メグブログ(美咲歌芽句)

Jeane+荒涼天使
 (ex.Mr.Kite)

目覚め

2008-11-10 23:33:23 | 
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ひさかたの天(あめ)の都はここにある
トーキョー・シティ 堕落した瑠璃光浄土
美しくも無慈悲な表現主義者
あるいは無気力な快楽主義者
トーキョー・シティ 今はただ
十月の絹の雨のように 静かに泣くがいい
この日の本の聖なる龍体の上に
我良しで築き上げた 極東の摩天楼や
マネーゲームのジャンキーでしかないヒルズ族の夢は
アメリカの幻影とともに
今朝 私がゆで卵を食べている間に
腐ったマンゴーのように崩壊した
ほら 見てごらん
駅前で号外を配っている男の顔には
押し殺した笑みさえ見える
「世界大恐慌」の大見出しに
みんな結構ワクワクしてる
台風と遊ぶ子供みたいに

心のどこかで私たちは
何かを早く終わらせたいと思っているんじゃないのかな
何かが壊れることを待ち望んでいるんじゃないのかな
きっとそう たぶんそう
ブラックマンデーにはいつものブラックコーヒーを
私は驚かない
それはすでに書かれた物語
唯一絶対の宇宙の歯車は回り続け
いつだって歴史は淡々と予定通りに進んでいる
淡々と淡々と
それを私は「神業」と呼ぶ
あるいは「因果応報」・・・つまり「宇宙の摂理」と
なにも恐れることはない
すべてのことは かんながら
かんながら行くマイロード
受けきって生くマイロード

新しい襟 えりすぐられたニューヨーク
そこはアメリカであってアメリカではない
チェルシー・ホテルとその住人たちへの憧れ
それはなんと敬虔なものだったことか
堕落と快楽の中に
痙攣する美と反転する真実を見た私は
真夜中の高円寺駅の高架下で
自虐と創造の神とファックして
言葉をはらみ そして産み落とした
生暖かい胎盤と羊水と血にまみれた
死と詩を・・・
その詩は神が翻訳する

今夜また 一匹のニューヨークのコヨーテを想う
魔女で聖女 シャーマンで巫女であるパティ・スミスを
彼女の髪が黒かったことは重要だ
インディアンやアジア人とのつながりに於いて・・・
その声は自分が神だと知っている者の声
類まれなるその声の力によって
ジーザスはあっさりと殺され
その呪縛から開放された人々は歓喜し
自分を信じようとしない空虚なキリスト教徒たちは震撼した
そしてパティは新しい時代の女神になった
今さらながら私はパティに敬礼する

金木犀の香りする この天(あめ)の都に吹く風は
時代と私たちのカルマが交尾して産み落とした
パンクスやロッカーズの痙攣と叫びを
今夜 神話と伝説の中に埋葬してしまうのだろう
スクリーンに甦るのは過去の私たちじゃない
スクリーンは鏡
そこに映るのは今のあなたたち
なぜなら わたしはあなたで、あなたはわたし

はるか遠く
北極星をいただいて 星の船はゆく
もうすぐ沈むとわかっている船に この世界に
自ら選んで乗り合わせた私たちは
まごうことなき人類の最終ランナー

56億7千万年の 神の見る夢の中で
この宇宙の始まりの一点
虚無という暗黒の宇宙に
ボチッと生まれた白の一点
神のザーメンのひとしずく
そのとき神は「あ」と言ったか
その一点は「ア」 言霊の「あ」
そこからすべては始まった
「あ」・「うん」・・・ アルファからオメガへ

私たちの親のそのまた親の
その根源に元返る祖先から引き継いだ
この命のバトン・・・委ねられたバトン
この引き継がれた生命(いのち)の
最終ランナーである私たちロッカーズの
あれは命がけの悪魔祓い
禊(みそぎ)の儀式だったと 見抜いた人は幸いだ

ああ 今また
無垢であっけらかんとしたこの十月の空の
あの白くふわふわした羊雲の間から
漂流人の吐いた言葉が銀色のブーメランのように戻ってくる
「墓に唾をかけるのか それとも花を盛るのか」
天に唾を吐いてみればわかることさ
私たちの見ている世界は
私たちの心の写し鏡
私たちの想念が作り上げた世界
誰のせいでもない
いつまで人のせいにするのか
いつまで社会のせいにするのか
意識が変われば世界は変わる
私は改心した そして世界は変わった
あなたはまだそこにいるの?

晴れた日に
カモたちの泳ぐ池にボートを浮かべていると
太陽が催眠をかける
太陽の活動周期はサイクル24にはいった
今日の黒点の数は18
私は強烈な睡魔に襲われて失神する
そして太陽の波動は私の
私たちニンゲンのDNAを書き換え
脳波に変化を起こす
私たちは変容するだろう
空を飛ぶものと 地を這うものに分かたれて

その夜 私は死んだように眠り
目覚めるとそこに新しい朝が降りていた
スズメのさえずりが 夜の時代の終わりを告げる

   「天(あま)照らす 日出づる国の 民草(たみくさ)は

             朝日に向かって 歩くがいい」

私は夢から覚めて あなたに「おはよう」と言う
夢は終わった 夜よ、さようなら
ヒーローたちはことごとく夜の闇に消滅し
今 アタリマエの日常とアタリマエの人々の上に
祝福の光が射すのを見る
私は準備しよう
反転する新しい世界に備えて
次なるステップへ行くんだ

振り返るな、闇の世界を
ただひたすらに光を目指せ
そして自ら光となれ
私は目が覚めて
今、もうひとつの太陽を見つけた
私の内なる太陽を
光よ、ありがとう ロックンロールよ、ありがとう
今ここに この瞬間に生きている
生かされている私たち
これがたったひとつの奇跡