげに
時間が止まってる
あの人の心を変えた
いじわるな季節の流れ
何故かしらとても憎くて ああ
文字盤に小石ぶつけた
(略)