何となく奈伽塚ミント・純情派

不覚にも連続更新ストップ。
少々夏バテ気味だったし
定期更新に切り替えかも?

そんなこんなで奈伽塚ミント

「翼」

2006-07-23 21:37:36 | 詩のような物
 信念を貫くことに価値あれど
 プライドにこだわることに
 どれほどの意味があるだろう。

 妙にプライドばかり高くて
 失敗の連鎖に陥るならば
 プライドなんてかなぐり捨てて
 泥臭くても結果を残す
 そんな生き方に憧れて。

 私ときたら呆れるほどに
 前者の道を邁進中で
 脱皮の時を夢見て眠る
 サナギのよう。

 羽化した姿は蛾か蝶か
 今は未だ知る由もなく
 空高く舞う未来を糧に待ち続ける
 変化の期が熟すまで。

「択一」

2006-07-22 21:25:24 | 詩のような物
 人生は選択の連続
 運命は選択の解答
 最期は選択の終末。

 目の前に広がったカード
 一枚取れば一枚消えて
 全てを手にすることは叶わず。

 やむなく決断取捨選択
 何かを切って
 泣く泣く切って。

 本当にそれで満足かい
 涙を流さぬ方法を
 考える気はないのかい。

 目に映るカードだけが全てだと
 誰がどうしていつ決めた?
 選ばないことも選択で
 見えないものさえ選択肢。

 心ゆくまで探せばいい
 自分自身の選択肢を
 強く思い描くなら
 想像は形を成す。

「戦旗」

2006-07-21 21:58:27 | 詩のような物
 日は一日一日変われども
 行為に差異はみられずに
 平々凡々過ぎ去って。

 自分自身が特別な個人でなく
 世界を回す大小様々な歯車の
 欠けたところで幾らでも代用の利く
 価値薄き存在と知覚する。

 こんな私の右手では
 きっと何を掴むことも出来ないし
 こんな私の左手では
 きっと誰に触れることもできない。

 それでも両手は未だ動く
 スクラップには早すぎるのだと
 全霊で主張するかのように。

 ならば精々足掻いてみるとしよう
 火力不足と悟りながらも
 世界を相手に反乱を。

 私自身は消えるとしても
 何の記録も残らなくても
 記憶に残れと祈って戦う。

 全ては予測されていて
 世界の手の内で
 弄ばれるだけだとしても。

 平々凡々な自分には
 もう飽き飽きだから
 世界の歯車でなんて
 終わるわけにはいかないから。

 精々示してみせるとしよう
 私自身のこの両手で
 私自身が存在する証を。

「恋愛」

2006-07-20 21:12:34 | 詩のような物
 人が人に恋することは
 容易なことかもしれないが
 人が人を愛することは
 不思議なほどに難しい。

 似て非なる物恋と愛
 どちらも好きには違いなくとも
 異なる側面根を張って。

 愛されたいと願うのは
 愛したいと願うから
 愛されることを識るならば
 愛することが出来るから。

 しかしながら
 愛することと同じくらい
 愛されることも難しい。

 マニュアルなんてどこにもないし
 方程式にも当てはまらない
 予測不能が愛。

 皆試行錯誤を繰り返し
 自分なりに愛の形を探してる
 予想も出来ない愛の形を
 一目見ようと探してる。

 立ちはだかるは
 幾多の障害高き壁
 何度も何度もはね返される
 それでも負けじと立ち向かう。

 頂点に手が届いたなら
 向こう側で拾い上げると
 誓いの旗を掲げつつ
 今日も挑むさ
 恋から愛へのステップアップ。

「√2」

2006-07-19 11:18:37 | 詩のような物
 考えること考えてしまうことが
 星屑ほどに溢れていて
 割り切りながら進むべきだと
 自分に言い聞かせようとする。

