図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

神奈川県厚木市の移動図書館車廃止問題

2006-03-19 | 図書館つれづれ
 19日朝新聞を開いてびっくり!「読売新聞」朝刊に、
「厚木移動図書館 小学校巡回中止 来月から 児童の安全理由」
 という記事が写真入で地方版トップででてるじゃありませんか!
 といっても、私図書館屋やびっくりしたのは記事自体ではありません。その内容が、訳あって内情を知る図書館屋のものとぜんぜん違っているからです。なにが違うかというと、

1)まず経過が違う。もともと市長がNOX法で使えなくなる移動図書館車1台の更新予算をカットしたところが発端でる。

2)学校への巡回廃止は予算の時点では出ておらず、たとえ移動図書館車が1台になっても遠い学校には巡回できるのに、そういった検討なしに市長、部長レベルで決定されたこと。

3)「児童の安全」云々は、学校への巡回廃止の理由として後付で考えられたものであること。

4)緘口令がひかれ、議員や市民に対して図書館職員がこのことを説明する機会がなかったこと。

5)小学校への巡回廃止の説明を行なった時、それを決めた部長(元市内の学校長)が欠席し館長が矢面に立たされたこと。

 移動図書館車を巡回させるかどうかは、その自治体の状況や図書館側の体制により、選択肢は異なるでしょう。しかし、広い市域を抱え多くの空白地域のある厚木市では移動図書館車の巡回はまだ必要ではないでしょうか。
 また、巡回を止めるにしても、広く学校関係者、地域住民、利用者等の意見を聞き、議会にもきちんと報告するのが公の矜持というものでしょう。
 それも「児童の安全のため」なんて理由を出すから(このこと自体が悪いわけではないが)、問題が教育委員会外まで波及し、いたずらに混乱に拍車をかけています。そもそも、遠い地域に住む子どもは大いなる危険を犯して図書館まで通うということは安全上問題にならないのでしょうかねぇ。
 役所のも最も悪い部分が出た事例として、また周辺他自治体への大いなる影響を与えた事例として記憶しましょう。それにしても、部長!!あなたは教育者じゃないのかねぇ。

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