メグブログ(美咲歌芽句)

Jeane+荒涼天使
 (ex.Mr.Kite)

空心菜

2007-09-12 02:36:10 | 日記
いつも行く野菜市場で今日、空心菜がたくさん並んでいて驚いた。
エンサインという名前で売られていたけど、この辺では珍しい野菜だけに説明書きに空心菜とも呼ばれていると書いてあって、うれしくなって早速買い求めた。一束105円。安い。
空心菜は東南アジアの野菜で、タイに行った時よくこの野菜の炒め物を食べた。4月に上京した時、F氏に原宿の台湾料理屋でご馳走になった時も、空心菜の炒め物が出てきてとてもおいしかった。鹿児島のこんな田舎でも栽培するようになったとは驚きだ。野菜の世界もどんどんグローバル化が進んでいるとみえる。

私が空心菜という野菜に興味を持ったのは、私の好きな藤原新也が以前エッセイに空心菜のことを書いているのを読んだからなのだが、それによると東南アジアの亀はこの野菜がことのほか好物で、亀のいる池に空心菜を投げ入れると、まるで猫とマタタビの関係のようにサッと集まってきて、あっという間に食べてしまうそうだ。この、とりたててクセのない味も香りもない野菜を、なぜ亀が大好物なのかということに対して彼は、たぶん字のごとく中が空洞になっている茎の中に詰まっている、外界の空気ではない純粋無垢な空気がおいしくて、あのようにむさぼり食っているのではないかと書いていた。藤原新也ならではのおもしろい発想だ。私は彼のこんな発想にいつも感心する。

私は野菜の中で最も好きなのは香りの良い春菊なのだが、これはみそ汁はもちろんのこと、さっと茹でておひたしにして酢醤油で食べるのが一番おいしいし、七草がゆ風に鶏肉や餅、里芋、大根、生しいたけなどと一緒にかゆにして食べると絶品だ。このオリジナルの「メグ風がゆ」を食べられる人は、しあわせもんぞ。
私は野菜には本当に目がない。まだ食したことのない野菜と出会うと、むらむらと好奇心が湧き、たいていは買って帰り、自分流にあれこれ料理して試してみる。こう書くといかにも私は料理好きそうに見えるかもしれないけれど、実際のところは別にとりたてて料理が好きなわけではなく、ただまずいものを食べたくない。自然の味を食したい。工場で大量生産される加工食品を食べたくないというだけのことだ。

加えて、鹿児島の料理の味付けが私には合わない。どんな料理にもまるでお菓子でも作るように大量の砂糖を使うので、甘くてとても食べられない。結果外食も出来ずスーパーの惣菜も買えないので、完全自炊を余儀なくされているというわけだ。その点、東京の味付けは大丈夫なので外食もできる。この結構しんどい完全自炊の生活から逃れるためと、他にも重要な目的というかやりたいことがあるので、今真剣に東京移住を考えている。

それにしても私は時々、食べることが本当に面倒くさくなることがある。
食べることに費やす時間がもったいなくて、人間食べなくてもすめばどんなにいいだろうと思う。
一日に必要なカロリーと栄養をサプリメントにして、それを一錠飲めばオーケーということになればいいなあ。
もっといいのは、早く世界が5次元に移行して人間が天使のようになれば、食べるという行為も必要なくなるのに。
ああ、こんなたわごとを書いているうちにもお腹が空いてきてしまうのが悲しい。
早く天使になりたい。

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2 コメント

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はじめまして。 (屋根裏の地下室)
2007-09-14 22:27:44
約20年前からミスターカイトのファンです。いつも楽しくブログを拝見させて頂いています。
空心菜、いいですねー。最近、私も野菜に目がなくなって来ました。一方、食べることが時々本当に面倒臭くなるという意見にも同意します・・・。

何はともあれ、今後の活動を楽しみにしております。
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屋根裏の地下室さん (芽句)
2007-09-16 02:50:40
はじめまして。
怠け者ブログを読んでいただいて、ありがとう。
詩集の紹介も。屋根裏の地下室といえば、ふと、わらべ歌の
「かごめかごめ」を思い出しました。
夜明けの晩に・・・うしろの正面だ~れ。というような
謎に満ちたダリ的言語世界、私は好きですよ(笑)。
革命的日常は案外、ロックと野菜の意外な関係の中に
潜んでいるかもしれません。
私は昔から意外性というのが好きで、ずっとそれを追求しているような気がします。
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