やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

ミュールーズの鉄道博物館 Cité du train (2)

2014-07-03 | 日記
トラムトレインに乗って、ミュールーズの鉄道博物館 (Cité du train) にやってきました。

前回はこちら
http://blog.goo.ne.jp/miromes9-13/e/e7ad8a9602cdaf31c0b4d354282eab4a

旧館に入ります。
歴史順、カテゴリー別に鉄道技術の発達がわかるようになっています。

鉄道草創期、蒸気機関車




ワイン樽を積めるようになっている貨車。フランスらしい。



電気機関車の登場と発達


1920年代に製造の BB1600 形。
この頃は日本には電気機関車を国産開発する能力がなかったため、
欧米製電気機関車が日本にも輸入されていました。フランス製はなかったようですが...


1955年に時速331km/hを記録した電気機関車 BB9000 形 9004 号機


げんこつ形をしている cc5600 形電気機関車。



車両の大型化


ブガッティ式ガソリンカー(1932年)。
自動車会社が手がけていて、超軽量化されている様子がわかります。


ルノー VH形ディーゼルカー(1933年)。自動車会社ルノーが手がけた最初の車両。
このころは自動車会社が内燃式鉄道車両も作っていたのですね。


パリ郊外(ソー線 Ligne de Seaux)の電車。
現在の RER B 線南側に当たります。


大統領専用車。




衛生車。野戦病院の役割を果たしていました。



ヨーロッパ国際特急網とフランス

1940年代後半から1970年代、このころが鉄道の黄金期です。
以降はモータリゼーションと航空路線の発達によって、在来線では太刀打ちできなくなり、
高速鉄道の開発、建設が進んでいきます。
この黄金期を飾っているのが、TEE(ヨーロッパ国際特急)の路線網です。
当初は各国自慢の一等車のみで編成されていました。


「ル・キャピトール (Le Capitole:パリ~トゥールーズ間)」や
「ラキテーヌ (L'Aquitaine:パリ~ボルドー間)」をはじめとして、
フランス国内都市を結ぶ特急に使用された Grand confort 形客車のバー車。
雨どいが内蔵されていたり、
足元が丸みを帯びたスカートとなっていたりと、スマートになっている。


TEE客車内部(食堂車)


TEE PBA (Paris-Bruxelle-Amsterdam)用寝台車。
窓割りが独特です。


ターボトレイン。
1960年代に高速鉄道を見据えて開発されましたが、
騒音・振動に問題があり、燃費も悪く、
高速鉄道は電気車方式のTGVとして結実しました。
2000年代前半に退役しています。
ブログ主も1997年に乗りましたが、ものすごい音でした。

TGVに関しては、老朽化のために廃車になった車両はまだありませんので、
本物が展示されるのは当分先でしょう。

運転台のモックアップと、各種模型、
そして2007年に世界記録574.8km/hを達成した時の
運転台からのビデオが流されていました。

レストランがようやく空いてきました。
TEE「ル・ミストラル」のステンレス客車を模した入り口。


店内には蒸気機関車の模型や、鉄道写真が。



鶏肉のリースリングワインソース煮込みと、アルザスのピッチャーワインをつけて。


ミュージアムショップを抜けて、博物館を後にします。

トラムトレインでミュールーズの市内に入り、
トラムの市内線1~3号線を全線乗りつぶしました。


工業都市らしく移民も多く、各線終点近くで乗り降りする人たちの目はどことなく怖い。


しかし、トラム各駅付近の架線柱はこのような円形で凝っています。

この後は、TGVを乗り継いでパリに帰ります。
チケットを予約した時点の最安値の列車、さらにそこにわずか3ユーロ足すだけで、
一等車に乗れることがわかりましたので、迷わず一等車で!

ミュールーズから、2011年に開通した高速新線ライン・ローヌ線 (LGV Rhin-Rhône) でディジョン (Dijon) まで。
二階建ての TGV Duplex です。
高速新線を降りて、ディジョンの駅手前までは工事のためにノロノロ運転、5分ほど遅れました。


乗り継ぎの列車も遅れてやってきました。
ディジョンからパリまではクラシカルな第一世代のTGV車両です。
15年ほど前に大幅なリニューアル工事を受けています。

アルザス地方に店舗のあるパン屋 Poulaillon の
プレッツェル生地のサンドイッチとビールで晩御飯。



雨の中を過ぎると、ブルゴーニュの平原に虹が。


快晴のパリに到着です。21:02、5月末のパリはまだ明るい。