 けれど生きていくことって
 割り切ってしまえることの方が
 少ないと感じさせるくらいで
 もやもやと晴れない黒い霧。

 楽な道だと分かっているけど
 楽をしたいと思っているけど
 何かが私を足止めする。

 素直になれないわけじゃなく
 たぶんそれこそ素直な私
 荊に行く手を遮られても
 曲がりはしない素直な私。

 割り切ってしまうことだけが
 答えだなんて限らない
 弱音の滝に流されず
 昇りきるなら龍にもなれる。

 後悔はしたくないから
 自分の信じた道を行く
 自分を信じて道を行く。

 過程に失敗が積まれるとしても
 百の失敗はやがて
 一つの輝きに変わるから。

 無限の可能性秘めて
 与えられたワンチャンス
 生きること生きていくこと
 割り切れないから面白い。

「ヒーリング」

2006-07-18 21:42:17 | 詩のような物
 痛みを負うのが辛くとも
 傷を舐めあうばかりでは
 何も変わらぬ変えられぬ。

 独りでは生きていけぬとも
 群れて馴れ合うばかりでは
 何も得られぬ損ばかり。

 独りも決して悪くない
 時には皆々遠ざけて
 静寂に身を漬すことで
 気づく色もあるだろう。

 保身を図るばかりでは
 結局破滅を辿るから
 少しは危険も冒すんだ。

 幾つも傷を負って
 痛みを識って受け止めて
 痕の数だけ優しくなれる。

 長い孤独を経て
 魂の炎消しかけて泣いて
 涙の数だけ優しくなれる。

 厳しさや苦しさを
 経験して実感して
 本当の優しさが身に染みる。

 誰を救えなくてもいい
 まずはその優しさで
 自分を癒してあげればいい。

 傷ついた身体を
 荒んだ心を暖めて
 誰かと触れあうことなんて
 それからだって遅くはない。

「福音」

2006-07-17 21:12:10 | 詩のような物
 幸せになりたい
 誰もが心のどこかで願っている
 奇跡よ起きて
 最後にすがる頼みの綱。

 願うは自由
 一つの幸せが叶うとき
 一つの不幸が出でるとしても。

 すがるは自由
 一つの奇跡が起きるとき
 多くの不幸が溢れるとしても。

 いつの世も
 欲望は尽きることを知らない
 哀願は枯れることを知らない。

 穢れた面など垣間見ず
 幸せは新たな幸せを願わせ
 奇跡はリプレイを期待させる。

 一度吸った蜜の味を
 忘れられずに
 貪欲に加速していく願望。

 見えないどこかで積み重なった
 不幸の断片が
 やがては還り来ることなど
 微塵の想像もせず。

 苦労なき幸せは無し
 努力せず奇跡は訪れず
 願う前にすがる前に
 少しはじたばたしてごらん。

 幸せは叶えてもらえじゃない
 奇跡は起こるものじゃない
 自らの手で追いかけていくものだから。

「士」

2006-07-16 21:15:59 | 詩のような物
 夢と幻想紙一重
 希望と絶望紙一重
 昨日と明日は紙一重。

 まるで表裏の区別無きメビウス
 いつ入れ替わるとも知れない世界
 不安定な境目に立つ身体。

 真夏の陽炎と思しく揺らいで
 溶けかけた蝋燭の如く儚い
 漂うのは散り落ちる花のような
 甘く惑わす残り香。

 叩けばいとも簡単に粉と化す
 硝子細工の中で
 行く手を遮る光線複雑乱反射。

 怪奇極まるパズルを解くのに
 求められるは歪まぬピース
 探し見つかる物でなく
 在処は常に胸中に。

 手にしたならばはめ込んで
 現在と繋がる架け橋に
 先に繋がる架け橋に。

 紙一重の駆け引きだから
 躊躇は禁物命取り
 己の刃を研ぎ澄まし
 切っ先鋭く踏み込む一歩。

 日々瀬戸際に立つ身体
 後には引けない窮地だって
 紙一重のパラダイス。

 拾い掴める先への切符
 旅立てる
 境界の向こう側へ。

「種子」

2006-07-15 21:23:11 | 詩のような物
 芯は脆いようでいて
 簡単に折れてしまうことなく
 真中を貫いて。

 根は柔いようでいて
 容易に枯れることはなく
 地に張りついて。

 脆弱な私だけど
 優柔不断な私だけど
 咲かせることの出来る
 花は必ずあるのだと。

 散らすためではなく
 誇るために咲かせる
 花は必ずあるのだと。

 種はもう蒔かれていて
 意志の水を浴びながら
 芽吹く日を待ち胎動する。

 何度だって繰り返す
 折れないように
 揺らがぬように
 変わらぬように。

 枯れないように水をまく
 枯れない意志を
 枯れない言葉で
 しかと種に浴びせるんだ。

 遠くとも近くとも知れぬ
 躍動の時を願って
 じょうろ片手に
 私は今日も庭の片隅で。

「甘味」

2006-07-14 20:09:13 | 詩のような物
 暗号のように
 言葉に気持ちを潜ませて 
 パイのように
 言葉で気持ちをくるんで。

 未だストレートに伝えられるほど
 器用じゃないし度胸もないし
 ただでさえ遠い道なのに
 さらに遠回りして歩いてく。

 随分手間がかかっているうえ
 気づいてもらえる保証もない
 ばかばかしいと笑われそうな
 未完成のスイーツ。

 だけれどこれは
 そこまでする価値がある
 絶対あるって確信させる
 強く熱いハート。

 熱に浮かされてるだけだって
 勘違いだとしたって
 今の自分は幻じゃない
 形ある真実現実。

 勇気を出して漕ぎ始めよう
 波に任せてばかりいないで
 流れを創って乗っていこう。

 未だ遠い島にだって
 船はやがて行き着くよ
 探し求めた財宝を
 目にする日が訪れるよ。

 遠回りだって悪くない
 足を止めさえしなければ
 気持ちは届く
 描いた景色に。